音響誘魚法の話

小西茂木さんの釣りスタイルは、まさに「科学的」です。大魚を「待つ」のではなく、「寄せて」釣るというスタイルにあります。それも「音」で寄せるのですから、ビックリです。
通称「音響誘魚法」という、この釣り方は、リールをサミングして、投餌した仕掛けを静かにバシャリと着水させ、周囲から魚を寄せてきて釣る、という方法です。
この音は、だいたい1500ヘルツぐらいの低周波でコイやレンギョがハタキを打つ音を意識しており、この音に寄せられてレンギョやコイがよって来るという考え方です。

ほ乳類の「耳」に当たる「側線」は、穴のあいた一列の「側線ウロコ」になっております。ウロコの大きさによって、数は異なり、コイで35〜38枚、ソウギョで40〜47枚、レンギョで115枚ほどになります。
こんなことから「魚は耳がいい」のでしょう。そしてそれは、いろいろな研究結果からも明らかになっているようです。
同書では昭和38年の水産庁漁船研究室の実験では、「コイが水面に投げ与えられたエサをくわえて、身をひるがえして潜っていく音」というものを水中マイクで発信したところ、40〜50m四方に散っていたコイのほとんどが山のように押し寄せてきた、という実験結果を紹介しておりました。

千葉県のほうでは「ボコ釣り漁」という、つりがね型オモリをボコボコと海中に落として泡立てて、タイを寄せてくるという伝統的漁法があるようです。
温度や不純物などによって水の密度が変わると多少変化はしますが、だいたい秒速1450mというのが水中を伝わる音の速度です。これは何と大気中での音の速さの4倍にもなります。
コマセ等の「臭い」は下流にしか広がりませんが、「音」は上流にも素早く伝わっていきます。投入音で魚を寄せるという「小西式音響誘漁法」のメリットはとても大きいわけです。

小西氏はこれをミャク釣りにも適用しておりましたが、当時の小生のテクではバシャリと落とすことは不可能でしたので、結局ウキ釣りで同じスタイルを真似てみました。
これだと仕掛けもネリ餌ダンゴも軽量で、ジョボリ・ジョボリと着水させることが出来ます。実際やってみても、たしかに音で寄って来るという感じはありました。ネリ餌ダンゴの拡散効果だけではなかったと確信しております。



ウキ釣りタックルで小西氏が推奨しているのは4.5m竿。じつは今の小生のロッドも同じ長さで、実に使い勝手がいい長さです。淡水大魚相手では、手前がテトラ帯などの特殊なポイント以外では、本来この長さ以上は要らないのではと感じております。いまのところは流し釣りに使っておりますが、これをやがてウキ釣りに転用することも視野に入れております。

リールについては、小西氏はキャスチングリール(タイコ)を手始めにして、おもにペンのビーチマスター155を使っていたようでした。当時はよく見かけましたが、いまでもこのリールはあるのでしょうか?
ガッチリしたペンリールは、小生もあこがれて釣具屋に見に行きましたが、この上のクラスであるサーフマスター含めて、結構高価で手が出ませんでした。
当時はオリムピックのファイターがあるだけで、しかも重いメタルスプール。ダイワなぞは話にならず。プラスチックスプールでイシダイ釣りの強度を維持できた、当時のアメリカ製品の品質の高さを感じましたね。



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