『タイタニック』

スペクタクル映画としては楽しめるが
スターが不在の映画

★★
札幌東宝


 ぼくは、ディカプリオという役者は”スター”だと思っています。この場合の”スター”は演技を必要としない役者のことです。誰もトム・クルーズに対して、内省的な演技力を要求しないでしょう。スターというのは、そういうものだと思っています。

 ディカプリオはおそらくスターと呼んでいいと思う。『ロミオ+ジュリエット』を観たときに、彼はスターとしてスクリーンに映っていました。でも、ディカプリオはまだ完成されたスターではない。だ撮られ方によってはスターの輝きを引き出されたり、そうでなかったりする存在なんだと思う。

 この映画では彼はスターではない。そのほか大勢出ている出演者と同様演技を必要とされている役者だった。「彼はスターなんだから、そういう扱いはないだろう、」という思いが観ている間、ずっと考えながら観ていました。特に、前半の恋愛劇はスターの扱いに失敗したどうも煮えきらない作品になっていました。

 しかし、銃を持ってのチェイスがスクリーンで始まった途端、やはりキャメロンなんですね。得意技のオンパレードです。スペクタクルはお手の物だからね。しかし、随所に挿入される人間的なシーンがどうもしっくりこない。甲板での楽団のくだりも白々しいばかり。いい話なのにどうしてこう盛り上がらないのでしょう。

 3時間以上という時間を費やす意味があったのかわからないが、強引に自分の土俵に観客を取り込んでいけるキャメロンはやはり職人でした。でもでも、退屈なシーンがあまりにも多すぎました。