『友達の恋人』

だれでも楽しめる明るいロメール作品
見ているうちに映画の中のことばに引き込んでいく

★★★★
1992/05 早稲田松竹


「緑の光線」で大変私を魅了させたエリック・ロメールですがこの作品で益々ファンになってしまった。「緑の光線」、最初は随分退屈な映画だな、と思っていたが、見ていく内に多彩な会話よってどんどんロメールの世界に引き込まれてしまった。

この作品「友だちの恋人」でまず第一に気付くのは、服装の色が原色を基調として、鮮やかに彩られていることである。レアがブランシュの家に最初に招かれて食事をするとき、ブランシュは、金髪で黄色のシャツを着て、黄色のベルトを使い、オレンジジュースを飲む。視点が頭のてっぺんから腰、そして指先を通ってコップにたどり着く、ここでの黄色の競演、この色使いには視覚的な心地よさがある。見事なカラーリングである。

ブランシュとフェビアンが再会した公園のバックの湖の小波がとても綺麗に写されている。二人のキスの後、二人により強い光があたり、ブランシュの金髪が映える。

夜、ブランシュが家に戻ったとき、緑色の光を帯びたブランシュの家がまるで古代ギリシャ建築パルテノンを模した近未来都市のように感じられた。毎日あのような家に住むことができたら実に生活が機能的になるだろう。しかし人間性を保つケアとしてそこには、必ずバカンスが不可欠になる。機能性だけでないヨーロッパ人の多面的な思考からの割り切りからの生活スタイルがそうなるだろう。

 後エリック・ロメールで忘れてはならないのは会話の妙である。見ているうちに映画の中のことばに引き込んでいく演出はすごいとうならせる。お薦めの一本です。