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「はじめて降りた駅」アンソロジー

作品募集のお知らせ

 dog and me records は音楽とテキストと映像のサイトです。
 この度、テキスト部門の企画のひとつとして「はじめて降りた駅」という名のアンソロジーの編纂を行うことになりました。
 どういう内容のアンソロジーかというと、ジャンルや内容はまったく問わないのですが、ただひとつ条件があって、それは書き出しが「その駅に降りたのははじめてだった」という内容の一文からはじまらなければならない、というものです。あとはどのように書こうと自由です。幻想文学でもメインストリームでもSFでもファンタジーでも、ショートショートでも時代小説でも官能小説でも構いません。小説にかぎらず、エッセイや評論でも構いませんし、短歌や俳句や詩も歓迎です。短歌や俳句などでは、どこかしら「その駅に降りたのははじめてだった」という状況に近いニュアンスがあればいいです。「駅」の語などを使わなくとも構いません。きわめてゆるい題詠と考えていただければいいでしょう。
 どうしてこのような企画を考えたかを少し説明しましょう。わたしの周囲にはさまざまな面で才能を持った知人や友人がたくさんいます。またネットを歩いていても、変わった感覚、不思議な言葉遣いをする方々の文章を見出すことが多々あります。そしてその度にわたしは、この人は小説を書けばいいのになあ、と思います。でも小説を書くということには、見えないハードルのようなものがあるようで、実際に「小説を書かないのですか」といった質問をすると、たいていの方は少し困惑気味に「自分には書けない」というふうな答えを返してきます。しかも、すごく書きたいんだ、という顔をしながら。
 何度かそういうやりとりを経験して、小説を書くということには最後の一押しのようなものがなければだめなのだな、とわたしは思いました。この企画はそういう方々にとっての最後の一押しになればいいなと思って考えました。
 なぜ、「はじめて降りた駅」なのか? それにも理由があります。
  小説を書くためには、書くべき内容が必要です。心のなかに書くべきものがなければ書けません。しかし、書くべき内容を持っていない人間などいるでしょうか。100人いれば100人が小説になる可能性のある「内容」を持っているのではないでしょうか。
  しかし、内容を持っていて、小説を書く気があれば、小説が書けるわけではありません。実際に書くために一番必要なのは自分のなかにあるものから何を選ぶか、何を書くかということについて決定を下すことです。
  おそらく、小説を書くことにたいして、一番の障碍になるのは、その決定を下す勇気でしょう。
  なぜなら、人というものは、意外に自信がないもので、価値がある、面白い、と自分が思ったものを、ほかの人間も面白いと思ってくれるか、確信を持てない方のほうが多いのです。
  その点でわたしが声を大きくして言いたいのは、いや、どんなもので面白いよ、むしろ、個人的で、へたくそなほうが面白いよ、ということです。人は街頭の政治演説などには耳をふさいでも、ネットの日記は思わず読んでしまうものです。人というものは面白いし、人の考えることというのは、興味深いものなのです。ヘミングウェイの小説の訳題「何を見ても何かを思いだす」ではないですが、何らかの広がりをもたらさない文章というものは存在しません。
  ただ、そうは言っても、何を書くべきか分からないという方のために、「はじめて降りた駅」という題材を考えました。
  はじめてどこかの駅に降りるという時、その状況を導いた理由がかならず存在します。友人が病気になったので、見舞いのためにその駅にはじめて降りるということもあるでしょう。新しい趣味ができたため、たとえば熱帯魚の飼育をはじめために、専門店を訪れようとその駅に降りるということもあるでしょう。
  そういうふうに、はじめての駅に降りるという時には、かならず何らかのトピックやエピソードが存在します。そしてその状況を描けばおそらく「小説」になります。つまり、小説というものは、基本的に、ある状況を描くことなのです。
 また、これはテキスト部門の企画ですが、文章でなければならないということもありません。音楽やマンガや絵やイラストでもいいし、アニメーションや動画でもいいです。ヴィジュアルの作品に関しては、せりふやキャプションなどで状況の説明があればオーケーです。
 報酬は申しわけありませんが、お出しできません。権利に関してはもちろん100%寄稿者に属すことになります。つまり、同人誌ですね。これからは同人誌やインディーが「文化」を動かしていくのではないかと思っています。
 審査などは基本的にありません。送ってくださったものはすべて掲載するつもりです。しかし、公序良俗に大幅に反するものなどに関しては、もしかしたら見送りとさせていただくかもしれません。その場合はどうか御了承ください。
 総数で50作品の掲載を目指していますが、それ以上になってもたぶん(たぶんですが)お断りすることはないと思います。詳しい応募要項は以下にありますので、御一読の上、ふるって御参加下さい。

