以下は架空相談である。当然登場人物も実際に存在しないし完全なフィクションである(ほんとだってば)。
最近イイタイコトをいえず、澱のように溜まっていることを、問答の形式を借りてはき出すというスタイルにしてみた。私にとってみればカタルシスということになるはずだが、はたしてどうなることやら。私はあんまり「いい人」じゃないのだというマニフェストなのかもしれない。
質問者:複数
Q.釣りに行くたびに妻が嫌な顔をするのですが、どうすればいいでしょうか。
A.答えは簡単。奥さんの不満を取り除けない限り釣りに行かないことである。それとあなたの奥さんがどんな種類の不満を持っているのか、例えば一人きりにされる孤独を訴えているのか、子育て、家事等夫婦間で行うべき負担に対しての不平等を訴えているのかよく考えること。それさえよく分からないのであれば、あなたはもう夫ではない可能性がある。それと奥さんと釣りとを天秤にかけるような考え方はやめること。奥さんに対しても釣りに対しても失礼である。・・・と本当にオマエわかってんのかねぇというヤジが飛んできそうな書き出しでこのQ&Aはスタートしてしまったが、実は虚偽の可能性十分である。あ、でもフィクションだからいいか。
Q.ORI太郎さんの奥さんって理解がありますね。
A.まさか。普通ですよ。というか基準がないでしょ。この件に関しては。まあ私の場合結婚する前から同じような生活してたからなあ。そのあたりがちょっとアドバンテージがあるのかも知れない。
Q.掲示板に時折「釣りキチの妻」という人がきつい一言を書いてますが、あれは奥さんですか。
A.その通り。彼女もネットワーカーなので私の釣行は全部筒抜けである。夫婦間に隠し事は駄目よ。ところで、もう私のプライベートに関する質問はやめて頂戴。
Q.大きい魚を釣るためにはどうすればいいのでしょうか。
A.簡単に釣れるならこっちが訊きたいくらいだねえ。そして技術的な話は苦手なのじゃ・・・。だから心構えを少し。
経験がものをいう部分というのは確かにある。なんでもいいからメモを取ることをお勧めする。ポイント、天気、水位、日付、ハッチ状況、時間帯のデータを蓄積しておけば後で参考になる。そのうち大体魚の行動は季節的に読めてくるし、同じ水系であれば魚の行動は似たようなものになりやすいのでたとえ初めて行く場所でも予測がしやすいだろう。それと同じ川にずっと通ってみるのも手だ。季節的な魚の付き場の変化を把握しやすいと思う。
それと本気で大きい魚を釣りたいのなら、大きい魚を狙うという釣り方にシフトするべきだ。教科書的だが、基本的に大きな魚は大きなポイントに居ると思って間違いはない(イワナの場合よくわからない場所から出てくることもあるが・・・)。小さなポイントをちまちま狙うという時間的ロスは避けること。釣る時間帯もまづめ時に集中させること。それ以外の時間は時間潰しくらいに思っておいた方がよい。そのことは実はあまり楽しい釣りではないという人もいるだろう。昼間の明るい時間帯にマッチング・ザ・ハッチで里川を釣り上がるというのもそれはそれで楽しいものだ。そのうち大物が釣れることも時にはあるだろう。だが、「大物釣り」という観点から見ればそれは効率が悪い。ただし例外もある。前日雨が降って若干増水気味であるとか、春の日中大型のメイフライ、例えばマダラ類等の集中ハッチがある時などである。こんな時はチャンス到来。日頃お目にかかれないサイズの魚が出ることもある。
もう一点、なんでもやってみるという釣り方がよい。ドライしか使わないドライフライ至上主義だとチャンスが少なくなる。時には沈めたり引っ張ったりしてみよう。ドライには出なくても沈めたとたん釣れちゃうことは珍しくない。ただ以上のことは「大物を釣るためのごく簡単な心構え」に過ぎず、それを実行したからといって確実に釣れるというわけではない。また、こればっかりがフライフィッシングの楽しみではないし、私も他の釣り方を否定するわけではない。
