『爆(BAKU)!』

不満もあるけど、知美ちゃんの好演もあり、まあまあ
でももっと盛り上がるはずなのに、、、

★★
1992/7/21 シネマアルゴ新宿


 設定はなかなかよくできていて、楽しんでみられました。知美ちゃんが、飲み込むシーンなどリアルで迫力があった。まだ1作目の監督作品なので、今後に期待ができますね。俳優の演技、特に知美ちゃんと松尾貴史の演技などは素人っぽいが、彼らがアマチュア、市井の市民である設定にはうまくあっていた。これは、彼らがプロの殺し屋ではないということ。おそらく、外人部隊上りの犯人ともう少し対照的であるカットが入ったらもっとよかったでしょう。

 と、誉めた後で言いたい。この設定なのになんでこれくらいしか盛り上がらないのだろうか。爆弾のカウントダウンや路上検問もサスペンスとしてうまく使えていない。いい材料はそろっているのだが、それがサスペンスのうねりになっていない。これは一つには”待ち”がたりないためなのではないか。サスペンスが盛り上がるためには時間が必要である。だが、この映画では、盛り上がりそうになるとすぐ次のシーンに入ってしまう。だから中途半端なまま観客は置いておかれてしまう。ヒッチコックのサスペンスはそこにもポイントがあるように思えるのだが、好きな監督がヒッチコックという監督の作品とは思えない。うう、残念。

 また以前T.T.F.さんもお書きになっていましたが、特殊爆弾の設定の必然性が弱い。ラストも、”巧い”と思わせた後で、”蛇足”でしたね。

 さらに、部分的なことになるが、松尾が車から出ていくとき、どうして知美ちゃんの顔のカットをいれたんだろう。あそこは、松尾だけ撮りつづけたほうがカメラが知美ちゃんの立場を映しだす。カメラが知美ちゃんの目に、知美ちゃんの心になれたのに。(;_;)

 あと、雨が降っているのに電話ボックスを出た知美ちゃんが、雨に打たれなかったようにみえたのはぼくの錯覚でしょうか。雨は降っているのに、知美ちゃんは濡れない。(それまで以上に濡れないということ。うまく説明ができませんが。(;_;))見た人は教えてください。

 とはいえ、知美ちゃんの好演といい、楽しめた映画でした。