日本映画 『椿三十郎』
黒澤は『天国と地獄』『用心棒』『悪いやつほどよく眠る』などが好きだ。『七人の侍』は代表作だが、ぼくはあまり好きではない。『羅生門』などは欧米の無理解が生んだ誤解から賞を取った。賞というのはそんなものです。
『ソナチネ』
同じ作品を観るために4日間連続で劇場に通った。既に3回も劇場で観ているのに、それでも4日連続で劇場に足が向かっていました。それなのに、4日目でも涙が止まらなかった。
『東京上空いらっしゃいませ』
初めて観たときには7回泣いた。2回目に観たときには14回ほど涙した。3回目以降は最初から泣き続けだった。牧瀬がその生活を充実しているのを見れば見るほど別れのつらさが引き立つ。別れることにおびえているよりも、今を十二分に楽しんでいる方が、涙を誘うものなのです。
『となりのトトロ』
こんな幸福感ってあまり味わえない。
『妻は告白する』
増村映画は、とても刺激的で見終わったときに、どっと疲れがでる。とにかく緊迫感の連続で、感動とはちょっと違う”なにか”をいつも伝えてくれます。『赤い天使』も好きです。
『行き行きて神軍』
奥崎謙三もすごいけど、彼が病人に蹴りを入れている間、撮り続けた原一男もすごい。
『東京流れ者』
清順は日活時代の方が好きです。『ツィゴイネルワイゼン』はよくわからない。『陽炎座』は好きなシーンもあるが、全体としてはそれほど好みではない。たぶん、大正三部作の中ではもっとも完成度は低いのだろうが『夢二』が好きです。
『斬る』
雷蔵ものとしても、三隅研次としてもぜひ挙げたい一本。
『最も危険な遊戯』
『野獣死すべし』とどちらを挙げようか悩みましたが、やっぱりアクション的にはこちらの方がいいので。
外国映画
『天国は待ってくれる』
ドン・アメチが"How to make your husband happy"を手に取った瞬間、「今死ねたら最高だろうな」って思いました。それくらいこの映画の幸福感は、ぼくにとって素晴らしいものでした。
『見知らぬ乗客』
やっぱりヒッチコックでしょう。その中でもこれはピカ一です。オープニングからラストまで、ビシビシとヒッチコック・タッチが全開。
『ガントレット』
ぼくの映画歴は、『ダーティー・ハリー』で始まり、『ガントレット』で映画ファンになり、文芸坐での『ダーティー・ファイター』などのイーストウッド特集で映画から離れなれなくなった人間です「イーストウッドこそ男の中の男である」「イーストウッド映画こそ映画である」ということを、それ以来疑ったことがありません。
そして、『ガントレット』は数あるイーストウッドの映画でも、彼らしさを満喫できる映画。イーストウッドは決して物陰から相手を撃ったりしない。いつも画面の正面で、相手と対峙する。しかも、銃弾が彼に当たることはない。イーストウッド映画と北野映画との共通の文法がこれです。
ちなみに「『ガントレット』を好きになれない人は映画の敵だ」と言ったのは、蓮実重彦氏です。それで彼が好きになりました。彼は同志です。『ロンゲスト・ヤード』
この映画で忘れられないのは、秘書役のバーナデット・ピータース。彼女、イーストウッドの『ピンク・キャデラック』でも魅力的な役柄を演じています。ちょい役なのに、こんなにもインパクトを与えている彼女はすごい。
『天国に行けないパパ』
今はなき雑誌『シティ・ロード』が試写券があまっているのでと、毎月試写会に応募しているだけで、いきなり試写状を送ってきました(当時は月に100枚以上のはがきを書いていました)。何の予備知識もなく試写会の会場にでかけていったら、もう最高です。映画ってこんな楽しくっていいの?楽しくって、うれしくって、こういう映画が大好きです。
『北北西に進路をとれ』
中学生のときに何気なくつけていたテレビでこの映画をやっていました。「世の中にはなんてすごいものがあるのだろう」ってその時思いました。どんどん映画が好きになっていくきっかけを作った作品です。
『トップ・ハット』
ミュージカルはぼくはフレッド&アステアのRKO時代が好きです。スポーツライクなダンスよりも、感情がこもった優雅な踊りが好きです。アステアのダンスはまさに芸術という感じです。
『インディアン・ランナー』
