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【劇団どくんごの演劇】
「テレビに出たい」 ということもなく、芝居をして儲かるということもなく、中古のボロ車に大道具や照明を積んで、各地で300平米のテント劇場を自分たちで組み立てながら芝居して旅する私たち劇団どくんご。 25メートルプールの上に2階建てのアパートが建ちあがった位のテント劇場だから、見慣れた公園や見慣れた空き地の光景が変わって見えないわけがありません。 そしてそんな風をはらみさっそうとしたテントには何が飛び出すかわからない楽しさがあります。 この劇団の芝居は、流行は追わないが新しく、演技はキリッシャキッと切れのよい動きが売り物でありながら、一方で出たとこ勝負のだらしない部分もちゃんとある。 それぞれの役者たちが観客に対してあるメッセージを示しながら、少なくとも「演じる」という点については異常に本気だということ。 とうしてここまで本気を全開させるのか誰にも本人たちにもわからないくらい。 その点では見て損はないと断言しましょう。 極端に本気な出し物はテレビ等ではなかなか見られません。 だから機会がたまたまあって、そして劇場まで足を運べば、ワッと驚くほどの面白い舞台に出会えることもあるのです。 歌にロック、民謡といろいろあるように、演劇にもいろいろあります。 筋のわかりやすいテレビドラマのようなものもあり、ほとんどコンサートとかわりがないものや、舞踏とどこがちがうのかわからないものも。 どくんごのお芝居は、物語を下敷にしていますが、そのことにとらわれず、リラックスしてそれぞれの役者の身体の動きや発する言葉をそのままに楽しんでもらえるといいと思います。 例えば、衣装と化粧を身につけた人たちが動きと言葉で織りなす「詩の朗読会」のつもりで。 お涙頂戴とか、爆笑間違いなし、といった売り文句はありません。 けれどもセリフや演技は単純で、案外分かりやすいものです。 笑いも涙も予告しませんが、劇場でナマで見ていると、もしかしたら自然と笑えてきたりするものかも知れません。 笑わなくてもいいのにこみあげてくる笑いです。 理由がわからないのにこみ上げてくる涙です。 そうなったら、しめたものです。劇場にきた甲斐がありました。 見た人は、今までに知らなかった感じ方を身につけるかもしれません。 それはちょっとした冒険になるはずです。 芝居には、解答や謎解きのようなものはありません。 見る人は笑いも含めて好き勝手に感じたり考えたりしてください。 自分自身のことを考えてもいいし、自分の好きな人、嫌いな人のことを思い出してもいい。 世界の情勢を頭に描いてもいい、子守歌だと思ってまどろんでもらってももちろんいい。 演技そっちのけで、こんなテントに住んでみたいなと思ってもいい。 思わず号泣してももちろんいい。 演劇を見てこそ思い出せることというものもあるのです。 思い出せたり感じたりできたら、それで見た人はひとつ得をします。 そして芝居の終わった後の歓談会で、できれば得したことを劇団員に話してください。 私たちにとっては、それが最大のよろこびです。 |