『HANA-BI』

これまでの集大成的な作品だが
映画全体でなにか未消化という感じを与えてしまっている

★★


 この映画は今までの集大成といわれている。確かに、映画を観ていると、初期の4作品『その男、狂暴につき』『3−4×10月』『あの夏、一番静かな海』『SONATINE』に類似したシーンがたくさん出てくる。その刻印らしきものを観ている間に感じ取り続けるのだが、残念ながらどのシーンも、それぞれのオリジナルを越えてはいないのだ。北野監督がインタビューに答えているように、以前のものからいいものを取り出してくることは大切である。しかし、全体があっての部分なのだから1部だけ取り出しても、それを生かしきることは難しいことなのだ。。それがこの映画全体でなにか未消化という感じを与えてしまっているように思えるのだろう。

 いい映画だと思う。でも、彼の映画の中ではそれほどできのいいものではないだろう。今まで不当に評価をしてこなかった、いや北野武という才能に気付いていなかった反省に意味が込められた賞なのではないか。外国人の反省文、それがヴェネチアなのかもしれない。

 カメラが妙な動きをするのだ。映画を観ている時から気になっていたのだが、カメラマンが今までと違う。雑誌でのインタビューを読んでいると、カメラマンががんばっちゃったらしいです。そこで監督が自分だったらこう撮るというのを説明しているのだが、どう考えてもそっちの方がよさそうなんだよね。