5月14日。昼前に釣り場到着。なかなか渋くて、三匹釣った時点でもう5時過ぎである。
イブニングの釣りに千代川水系の山奥のポイントを目指す。車を停めて準備しているとワンコが一匹やってきた。首輪が付いているので飼い犬だろうことは確かなのだが、人家からここはかなり離れているはずなのだ。何故こんなところに居るのだろう。茶色の雑種で、みすぼらしくてひょっとしたら老犬なのだろうか。そして気弱そうな犬である。まったく吠えないし、しっぽも振らない。
今回選んだこの川の釣り場は、車を停めてから相当歩かねばならない。準備が済んで釣り場に向けて歩き始めると、なんとそのワンコも付いてくる。特に邪魔というわけでもないが、ふと昔の記憶が蘇ってきた。http://www1.harenet.ne.jp/~orita/diary/ron.htm(←以前愛媛の山奥で犬に邪魔された話)あのときは釣りにならなかったよなあ。などと感傷?に浸りつつ、しばらく山道をてくてく歩いているのだが、そのワンコもつかず離れず、しっぽも振らず付いてくるのである。ちょっと不気味だ。
川に降りる斜面の手前でやはり犬は立ち止まった。やっぱりここは降りてこないだろう。川へ通じる斜面を下る。到着して下から見上げると、そこに犬の姿はない。安心して足下をふとみると犬が居た。げげ。そいつも斜面を下ってきたのである。
無視して川に入る。こうなれば無視が一番である。しかし恐れていたことが・・・。やっぱりこいつもアホ犬であった。川に入ってきて水を飲むしまつ。しかもそこは私がこれからフライを投げようとする目前である。ワンコはハイテンションになっていて、激しく尻尾を振り振りしている。しかし5月の川といえども川底の空気は冷たく、水も冷たかったのであろう、お尻が震えていた。
こっちも臨戦態勢なので、つい声を荒げた。「こら。あっちいけ。バカ犬。」すると川から離れたのである。少しは人語を解すようである。しばらく魚をぽろぽろと釣って歩く。最後の堰堤下の釜にやってきた。何を思ったのかワンコも降りてきたのである。まあ激しく邪魔するわけでもないし、無視して釣りを続けるつもりだったが・・・。このアホワンコは堰堤上のコンクリートを歩きながら、あんぽんたんなことに、否、犬にあるまじき危険回避能力の欠如なのか、右前足を踏み外し、前につんのめりながらどぼんと落水したのである。しかも上に上がれずじたばたと必至に両前足で堰堤のエッジをひっかくのみ。もう釣りどころではない。犬命救助行動に変更である。
首輪を掴み上に引きづり上げた。するとやっぱりぶるぶると体を揺すり水を飛ばした。
ひとまずこいつから逃げよう。思い切っていつもは入らない堰堤の上の区間へ入る。まだ釣りをする時間はある。するとまずまずの釣りが成立しちゃったのである。
車に戻ると、さっきの落水ワンコが車の横で寝ていた。
ぽろぽろっと1時間に2匹程度のスローペースで釣れてくるのみ。この川は釣り上がる区間が長いため、飲料水と昼食をベストに忍ばせているので非常に重い。肩がこる。でも予想以上に寒くて飲料水の消費が少ないため、軽くならないのである。
それでも時間が経つにつれて、魚の反応が上向いてきた。もう今日はこの川で最後まで通そうという気になった。夕方になるとスピナーが飛びはじめ、大きめの水塊ではライズも始まった。スペントタイプと裏ハッチ用#20のCDCカディスをとっかえひっかえしてたら楽しい釣りが出来たのである。しかし寒かったなあ。