始まったらスクリーンサイズがシネマスコープじゃない。これはうれしかったなぁ。やはり、シネマスコープはビデオではなく映画館がいいもの。
映画は、ジェイムズ・ホエールという個性的な人物を、愛すべき偏屈野郎の生きざまを描く。引退した後を描いているのに、現役時代をうまく観客に感じとらせる演出は見事。
「一言で表現できるのがいい映画だ」と言われていたことがある。故伊丹十三監督がよく口にしていた言葉だ。この映画に関しては、「この映画はこういう作品でした」と一言で表現するのは難しい。それは人生を一言で言い切ってしまうのが難しいことなのと同じ。それもこんなに難しい人物の人生を一言でなんて到底語るのは不可能。
結局、言えることは、ジェイムズ・ホエールという人生の一部を体験し、それがおもしろかったということ。感想を述べるより、「体験してみなよ」というのが適切なアドバイスなのだろう。
あと、なんといっても素晴らしいのがホエールの身の回りの世話をしているハンナの存在。脇役というより、主役以上の存在感がある。彼女には本当に涙してしまった。
とにかく、とてもとても美しい映画です。淀川長治さんが生きていたら本当に絶賛しただろうな。