むこうの海岸のところを水平に切っていますが、蒸気パイプが敷設してあったところです。この大久野島に毒ガス製造の棟が約二〇棟、それに付属する建物を併せると、一〇〇棟ぐらいありました。製造工場でいろんな原動力がいるんですが、電気はもちろんのこと。もうひとつは化学薬品の反応を基にして毒ガスを造りますから、化学薬品を配合して、それを加熱したり、あるいは冷却したりすることが必要なんです。加熱する場合、絶対火の気は使わない、スチームを使ってました。この大久野島の南部に一箇所と北部の長浦地域に一箇所ボイラーを据えてです。これを汽缶場といいました。このボイラーの能力は私もよく記憶していませんが、そのボイラーの蒸気を工場に使うんですね。そして、ここにも蒸気パイプを通していたんです。