それとこれは余計なお世話かも知れないが、大物が釣れる場所は自分だけの秘密にするか、本当に信用のおける人物以外には内緒にしておこう。今のネットワーク社会は情報伝達が非常に早く、直ぐに自分だけの釣り場でなくなる恐れがある。
Q.ORI太郎さんと一緒に釣りに行きたいのですが。
A.難しい相談ですな。というか、知らない方からいきなりそういわれたらまずお断りするようにしている。仮に一緒に釣りに行くと仮定して、知らない方との情報交換は行わない主義であるということを100%理解してもらえます?さらに私から釣り場の情報を聞き出そうなどとしないこと。それを承知の上ならかまわない。なんと難しいことをいうヤツだろうと思うことだろうな。でも私の釣りはあくまでも「私のための釣り」であって、「他人のための釣り」ではない。気心の知れた人と一緒ならまだしも初対面の人を連れてガイドまがいのことなどしたくないしするつもりもない。私がガイドをするとしてもそれは「私がガイドしたい人物」でであって「私にガイドされたい人」ではない。ここでもまた原則は「私のための釣り」である。
私から釣り場情報を聞き出したいが故に質問のような申し出をされる方が時折メールをくれるのでこの際云っておくけど、いままでさんざん懲りているのでそのような気配を少しでも感じた場合返事すらしないようにしている。冷たいようだが、それは逆に私の人間としての弱さの表明をしているのだ。一緒に釣りに行って、大の大人が泣くような眼でどこが釣れるのか教えて欲しいと懇願して来た場合、あなたは平常心でいられるだろうか。私は若干浪花節体質の人間のためそれは無理である。お互いに不機嫌になるだけだ。だからそんなシュチュエーションには極力近寄らないようにしている。勘弁して頂戴。なんでポイント情報を教えたくないかは以前別の場所にも書いたのでそっちを参照してほしい。それと私が数多くのポイントを知っているのかといえば正直な話たいして知らない。かれこれ7シーズン釣りにばっかり行っているけど、人並みにしかポイント開拓はしていない。へんな期待をされても困るのだ。
HPを開設して暫く経ってみれば、無邪気にコミュニケーションの拡大を図るだけでは、結局自分の首を絞めることがありうると痛感した。気づくのが遅すぎたかもしれないが、このジレンマを解決するのは上記のような方針をとらざるを得ないのだ。
Q.釣った魚の綺麗な写真の撮り方を教えてください。
A.これはいい質問です。こんな質問を待っていました(涙)。でも私はまだまだ未熟者だし装備も貧乏である。本当に凄い画像を参考にしたければひげながれもんかげろう氏の釣行記を参照のこと。一眼レフに接写可能で明るいレンズ+PLフィルター、フィルムはポジでばしばし撮っちゃってください。え?そんな機材持ち込めない?しかたないなあ。まず簡単なこつというか心構えを。できるだけ明るい場所でフラッシュなしで撮る。しかも複数枚色々な角度から。これが基本である。web上で公開するということを前提にさらにこつを。
■撮影準備編
以前魚を暴れさせない方法について尋ねられたことがある。これは難しい。ヤマメやアマゴは直ぐにおとなしくなるが、イワナの場合個体にもよるがいつまでも激しく抵抗する場合がある。ネット内でなかなかおとなしくしてもらえない。まあ時間的、精神的余裕を持て撮影しましょう。魚に落ち着いてもらうことは同時に撮影者も落ち着けるということである。まず暴れてネットからはみ出ないようネットの奥の方に魚をいれてしまう。さらに呼吸困難にならないよう水の中に浸けておく。当然ネットが流されたりしない水深と場所を選ぶべきである。その間にじっくり撮影の準備を行うこと。くれぐれも魚に撮影用のポーズをさせてから撮影の準備は行わないこと。準備中にポーズが変わる可能性は大だし、せっかくの魚に逃げられたりするリスクを回避するためである。準備終了後魚のポーズを決め撮影する。
■撮影本番編
魚のポーズ決めというのもこちらの思い通りに行かない場合が多い。その場合のティップスとして、小石の類あるいはタックルのリール部分などをネットの下、あるいはネットの中に入れ魚を固定すると上手く行くこともある。ネット内には少量でかまわないので呼吸が出来るぎりぎりの水が入るように工夫すると良い。魚が暴れるのは逃走したいためと呼吸困難で苦しいためという両方が考えられる。出来るだけ魚が暴れる要因は取り除こう。
