フィラリア症について
Q フィラリアってなんのことですか?

フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫です。白くソウメンのような虫で成虫は犬の心臓に寄生します。このフィラリアが犬の心肺機能に深刻な影響を与えます。フィラリア成虫は犬の血液中にミクロフィラリア(フィラリアの子供)を生みおとします。蚊が感染した犬の血液を吸うときその血と一緒にミクロフィラリアを吸い込み蚊に感染が起こります。その蚊が犬の吸血を行うとき蚊の中で成長した感染子虫が犬に移り感染が成立します。

Q どのくらいの数の犬が感染しているのですか?

日本全国で56000頭、大阪府で3600頭(2002年調べ)といわれています。感染があるのに動物病院に来ていない犬もいますので正確な数は把握できていませんが、間違いなくこれ以上の感染はあると思われます。

Q 感染するとどのような症状が出ますか?
元気がない
咳が出る
食欲がない
呼吸が苦しそう
おなかが張っている
血尿が出る

ただしこのような症状が出るのは中期から末期にかけてで、初期の症状はわかりにくいため感染の発見が遅れることが多く、手遅れになることもあり、定期的に検査を受けなくてはなりません。

Q 感染を調べるにはどうやって検査をするのですか?

簡単な血液検査を行います。検査方法には大きく分けて2種類あり病院によって検査方法が違いますので、聞いてみることも必要でしょう。
1 成虫を見つけるフィラリア抗原検査
採血した血液による免疫学的な精度の高い検査法です。フィラリア成虫が排泄する物質を検出することによって、成虫が寄生しているかを判定します。判定用の検査キットを使用しますので精度は高いですが、若干の費用がかかります。
2 子虫を見つけるミクロフィラリア検査
成虫より産出されたミクロフィラリア(子虫)を採血した血液の中か顕微鏡によって探し出す検査です。検査キット等を使用しないため安価で検査ができます。

Q なぜ毎年検査しなければいけないのですか?

予防シーズンの初めに必ず前年度に感染がなかったかどうか検査をしてから投薬を始めます。万が一感染があるのを知らず投薬すると、犬の血中のミクロフィラリアが死滅して、犬がショック症状を起こしたり死に至ることもあります。

Q 決められた期間投薬しても感染する可能性はなぜあるのですか?

次のような理由が考えられます。
 1、知らない間に吐き出していた。
 2、室内だから蚊はいないと安心して飲ませていなかった。
 3、薬の飲ませ忘れ。
 4、投薬日のずれがあった。
 5、家族が与えたと思い込み投薬し忘れた。
 6、旅行先での感染。(地域により蚊の生息期間が違う)
 7、冬場でも蚊が出ることがある。(暖かい水があるマンションの排水溝    など)
などが考えられます。

Q 検査で感染を完璧に発見できるのですか?

検査法によって検出率が違います。
前述のフィラリア抗原検査はかなりの高検出率が得られます。しかし100%ではありません。

ミクロフィラリア検査は安価な検査でよいのですが、オカルトフィラリアといって成虫はいるのにミクロフィラリア(子虫)が次のような場合検出できないことがあります。
A フィラリア成虫の寄生がオスのみ又はメスのみの場合
B ミクロフィラリアを産出していない時期の場合
C ミクロフィラリアはいるが採血する時間帯によって検出できないことがある

Q どのくらいの期間を予防すればよいですか?

地域によって違いますが、当院では5月から12月までを推奨しています。蚊が出始めてから1ヶ月後から蚊がいなくなって1ヵ月後までが投薬期間です。

Q 年中投与は必要ですか?

蚊の発生状況によります。
一般的にはいないはずの気温でも場所によっては蚊が発生するかもしれません。
予防薬の副作用はそんなにありませんから心配であれば投薬するのもひとつの考え方です。かかりつけの獣医師と相談してください。

Q 予防薬は錠剤しかないのですか?

錠剤タイプとサイコロの様なお肉タイプ、顆粒タイプがあります。病院によっておいている剤形が違いますので確認してください。また、回虫などの線虫の予防が一緒にできるものもあります。

Q 感染してしまった場合の治療法を教えてください。

大きく分けて3つの方法があります。
1、駆虫薬を使いフィラリアを殺す方法
→死んだ成虫が血管につまり、ショック状態や梗塞が起こり危険なことも多い
2、手術により首の血管から器具を心臓まで入れて直接虫を取り除く方法
→麻酔下で行いリスクも高い処置方法

3、成虫の寿命を待つ方法
→積極的な治療は行わず、症状がなるべく出ないよう予防的治療と対症療法を行う

Q 治療法があるのならかかっても心配ないですよね?

前述の治療方法のどれもが高いリスクを伴います。比較的3つ目の方法が安全性としては高いですが、感染による心臓の悪化は必ずしも抑えられるわけでなく重度な症状が早期に出てくる犬もいます。やはり感染しないようしっかりと予防を行うべきです。

Q すでに感染してしまったのですが今後の予防はいりますか?
感染が見つかった後も予防をしないと更なる感染を許してしまうため、必ず予防が必要です。ただし通常の投薬では犬がショックで亡くなってしまうこともありますので獣医師と相談してください。

Q 猫にも予防が必要といわれたのですが

猫の場合にも非常にまれですが感染の報告があるようです。フィラリアは単数寄生といわれており、検査による発見は犬に比べて難しいのが現状です。
病院によって猫に予防をするか違いますので確認してください。

Q 妊娠の可能性があるのですが予防薬を飲ませてもよいですか?

予防薬を生産したメーカーによっては妊娠犬に対する安全性試験を行っている場合があります。獣医師に確認を取ってもらいましょう。

 <予防>とは、飲むことで感染をさせないということですか?それとも
予防薬は蚊から感染したフィラリアの幼虫をまとめて駆除するための薬です。フィラリアを持った蚊から刺されないようにしたり、うつらないようにしたり、守るための薬ではありません。ですから、蚊がでなくなってから1ヵ月後に予防薬を飲む必要があります。


Copyright(C)2006 Suita Donguri Animal Hospital. All Right Reserved.                      吹田どんぐり動物病院