cobra head minnow tying
副題:奥ゆかしいフライマンにお勧め。 ローリング系アクションのリップレスミノー誕生なのだ。
久々にテクニカルコラム更新である。海のフライに興味のある方や、バスでフライを釣ってる人はよくご存知のように、あの岩井渓一郎氏が05年に放った「イワイ・スーパーミノー」というフローティングミノーがある。まあ岩井氏個人に対してや、このフライそのものについてや、バス釣ってるのはどうよ等色々な意見をお持ちの方もいらっしゃるだろうが、今回それはおいといて、釣ってる映像なんかをみると、シーバスやバスが上をみている状況で、かつイワシなどのベイトフィッシュを意識している時、かなり有効なパターンの一つだろうと思われる。
このフライの面白いところは、ルアーに対するアンチテーゼというか、まっすぐしか泳がない、引っ張っても若干沈む程度で上下以外ほとんどアクションしない、そして超軽いという、水中での存在感はルアーとはまったく正反対の方向を向いているその特徴である。
私の場合、西表のマングローブフィッシングでトップで使おうと思っていくつか巻いてみたのが最初である。で、まったく同じようなレシピで巻くのもつまらないので、色んなパターンを作ってみた。その中で一つ面白いパターンが偶然出来ちゃったのである。
これは、サブタイトルにもあるようにローリング系の、フライにしてはかなり上出来なアクションをするのである。昨今のストリーマーや海のフライは、リップ付きが流行りである。他にもマジックヘッドなんていうカップ状のヘッドを逆さまにつけてアクションを出そうという商品まである。皆涙ぐましい努力や工夫の賜?である。これらは、フライらしくないといえばらしくないのだが、やっぱりルアーにはがんがん出るのに、フライには反応が薄いというのはよくあることで、悔しい思いをしているアングラーが多いってことなんだろうなぁと思う。私は別に何もこだわりはないので、リップがついていても全然平気なのだが・・・。
で、このコブラヘッドミノーである。これは「リップ付きフライなんて邪道だよ」と思ってるそこの貴方。貴方のような奥ゆかしい(頑固でこだわりのある)方のためのフライなのだ。ぱっとみ単なるフローティングミノーだから、その秘めたるアクションがわかんないし。このフライの特徴は一言でいうと、扁平なボディとヘッド部分の傾斜にある。
ところで、ルアー(ミノー)がローリングや、ウォブリングという「アクション」をする真の要因は、リップがついているからではない。水中(水面)をルアーが進む時、まっすぐな姿勢を保とうとする部分とそれを乱そうとする部分が同じボディの中で同時発生した場合、その「矛盾」を解消するために振動が発生するのである。それが出来るのであればリップは無くてもいいのである。・・・なーんて偉そうに書いたが、結局はこのフライもヘッドの部分が下に傾斜していて、それが「リップ」の役割をはたしてるんじゃないかと指摘されれば、まあそれまでなのだが(^^;)。問題はその傾斜をどう形状としてメモリーさせるかということだ。フライだからフォーム材をマイラーチューブで包んでいるだけで、フォームの形状を曲げるという手法もあるのだが、少々フォーム材は弾力があるし、柔らかすぎる。曲げた状態でエポキシなんかで固めるという手はあるだろうが、面倒なので試してない。そこでピアノ線を使いヘッドの傾斜角をメモリーするようにしたのである。
いや、その書き方は嘘だ。本当のことを正直書けば、ちょっと書いたように偶然そうなっちまったのだ。フック一本では少々フッキングが不安だったのでタンデムフックにするため、ボディの中にステンのワイヤーを通しているからこそ、それができたのである。この構造であれば、現場で泳がせてみて、フライのアクションをみながら、角度をつけたり、戻したりという調整もできる。これも偶然の産物である。
さて、スイミングテストした近所のため池では、バスは釣れた(^^;)。しかし本番の西表では、魚はこのフライに出ることまでは分かったが、しかし釣れてない(爆)。本来ならもっとテストをして、がんがん魚を釣って、マル秘フライにしようかなんてことも考えたんだけど、そんなことよりも第一発明(発見)者としての権利(いや、権利なんてないし、第一発明者であるという保証もないが)というか、他のアングラーにもどんどん巻いて貰って色々と改良をしてもらえばいいんじゃないかと考えたのである。なんというんですかねえ、フリーウェアプログラムの作者にでもなった気分が近いかも。
では、皆様よき釣果を期待しておりまする。報告待ってます。あ。小さいサイズならトラウト用にもいいかも。
※ネーミングの由来:ヘッド部分の形状が、コブラ特有の頚部を拡げる威嚇姿勢に似てるため。
※※簡易レシピ:中身はフォーム材を適当にカット。ボディを覆っているのはEZボディのMサイズ(ちなみにこのミノーは体長60ミリ、最大幅10ミリ、厚みは5ミリ程度)。作るミノーのサイズによって切り出すフォームの大きさや、チューブの太さ、フック、ワイヤーの太さ等臨機応変に変えてください。
