『爛〈ただれ〉』

増村保造監督、若尾文子主演のゴールデンコンビ、62年の作品
若尾さんの狂気が足りない

★★
97/11/15 大井武蔵野館 14:20 混雑度:80%


 うちにあるぴあシネマクラブには、この映画は載っていない。『妻は告白する』『黒の試走車』の間に位置するこの作品は、それなりに重要だと思うのですが、載っていません。

 ぼくは映画を見ている間は十分楽しんだのですが、ちょっと何かが違うような気がしていました。そう若尾さんー増村の映画って、「楽しむ」というよりは「苦しみ、それが楽しみ」という感じなんですが、この映画には「苦しみ」がなかった。若尾さんの凶器、いや狂気が足りないんです。友人に聞くと、「あの映画はおもしろいけど、『妻は告白する』の後と考えると物足りない映画だよ」と言われました。観ている間には、十分楽しんでいたのですけどね。