「大切なものはそう簡単には手に入らない」というテーマをうまい具合に描き出してはいる。好きな女性にただ花を渡そうとしていただけなのに、相手を前にして襲いかかってしまうという下りはよかった。そうやって手に入れてもむなしいだけなのだから。
でも、難点は多い。発射されないピストルという小道具がまったく生かされないため、それが実際に使われたとき(弾が発射されたとき)にもインパクトを受けることがなかった。昨日ビデオで見た『ソナチネ』でのピストルの使い方とかを見てしまうと、発射されないというのが実にいい小道具になるのに。
また、複数の話を並列させているため、全体として散漫な印象を受けた。もっと一つの話を掘り下げた方が、深みがでたと思う。