「魂のちーちゃん」


登場人物
…兄くん(以下“兄”)
…千影(以下“千”)


千影と二人でのんびりと紅茶を飲む午後のひととき…
俺が高貴なダージリンの香りを漂わせるティーカップを口に運んでいると
おもむろに千影が口を開く…

(千)「……兄くん……魂を…分けて欲しいのだが…」

(兄)「(ブフゥーー!!)あ!熱!あちっ!」

(千)「……熱いよ……兄くん……」

(兄)「す、すまん…じゃなくて!…いきなり何を言い出すんだ!」

(千)「…兄くんの…全てを手に入れるには…どうしても…必要なんだ…」

(兄)「(だからって、何で今言う必要があるんだか…)」

(千)「………ダメかい?………」

(兄)「いや、ダメとか…そういう問題じゃなくな…」
   (紅茶くらいのんびり飲ませてくれよ)」

(千)「…………………………」
   千影は残念そうに…それはもう残念そうにうつむいてしまった。

(兄)「(あれ?…まてよ…今のはもしかして……告白!?…
   千影なりの精一杯の告白だったのか?それであんなにも残念そうに…)」

俺は自分の中でずっと押し殺してきた感情が目覚めるのを感じた…

(兄)「なあ……千影……(ちょっと待て!俺…言うのか!?俺ぇ〜)

(千)「……え?……」
   ゆっくりと顔を上げた千影はちょっぴり涙目だった………

   ……かわいい!!!!

(兄)「お…お前はいつもそうやって俺を自分のものにしたいって言うけどな…
    お…俺だって…お前を俺のものにしたいって思ってるんだぞ!!」
   (…言ってしまった〜…)

(千)「……本気……なのかい?……」

(兄)「……ああ……」

(千)「……じゃあ…私の魂を…分けてあげるよ……」

(兄)「…え?…いや…えっ?」

(千)「……えいっ!(ポンッ!)」

(兄)「え!?ポ…ポンって、そんな簡単に!?…」

千影はよろめきながら“それ”を俺に手渡すと…

(千)「…では…兄くんのを…もらうよ……えいっ!(ポンッ!)」

(兄)「はうぅ〜〜」

一気に気力が抜けるのを感じた。
遠のく意識の中、千影が手にした“それ”を「ぱくっ」っと食べる光景が見えた。

(兄)「(そ、そうか…失った分を補えばいいのか…)」

最後の気力を振り絞り、先程千影に手渡された“それ”を
一気に飲み込んだ…「ぱっくんちょ!」
……すると、スーっと意識が戻ってきた。

……う、うん……大丈夫…だよ…… (兄)「…た…助かった〜」

(千)「……兄…くん……無事…かい?……」

(兄)「ち、千影!大丈夫か!?」

俺はフラフラと千影に歩み寄ると、ギュッと抱きしめてしまった。

(千)「……う、うん……大丈夫…だよ……」

千影はちょっと照れたように微笑む…
…おお〜、なんかいい感じ〜
二人の絆は一層深まっ……ちょっとまて!!
もし、最初の段階であっさり魂渡してたら
俺は今頃どうなってたんだ〜千影ぇ〜〜
………………………………………

(千)「(……もう…離さないよ……兄くん……フフッ……)」

〜おわり〜