夢二については言葉が閉ざされてしまう。「夢二」には楽しさがあり、美しさがあり、悲しさがあり、驚きがあり、話がちょっとあり、言葉がない。で、なんと言っても淡谷のり子の歌がいい!「夢二」は地上から飛び立つ軽さと地面につなぎとめる重さを持った映画だ。しかし、そこには必然性を伴っている。「陽炎座」には、その必然性(これはストーリーと少し違う)があまりに欠如していて、美しく驚かされるだけだった。まあ、何度も見ると印象が変わっていくのでしょう。鈴木清順はまだまだ決して老獪などではない。彼は今を生きる若者だ。