『スピード』がよかったヤン・デ・ボンの新作というので楽しみにしていました。まあそれなりに楽しめたので、ヤン・デ・ボンにはB級映画監督という名誉ある称号をあげましょう。『スピード』もそうだったのだけど、彼の映画ってノンスター映画なんだよね。スターがいない中でどのように映画を見せるか、という点で勝負しているのがすごくうれしい。これっていわゆる”B級映画”の手法ですよね。
見終って、上映料金に値する映画だとは思います。特に、さまざまなエピソードを手際よく2時間以内におさめているのがいいですねぇ。最近の大作映画は、2時間を越えるものが多くて疲れてしまう。やはり2時間を超えると辛い。その点でも合格点をあげられます。
竜巻も恐いです。他の方も書いていらしたけど、竜巻って怪獣に近いんですよね。それも表情が何もない怪獣。表情がないから、表情が読めないから、恐さが増します。しかし、ビルにはその表情が読めるんですね。それが映画のポイント。
ただ、短時間に幾つかのエピソードを入れているせいか、どうもそれぞれの竜巻の恐さが完全に伝わっていないように思えます。もっともっと観客を竜巻の恐怖の中に置き去りにしてよかったのではないか。もっと竜巻の襲われているシーンが長いほうが、観客の恐怖を高めたのではないか。特に後半でそんな感じを受けました。
また映画の最後のほうで、観測器具がようやく竜巻にうまく巻き込まれていく。しかし、その喜びも束の間、に主人公たちもその巨大な竜巻に襲われる。こういうシーンがあります。これは、まず主人公たちが襲われ、命からがら助かったときに自分たちの試みがうまくいったことを知る、という展開のほうが盛り上がったんじゃないかなぁ。少なくともぼくのイメージするアメリカ映画はこんな感じに展開するものです。
また、竜巻を求めて移動するシーンももっと破天荒でよかったんじゃない?あれじゃあ、同乗している精神科医の表情によって説明することで、その破天荒さが説明されてしまっている。見ているだけで観客があきれるような破天荒さを「クレイジー!!」と呼びたいもんね。たとえば、プレストン・スタージェスでの「うずらクラブ」のように。
でも、楽しめました。及第点の映画です。