『白い花びら』

サイレント・ムービーだが、単なる懐古趣味ではなく
手段としてサイレントを使っている

★★★
2000/09/ ユーロスペース 19:00  混雑度:90%


 アキ・カウリスマキの新作。「20世紀最後のサイレント・フィルム」ということだが、正確にはサイレントではない。歌を歌うシーンなどはそのままだし、効果音もそのまま使われていたりする。つまり、この映画においては「サイレントっぽい表現手法」で映画が描かれているのだ。

 いたってシンプルな話だが、この”サイレント手法”がそれをうまくふくらませている。普通サイレントだと表現が狭められてしまうのだが、この映画はサイレントによって表現を広げている。”サイレント手法”によって、より役者の表情や視線などに目が向くようになる。これが、”サイレント手法”を使ったカウリスマキの狙いであり、それはうまくいっていると思う。

 ただ、僕が好きな『コントラクト・キラー』『ラヴィ・ド・ボエーム』などにくらべると愛着が生まれないのは、キャラクターが弱いからでしょうね。でも、この作品はこれでいい思う。