服脱ぎへの対処
1.概要
服脱ぎには靴や靴下などの部分的なものから、全ての衣服を脱いで丸裸になってしまうものまで様々なパターンがあります。社会性を考えた場合、家族や周囲の人にとって困ってしまう行為のひとつです。
2.原因
大きく分けて3つの原因が考えられます。
@各種感覚の発達や統合が未発達
自閉症や重度知的発達障害を持っている場合に多く、皮膚感覚が過敏であることが考えられます。また気温、湿度などに対して過敏な場合も考えられます。
Aこだわり行動
自閉症に多く見られますが、@と関連しており、パンツの履き心地を修正しようとしたり、シャツなどの裾の位置がずれたりすると、それを修正して何度も脱いだり履いたりを繰り返すことが多く見られます。
B表現として
@やAより発達段階が進んだ方に多く見られますが、本人にとってストレスとなることがあった場合、不満への表現として服脱ぎ行動が見られる場合があります。
3.対処方法
@やAなどは皮膚感覚の問題が伴っているので、感覚に慣れさせることが大切になります。具体的には、くすぐりや握手などからはじめ、乾布摩擦など布でこすったりすることを行います。また過敏な場合はそっと触るよりむしろギュッと触れるほうが効果的な場合もあります。音楽療法などにおいてもパラシュートやリズムに合わせて体に触れる曲などを使って楽しみながら、徐々に皮膚感覚に慣らしていくこともあります。
色々な工夫を行っても難しい場合は、脱げないようにする方法もあります。但しこれは人権を考えた場合、拘束に該当する場合もあるため慎重に行う必要があります。具体的には靴や靴下をひもで括る、靴下の上からタイツをはかせる、つなぎの服を利用する、ゴムズボンではなくベルトズボンを利用するなどです。
ただし、このケースの服脱ぎは障害を持つ・持たないにかかわらず、子どもには良く見られることであり、衣服の着脱が習慣化することにより、自然と改善される場合も多く、あまりあせらずに根気よく、状況にあった衣服を着せるようにすると良いでしょう。
Bのケースは、特定の状況、場面、人などに対して行われるため、まず原因の特定から突き止めていきます。特に自閉症の場合、不満に感じていることを言葉ではなく、服脱ぎという行動で表現することがあります。例えば1日の流れが急に変更になってしまった場合や、本人にとって今後の見通しがつかないような状況の場合などです。原因の特定が難しい場合、服脱ぎの日時、場所、天候、気温・湿度、場面、行動状況、対応とその結果などを記録しておき、その記録を元に原因を探る方法が良いでしょう。
こうして推測された原因を、本人が受け入れられる方法で改善すれば、服脱ぎは減少すると考えられます。