「旅立ちの時」で見たリヴァー・フェニックスと「ハートブルー」で見たキアヌ・リーブスどっちもぼくにとってはどうでもいい役者だった。映画もつまらんし、彼らもキャラクターが弱くてなんだかよくわからなかった。
だけど、この映画「マイ・プライベート・アイダホ」を見て、彼らに対する印象は一変させられた。改めて宣言します。
「リバー・フェニックスは素晴らしい存在感のある俳優である。」「キアヌ・リーブスは自然に雰囲気を作り出せることのできる大器である。」
と。この映画の中での二人は、各自のキャラクターが映画から浮き出ていて、そのぶつかりあいが良かったし、彼らの特徴がうまく生かされていた。
そして、何といってもこの映画の素晴らしいのは、大胆さだ。この大胆さ、潔さこそ今の映画に欠けているものなのだ。(「ポンヌフ」も含め)映画はSEXが苦手だ。だから、大胆にカットする。いいよね。
この映画は何を描こうとしたっていいんだ。どう描くかなんだ。と断言させるような強さを持っている。
この映画は色がいい。「汚れた血」を見て、服装を含め画面の配色に興味を持った人ならこの映画ものれるはずだ。遠近反復のカット割りが快感ともいえる。
この映画は、パンフレットによれば「ロードムービー」だそうだが、奇妙なことに”移動”が存在しない。確かに舞台はどんどん移る(移動する)のだが、その経路は描かなれない。次のシーンでいきなりアメリカからローマに平気で飛ぶ。ストーリーの整合性よりも’映画’にガス・ヴァン・サントは体を向けているんだ。そんな気がしました。