『コントラクト・キラー』

カウリスマキによるシンプルな画面と、ジャン=ピエール・レオーの素敵な無表情、
そしてジョー・ストラマーの歌がある。これが最高の組み合わせなんだ

★★★★
1997/10/04 下高井戸シネマ 21:00  混雑度:70%


 映画が終わって最初の感想は、「こんなにもいい映画だったのか」というものでした。前に見たときも、すごくよかったと思ったのに、今回はそれ以上に楽しめた。冒頭のシーンが「ガントレット」のオープニングのようにかっこよく、スムーズなんですね。多くの新たな発見があって、シンプルなのに深い映画だな、と思いました。

 この映画を見ていると僕は自分の底知れぬ力に気付かされる。封筒を開封しなくても、中身を見通すことができるし、手紙の内容も、説明されなくても、教えられなくても、理解することができる。まるで自分で読んだかのように。映画の中に描かれなくても、観客は自分で描くことができる。多くの映画が観客に与え続けるだけなのに対し、観客が自分で生み出す力を与えてくれる。この「コントラクト・キラー」は観客の力を引き出す映画なのだ。