『極私的エロス・恋歌1974』

あまりにも痛々しい映画
対象と撮り手のぶつかりあいがすごい

★★★★
1994年 大井武蔵野館


 原一男が70年代に手掛けた渾身の“私映画”。赤ん坊を抱いて家を捨てた同棲者を追って、カメラ持参の原は沖縄へ。旧コザ市で米軍相手に生計を立てる彼女のプライバシーに、カメラは執拗に迫る。とりわけ、黒人との混血児を自力で出産する元愛人の姿を、真正面から息をつめて捉えたシーンでの、撮る者と撮られる者の対峙はすごいテンション。

 後で、ちょうど20年後にこの映画について監督と話をしたら、「若さが後押ししてくれた映画」とコメントをしていました。