非常にうまい映画です。しかも”うますぎない”。たとえば、コーエン兄弟。『ミラーズ・クロッシング』なんて、”形式主義”の匂いがぷんぷんで、形のために映画があるという感じでした。それって何?って感じるのはぼくだけでないでしょう。ハル・ハートリーもやはりやりすぎなんだと思う。でも、この『バウンド』はテクニックの出し方がまあぎりぎりのラインに収まっている。たとえば、薄い壁をうまく使っており、そこから産み出される緊迫感は一級品です。
でも、やはりこの手の映画って、同じことをもっとシンプルにできるんじゃないかって思ってしまいます。こたとえば、タランティーノの『ラザボア・ドッグス』なんて非常に古い手法を使いながらも、それを的確に組み合わせることで、新たなる世界を生み出していました。でも、このウオシャオスキー兄弟、今後が非常に楽しみです。