もう少しアル・パチーノが演じる市長が市政をしっかりとこなしているのを丁寧に描いた方が、その影(裏)にある姿がより浮き彫りになったのだと思います。
ブリジット・フォンダと主人公のやりあいもないし、ロマンスもない。せっかくブリジット・フォンダが魅力的なんだから、なんらかのロマンスがあってもよかったと思う。どうも食い足りない作品だし、全体的に不明瞭。
でも、気に入ったシーンがありました。それはダニー・アイエロが演じる上院議員のセリフのない数分間のシーンでした。彼が運転している。顔のアップが入り、そのまま車が脇に入るのを映す。カメラは助手席を映し、そこには新聞が無造作に2つ折りになっている。紙面では議員が汚職で摘発されることを知らせている。そして、議員が2つ折りをもどすと、そこには拳銃が。そしてこめかみにその銃をあてる。カメラは内部が見えない程度に離れたところから車を映す。そして、運転席のガラスが曇る。この彼の自殺のシーンを、一言のセリフもなしで、描く。こういうシーンにはなかなか出会えません。それだけでも、この映画は価値があったといってもいいでしょう。