映画のどんな点に惹かれるかは人によって様々だ。ぼくはスタイリッシュで完成度が高い分、人物が希薄になってしまう映画より、未熟ながらも人間の味わいがでている作品に惹かれる。
そういう意味では、この映画は群像劇になっている分、一人一人の描き混みが希薄だ。しかし、そんな点も映画が進んで行くにつれて、観客にそのかけている部分を勝手に想像させ、観客それぞれの色づけをしていくような作品になっている。スタイリッシュであるけど、そんな含みがある作品。傑作の香りがする映画。
全体的に画面は暗く表情がうまくつかみにくい。それがこの映画の持ち味。涙を流しながら、映画とともに痛みを感じるバイオレンス映画でした。
ほんのちょっとしたことから映画がどんどん広がっていく。
くすんだエレベータのガラス、古ぼけたドアノブ、1つ1つのパーツを思い出そうとするだけで映画の戦慄が今もよみがえります。すごい。