『レインメーカー』

コッポラの小品。ちょっとしたしぐさなどに魅力が
ある映画です。

★★★
98/07/15 高崎電気舘 18:30 混雑度:2%


 ぼくはコッポラの『タッカー』が好きです。初めて『タッカー』を観た頃、『地獄の黙示録』や『ゴット・ファーザー』がよく理解できず、コッポラという監督は自分とは無縁な存在なんだと思っていました。『地獄に堕ちた勇者ども』などとともに、僕とは縁のないしかし、『タッカー』は違いました。細やかな人間描写から浮き出てくる映画の存在感、暖かみ、本当に素晴らしい作品でした。そして、また一本お気に入りのコッポラ映画と出会うことができました。この『レインメーカー』です。

 この映画はメインは、法廷を始めとする法律関係の場面です。でも、ぼくがすごく気に入っているのは、人そのものを描いているちょっとした場面。クレア・デインズが勤める宝石ショップにマット・デイモンが出かけていくシーン。その後の映画館のシーンの素晴らしさ。かかっている映画がひどいものなのと対照的に二人は輝いていました。

 ぼくが一番涙したシーンは、クレア・デインズを彼の依頼人であるおばあさんの家に迎え入れるシーンです。決してアップを挿入せずに、そのシーンの暖かさをうまく使った場面でした。こういう呼吸は考えてできるものではない。でも、こういう場面に作家の個性が出るのです。優れた映画作家というのはいつも老人をうまく使います。ルビッチ、ヒッチコック、イーストウッド(彼自身も老人になってしまいました)。そしてこの映画でのコッポラも。『タイタニック』だって、デカプリオをサポートするいい老人がいたらもっと素敵な作品となったのに。