まず、最初にフォーム材を適当な大きさにカット(画像のミノーはイエローのフォーム材を切り出してから背中側に青のマジックで着色してる。)。イメージとしては、断面が山○組の代紋のような菱形にするとよろし。腹部にワイヤー用のスリットをカッターナイフでいれておく。長さ10センチ程度のステンレス鋼線0.4ミリをアイの形成とフロントフック固定のために3センチ程度折り返し、折り返した部分の先から15ミリ程度をさらに折ってEZボディに突き刺し、バイスに固定。フォーム材を頭から挿入する。ボディの前後をスレッドで巻いてワイヤーに固定し、さらにチューブを閉じる。ボディから飛び出たワイヤーにフックを取り付ける。固定は画像の通り、折ったワイヤーにフックを通し、ウレタンチューブを被せただけの手抜きである(このとき、先にフックにチューブを通しておくと、作業が楽だ)。これでまず外れることはない。お好みで尻尾マテリアルを付ける。アイを付け、透明な接着剤(なんでも可)で主要箇所をコーティングして完了。
※※※さらに裏技。フックを横にわざとアンバランスになるように曲げてやると、こんどはクルクルとフライが回転する。弓角っぽいアクションになる??。←サルカンでも付けないとティペットが捩れます。
ちょっとタイイングについて順番に説明してみよう。
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STEP#01 |
フォーム材をカット。なお今回の事例は、フォーム材は薄目(2ミリ)のやつを色違いで二枚重ねにして、接着剤で固定したものを使用。 |
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STEP#02 |
こんな感じで、ハサミやカッターを使ってフォームを成形。腹側センターにはカッターでスリットを入れておくこと。 |
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STEP#03 |
今度は芯になるステンレスワイヤーをこんな感じで折り曲げて成形する。 |
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STEP#04 |
フックの位置決めをした後、ステンのワイヤーのフロント側をチューブに刺し、バイスに固定する。EZボディを使うのであれば、つなぎ目が側線の表現になるので、左右にバランスよく付けること。 |
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STEP#05 |
スレッドをこの程度先に巻いておく。スレッドはこの後瞬間接着剤で固定。 |
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STEP#06 |
チューブの開口部へ、フォーム材のお尻から挿入。 |
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STEP#07 |
フォーム材を最適な位置まで押し込んだらスレッドで固定。 |
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STEP#08 |
同様に後ろも固定する。テールが必要な場合、この時についでにテールのマテリアルを止めておけばいい。 このあとチューブを強めに引っ張り、前後をスレッドで固定する。 |
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STEP#09 |
ここまで、できたらバイスから外し、むんぎゅと(あんまり力を入れると壊れる(^^;))ペンチ等で挟んで、頭部がややお辞儀をするよう曲げを施す。 |
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STEP#10 |
ワイヤーをこんな風に曲げて、フックを固定するための前処理を行う。 |
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STEP#11 |
あらかじめ、取り付けるフックにウレタンチューブを被せ、アイを露出させておけばこの後のドッキングは楽。 フックのサイズによってアイ回りの大きさが違うので、ウレタンチューブを使う場合は各種サイズを用意しておこう。 この処理は熱収縮チューブのほうが、作業が楽だし、安心感も高いかもしれない。 フックの大きさはご自由に。まぁ全体のバランスがありますが。それとリアフックはフロントフックよりも軽いものをおすすめしときます。 |
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STEP#12 |
フックを付け、シールアイ(これはお好みで)等目玉を付けて、エポキシやウレタン系接着剤で固定する。私は個人的には、コニシのボンド「ウルトラ多用途SU」が好きだ。透明感が高くて泡が発生しにくく、硬化も早い。 最後にフックの角度を微調整し完了。 |
ちょっと更新。改良型もあるでよ。↑のタイプだと、フロントフックとボディの間にどうしてもティペットが挟み込まれる場合があるので、それが嫌な時はこんなのもどうぞ。こっちの方が単純でタイイングしやすいかも知れない(2007.01.27)。