それでも暴れる場合は暴れるものである。あきらめて魚の目を空いている手で押さえよう。それだけでもおとなしくなる場合が多い。その間にピントを合わせて押さえた手をどけた瞬間シャッターを切るという手法もある。
ここで注意するのは、なるべく魚の顔や鰭がネットやフレームで隠れてしまわないようにすることである。私もよくやるが、写真が出来上がってからがっかりすることがある。ピント合わせは原則として魚の眼に対して行う。眼が命である。眼にピントを合わせてからファインダーを覗きながら全身が入るよう若干カメラを動かしてシャッターを切ろう(フォーカスロック)。また魚の側面に対して真上、つまり垂直方向から撮影すると単なる記録写真というか魚拓のような平面的な画像になりがちである。なるべく魚の口の中を撮るような気持ちで魚のやや斜め前方にレンズを持っていくことが肝要である。眼と口で魚の表情が決まるものなのだ。人物ポートレイトの撮影でもそうだと思うけどちょっと斜めから、ちょうど片側の耳がみえるくらいの方が立体感が出て人物の表情として美しい。証明写真のような真正面構図は硬すぎ、かつのっぺりである。それと同じこと。あと主題は魚であるということも忘れずに。ネットやタックルは添え物である。全部ファインダー内に入らなくてもよい。ちょっと画面の端に写っている程度でぜんぜんかまわない。大胆に撮りませう。
で、ここで絞り(被写界深度)の話や露出の話も当然あるべきだが割愛する。なにせ私はその段階はカメラ任せだからである。使っているのは単焦点35mmコンパクトカメラ(京セラTプルーフ)だし。私よりももっと詳しい人に訊くべきだ。
■画像処理編
出来上がった写真はネガでもポジでもいいけどスキャナーで取り込む。最近デジカメも併用しているのでこれはその日の内にカメラから直接取り込めるので便利がいいね。ただし画質にちょっと不満がある(Panasonic LUMIX)。HPで公開する場合は画像解像度が72dpiもしくは96dpiであるが、それ以上の解像度で取り込んでから加工する。例えば200dpiとか300dpi。
ここでフォトレタッチソフトの登場である。ソフトは何でもいいとおもう。最終的な構図はここで調整できる。(だから撮影時は画角ぎりぎりまで被写体を写す必要はないともいえる。)大体の構図を決め、トリミングし要らない部分を除去する。あるいはその前に画像を任意の角度に回転させることも時には必要である。ここで構図について少し補足する。主題となる部分、魚で云えば顔(アップの場合は眼)を画面の中のどの位置に置くかという問題である。これを真ん中にしてしまうと非常につまらない。黄金分割などということまでは云わないが、画面を縦横に三分割する線を引っ張っると九つの四角形に分かれるはずである。その真ん中の四角形の頂点のいずれかに主題が入るようにすれば収まりがよいといわれている。また、魚の向きも角度を付けると画面に勢いと広がりが出る。魚が垂直または水平だと画面を分割しがちだからである。画面内の対角線に沿うよう意識して配置してみよう。
↑元画像:必要な部分はイワナの顔だけである。


以上の構図の考え方は実は撮影時にも意識しておくべき事柄である。そうすれば失敗が少なくなる。さて構図が決まったら今度は画質の調整である。コントラスト、シャープネス、彩度、色相等の調整を行う。自動調整ですませてもよいし、発色が悪い場合はマニュアルで調整してみること。最後に画像解像度と画像サイズを決定し終了である。
補記.別に構図はこれが「正解」というものがあるわけではない。表現上わざとアンバランスにしてその時の不安な心理状態を代わりに表現させたりとか、ページ内での画像の位置によっておさまりをきめるようなことをしたっていいのだ。
あとは釣り雑誌などの格好いいと思う画像を良く研究してみよう。ヒントが色々得られると思う。