北海道腕時計博物館

MOVADO

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創業年

1881

創業者

アシール・ディーテシャイム

創業地

スイス ラ・ショード・フォン

現在地

スイス グレンシェン

モバードは、マニア向けの時計メーカーとしてジャガールクルトとともに高い評価を得ています。

「モバード」とは、エスペラント語で「絶ゆまぬ前進」あるいは「つねに躍動する」という意味だそうです。

横須賀太安堂店主、栗崎賢一氏によると、モバードはある分野では世界一とも言えるメーカーとのこと。

ある分野とは、全回転式自動巻き、半回転式自動巻き、ムーンフェイズ、クロノグラフ、角形ムーブメントなどあらゆる種類の時計を自社生産していた、という点だそうです。

ロンジンには半回転式自動巻とムーンフェイズがなく、オメガやジャガールクルトにはクロノグラフがなく、ユニバーサルも角形ムーブメントがなく、パテックは半回転式自動巻きがない。ロレックスは自社製ムーンフェイズ、クロノグラフ、半回転式自動巻きは無かったと思います。また、ゼニスのエル・プリメロもモバドとの共同開発とのことです。

1892年の同社の広告に、すでに「あらゆる種類のムーブメントの生産から時計を製造している」とあるそうで、栗崎氏の言葉を裏付けていますね。

ジャガールクルトと異なり、いまはもう昔日の面影はなく、自社ムーブの時計は出していないようですが、アンティークモデル、とくにクロノグラフやポリプランというムーブがカーブした腕時計は、マニアのあいだでかなりの高価格で取り引きされています。

Name

Circa

Case

Mov

Ref

Cal

CALENDOMATIC 1950's SS&YG Automatic C228

半回転自動巻きモデル。いわゆるトリプルデイトモデルですが、この時計の画期的なところは、日付が31日から1日に変わると、自動的に月も送られることです。

当時の腕時計で、こういう小さなしかも自動巻きモデルでは他に例がなく、モバードの技術力の高さがうかがえます。

Name

Circa

Case

Mov

Ref

Cal

MUSEUM WATCH 1990's SS Quartz

「時間」とはいったいなんでしょうか?

東の地平線から太陽が昇り朝となり、昼となり、西の地平線に太陽が沈んで夜となる。

それは決してセシウム原子時計に規定されるものではなく、太陽と自分(地球)との位置関係で決まる相対的なものです。

古来、人間は空の太陽の位置で時間を測っていました。

日時計がそのまま時計の原型で、いまの時計がすべて右周りなのは北半球での日時計を模しているからなのですね。

太陽と、自分と、時間。

つまり太陽と時間がわかれば、衛星ナビのごとく地球上での自分の位置がわかるわけです。

地球上での位置は緯度と経度によって表されますが、緯度は太陽や星の高さで測定されるものの、経度の測定には正確な時計が必要でした。

例を挙げれば、時計の時間を経度0度の場所に合わせておき、ある地点で太陽がもっとも高くなった時(正午)に、時計が午後3時を示していたら、360×3/24=45度で、その場所は西経45度になります。

16世紀以降に大航海時代が始まり、ポルトガルとスペイン、さらにオランダ、イギリス、フランスが世界の海上で熾烈な覇権争いを開始します。

海上を制覇するためには、正確な海上での船の位置を知ることが重要でした。

そのためには正確な時計が必要で、精密な「マリンクロノメーター」の開発が各国で行われました。

1714年、イギリス政府は、経度の測定に使える正確な時計を作ったものに2000ポンドの賞金を与える、と発表。

1719年、フランスでも1万ルーブルの報償金を出す、と発表。

これらの報償金制度のおかげで、イギリスの時計製作の技術は当時は世界のトップでした。

その後19世紀になるとスイスがイギリスを抜いて世界一の時計王国になります。

これは、イギリスでは家内手工業として閉鎖されたなかで時計技術が伝承していたのに対し、スイスは法律などを整備しオープンな情報交流を行っていたということと、さらに19世紀になって軸受けに宝石を使用する技術がイギリスから伝わったことなどにより品質が向上したためといわれています。

『時間とは、数字の連なりではない。本来人間は、地球の回転、太陽の位置で時間を体感するものだ』

アメリカ人デザイナーのネイサン・ジョージ・ホーウィットは、1947年、時計の原点に立ち戻るイメージで、文字盤の正午に位置に黄金のドットをたった一つだけ配置したミュージアムウォッチの原画を発表。

真昼の太陽を象徴する黄金のドットと、地球の自転を象徴する針の動きだけで時間を表現しました。

これも、アラン・シルベスタインと同様、バウハウスの流れを汲むものだそうです。

彼はこの素晴らしいデザインをいろいろな時計メーカーに持ち来んだそうですが、どこにも相手にしてもらえなかったとのこと。

1959年にホーウィットのデザインした プロトタイプはニューヨーク近代美術館の常設展示品として選ばれ、ここにミュージアムウォッチの名が生まれました. 

1961年にスイスの名門・モバードがついに採用、「ミュージアムウォッチ」として発売。

いまに至るまで、モバードの代表的ウオッチとしてラインナップされています。

ところで「モバード」とはエスペラント語で「絶ゆまぬ前進」あるいは「つねに躍動する」という意味だそうです。

英語では、「always in motion」と訳されています。

モバードは1881年スイス ラ・ショード・フォンに創業の古いメーカーで、全回転式自動巻き、半回転式自動巻き、ムーンフェイズ、クロノグラフ、角形ムーブメントなどあらゆる種類の時計を自社生産していた、とても玄人向けのメーカーです。

マニアも多く、以前はモバードを主力商品としていたアンティークウオッチの店が原宿にありました。数年前に閉店してしまいましたが。

この名門・モバードも、1970年代の「クオーツ・ショック」に飲み込まれ、消えはしなかったものの、いまはブランド名とデザインのみ継承した時計作りをしています。

先ほどの原宿のアンティークのお店がまだやっているころ、訪れたことがあります。

店主に聞いてみたのですが、「昔のモバードと、いまのモバードはまったく別物と思ってください」とのことでした。

いま思えば、あのお店も結局モバードと同じ運命を辿ったのかなと、そんな気がしてなりません。