片瀬のコイ釣りオジサン

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98年の秋、シーバス狙いで片瀬川に行った際、そこでたまたま隣合わせましたコイ釣りのオジサンとしばらく話し込んでしまいました。ここで得ましたのは、結構特異な情報でした。

このオジサンの釣り方はパンの流し釣りで、小生と殆ど一緒であります。但し仕掛けは相当ごつく、リーダー部(70〜80cm)から中通しフロータ(二ケあって一応固定)を通す部分(50〜60cm)をナイロンの網ヒモで作られており、最後はこのヒモの部分を掴んでコイを寄せるという手を使っているようです。


片瀬のオジサンの仕掛け
ロッド固め(8〜10ft)、リール(スピニング)、ライン6号
sikake
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uki 中通しフロータ(夜光)×2
uki フロータ部分ラインも撚り糸
line リーダはナイロン撚り糸(中太)
hari 針(コイ9号程度、肉厚)



三十分ほどで80cm級を二本上げてましたが、リリース方法も特異で、1m程度の棒の先に自作針外しがついており、これで要領良く魚体に触らずに水面でリリースしておりました。(これは魚体も傷めない俊逸な仕掛けで小生もパクろうと思ってます)

ロッドは3m弱の硬めのスピニングロッドでラインは6号、サブの竿が凄くて1ピース(約1.5m)のガイド付ロッドに、ラインとして先刻のヒモが5m程ついた奴で、これで有無をいわせずに魚を寄せるのだそうです。竿は固めが一番で、竿先が柔らかいのはフッキング率が下がるとの事でした。



夜でもコイ釣りですか?と聞くと。片瀬で大事なのは潮時で時合があえば夜でも昼でも関係ないとのこと。潮時とは上げ下げ共に途中で戻すときがあって、そのときに食いがたつので集中するのだそうです。

曰く「あげて一旦戻ってあげて、下げて一旦戻って下げる」のだそうで。恐らく潮汐と河川の流量流速とのバランスが一旦拮抗する時合があるのでしょう。

拮抗する時が、食いが立つというロジックはなかなかおもしろく、実際それまでまるで活性がなかったシーバスも、オジサンが鯉を釣ったほとんど同じタイミングで小生にヒットしました(取込みイモってバラシましたが)。河川シーバスの時合を見る上で大いに参考になりそうです。



このオジサンは何と今年(98年)の目標は五千本だそうで、既に四千本近く達成しているとの事でした。一日の最大の引数は95本でこの日も90cm緋鯉含めて9本連れたったとか言ってましたね。片瀬はアベレージ高く平均で70〜80cmですが、上流では95cm(!)がせいぜいとのことでした。

メータUPを狙う場合は、海寄りの山本橋〜片瀬橋(橋からは海が見える)近辺の深みが良いと言ってました。そこの深みにはメータ級が潜んでいるそうです。

大物は深みにおりますが撒き餌(パンの粉)と流しを数度やると次第に表層に上がってくるそうです。確か春先に片瀬川突堤で釣りをしていたら足元を海から大ゴイが上がっていきましたね。



個人的には淡水の濃いところではランカーシーバスの比率が高い様な感じを抱いてますが、コイの場合はまるで逆のようです。

鶴見川と違うのは、片瀬はドイツゴイはあまり居なく(このオジサンの説では確率1/1000程度→分母が異常)、そのかわりにヒゴイが多いそうです(それも特大)。比較的暖かい湘南のせいか、冬でもこの釣法で釣れてしまうそうです。緋鯉を鶴見川で狙っている小生としては羨ましい限りです。

それから面白いのは外道の魚達で、良く釣れてしまうのはクロダイ(これのほうが良い)。それから先日はルアー師横目でスズキまで釣れたとのことでした。このオジサンに言わせるとルアー釣り師はやたら居るけれど釣れていないねえという事でしたね。セイゴ級は子供でもこの釣法で釣れてしまうそうです。



ということで、このオジサンは小生のホームの鶴見川でのコイ状況も仲間から聞いているそうで、70〜80cm止まりの鶴見川より片瀬の方が数も型も良いとエバッてました。ちょっと見た限りでは平均の体高があるような気がします。釣ってた二本のうち一本はまるでヘラブナのようでした。コイにとって片瀬のベイト事情はかなり良さそうです。

さて一つ言い忘れましたが、このオジサン曰く「鯉は向うアワセ」が基本ということを言ってましたね。要はコイと言う魚はエサを咥えて、すぐに反転する性質をもっているため、待っていれば口の脇の一番良い所にフックアップする。素人はあの口が水面にガバッとくることで、反射的に合せてしまうので、なかなかフックアップしない。万一うまくフックしても上顎でありコイの力を減衰出来ないうえ、外れる可能性大とか言ってました。これはなかなか含蓄ある言葉でした。さすがに年間五千匹を狙っているだけのことはありましたね。


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