エリック・ゾンカの注目の新作。かれはデビュー前の短編『岸辺』と観る機会があり、シンプルな画面からほとばしる才気におののかされた。とにかく、シンプルな作りの中にテンションを生み出していくことができる数少ない映画作家だと感じた。そしてデビュー作の『天使が見た夢』はそのような彼の特色が出ていたが、彼のシンプルな作風には長尺を持たせるのは少々苦しいという印象を受けた。
この作品は1時間ちょっとの中編で、彼の個性がうまく出ている作品になっている。とくに最後にテンションが高まってくる場面はほんとすごく、事件性がないストイックな映画にも関らずなかなか見応えのある作品。