最初のカーチェイスを観た瞬間、この映画が素晴らしいことが瞬間的に感じられた。映画館を出て帰り道で、改めてこの映画というものを何度も考えた。「よくわからないけど、うまく言葉にすることができないけど、この映画ではそんな必要がない。とにかく、素晴らしい」ってことを。
『軽蔑』
ゴダールだと難解だと決め付ける人がいる。確かにそういう映画もある(多い??)が、光と音と人物を純粋にフィルムに焼き付けている作品も多い。この映画の美しさ(女優、自然、ストーリー、つまりフィルムに表れているものすべて)を前にすると”難解”ってなに?ですよね。
『エンパイア・レコード』
「楽しく生きる」ただこれだけのことを映画にしようとする、単純なようで難しいことなのです。『エンパイア・レコード』は『天国は待ってくれる』とともにそれを実現している数少ない映画です。
『めぐり逢い』
ぼくはこういう映画が好きです。毎日、毎日こんな映画を観ていられるなら、新作なんか1本も観なくていい。こういう映画だけ観ていられれば、人生楽しく過ごせるでしょう。もし、彗星が衝突して地球が崩壊してしまうとなれば、この映画は絶対に欠かさないでしょう。オーソドックスな素晴らしさが満喫できます。
『汚れた血』
『ポン・ヌフ』に”肥大化”といわなければならなくなってしまうのは、この映画が素晴らしすぎるからです。
荻野アンナがこの映画の上映会を開いたことがありますが、観客は私を含め3人でした。芥川賞を授賞する直前でした。ぼくも彼女がどんな人なのか知りませんでしたが。『ホワイト・ドッグ』
『ショック集団』『最前線物語』などで、ぼくの映画感覚を成長させてくれたサミュエル・フラー。彼の作品の中でも、アメリカで長い間上映禁止になっている『ホワイト・ドッグ』 はもっとも愛する作品です。「前進あるのみ」、それが映画の宿命である。撮影はイーストウッド映画『目撃』のブルース・サーティース。
『アメリカの友人』
昔はよかったヴェンダース。
『友だちの恋人』
ロメールはすごく好きだけど、この作品と『海辺のポーリーヌ』が特にお気に入りです。
『100人の子供たちが列車を待っている』
チリのドキュメンタリー。小学校の先生が生徒に映画というものを教えるという作品です。映画を観ているうちに、とにかく自分も画面の中の教室に入れない悔しさがいっぱいになってしまう。映画というのは人を狂おしくするものなのです。
『ウォーカー』
この映画はオープニングに"This is true story"というテロップが出ます。よく「実話だから、、、」という意見を耳にしますが、この映画を観たらどんな感想を持つのでしょうか。
『スラムダンス』
ウェイン・ワンは、もうこのようなアクション映画を撮ることがないのでしょうか。
『あんなに愛し合ったのに』
演出が甘い部分があるけど、スコラはいい監督です。映画評論家が『自転車泥棒』に説明するクイズシーンは最高です。
『冬冬の夏休み』
最近のホウ・シャオシェンはちょっと理解できないが、これは本当に素晴らしかった。小品を輝かすことができる監督がぼくは大好きです。
『死刑執行人もまた死す』
フリッツ・ラングも『恐怖省』とこの映画が好き。どこかでだれかが言っていましたが、「ヒッチコックは線でサスペンスを生み出すが、ラングは点でサスペンスを生み出せる」(ラングの方がすごいという意味ではありません。念のため)
『白い婚礼』
この映画でのバネッサ・パラディの魅力、これに引き込まれてしまうのは、”不倫”というより人間としての道理だ、なんて考えてしまいます(笑)。
『穴』
ベッケルは『エドワードとキャロリーヌ』もすごい好きです。でも、この『穴』。シンプルな演出がすごい。
『ヘンリー』
この映画を観ていなかったら、『CURE』がもっと楽しめたでしょう。映画というのは残酷で、多くの作品を観てしまうとランキングがどうしても生じてしまう。この映画のラストのインパクトにしばらくずっと引きずられました。それくらい、すごい映画です。こわい、こわい。
コメント:劇場で観たものから選びました。1監督、1作品としました。ヒッチコックは例外。以前、友人に「ヒッチコックってどんな人」と質問をされ、「映画が誕生してから100年たつけど、その中でもっとも優れた映画監督で、あと100年たった後でも最も優れた映画監督と言われる人」と説明したほどですから。