dog and me records  西崎 憲


 

「はじめて降りた駅」アンソロジー応募要項
■国籍・年齢・性別 ・資格いずれも不問

■テキストの長さは400字詰め原稿用紙で30枚程度まで


■音楽・マンガ・映像・画像の場合は20MB程度まで

■締切 7月末日もしくは50作が集まった時点

■テキスト送付に関して

テキスト(txt)か、リッチテキスト(rtf)で送ってください。 画像に変換してアップするため、校正はほとんどできないので、誤字脱字抜けには十分御注意ください。アップは縦書きになりますので、縦書きでプリントアウトして推敲することをお勧めします。

■マンガ・音楽・映像送付に関して

 画像に関しては jpg や gif、音楽は mp3 で、映像関係は mov で送ってくださるとありがたいです。その他の場合は御相談ください。
  
■応募の際のメールには【駅】とタイトルに入れてください。問い合わせも、タイトルを「【駅】問い合わせ」などとしていただけるとありがたいです 。

■テキスト作品についての留意事項

 タイトルと名前を明記してください。  

 表記に関しては、意図があってやっているのであれば何でもいいです。  
 意図的でなくとも、「かるがゆえに」「すべからく」といった難しい語の誤用などもそのまま掲載しますし、しばしば見かける「意外」と「以外」、「的を射る」と「当を得る」の混同、「こんにちわ」などの表記もそのままにします。  
 ただ、現在の出版の一般的な表記にのっとりたいのであれば以下の点などについては少し注意してください。
 三点リーダーはふたます。「…」ではなく、「……」。
 !や ? の後に文がつづく場合は1字空け。
 鉤括弧ではじまる段落は一字下げなし。
 セリフを閉じる時は「。」
はなし。
 ルビについてはすこし厄介です。ルビはわたしも大好きなのですが、ディスプレイ上できれいに出すのはかなり難しいようです。たとえば、躑躅[てきちょく]
、などとしていただくかもしれません。表紙はこのかぎりではありません。

 本文の組み方、地の色、背景などに関しては、こちらに一任いただけるとありがたいです。
 表紙に使用して欲しい絵やイラストがあればそれも送ってください。表紙の画像を800×600(下の100ピクセル分は表示によっては見えなくなるので実質800×500)で作ってくださると、そのまま載ります。タイトルと作者名まで入れてもらうと、制作が大幅に楽になります。画像の著作権については十分ご注意ください。
 
こちらでやる場合は基本的にはあまり凝ったことはできません。表紙は題字+簡単な画像程度とお考えください。また、自分の考えていたものと違う仕上がりになることのほうが多いと思いますので、円滑に進めるために、書体や画像について指示をいただけると助かります。
 
 巻末に著者のプロフィルを掲載します。これはなしでも構いませんし、逆にHPや連絡アドレスなどを書かれても構いません。何も書かれていない場合は、名前と読み方を平仮名表記します。
 
 その他、問題が生じたなら、すべて相談の上、適切に処理いたしましょう。 さまざまな駅がこの世界に新たに現れるさまはけっこう圧巻ではないかととても楽しみです。
 
小説のお好きな方、一篇の小説も書かずに地上を去っても構わないのでしょうか。
  書くのはいまです。

■応募・問い合わせ dog-and-me@mbf.nifty.com

 

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