はじめまして。ご覧の通り....犬です。私は現在5匹ほどの猫さん方と同居しており、悩みというのはこの生活環境に深く根差しております。私の飼い主は猫吉で、家では猫が絶えたことがありません。とは言え、犬である私のこともそれはそれは大切にしてくれてまして、ここら辺は問題ないんですが....私は何と申しますか、うーん、その自己の犬としての威厳とアイデンティティを喪失してしまうような危機感を抱いているわけです。と申しますのも、年上のオバサン猫達にはナメられ、新入りの仔猫達からは単なる「デカイ顔のテーブルにも乗れない変な猫」と大きな誤解をされてるんです。私が一家のホーム・セキュリティに気を配って、不審な人物や物音に吠えても、猫さん方は「なんじゃ、その野太い声はぁ〜!うるさいんじゃ、ワレ!」と私を罵倒して、犬としての私の一家における責任というものを全く理解してくれません。また、若い猫達の遊び相手などもしてやってますが、彼らは私の肉体的なハンデを無視して平気で戸棚や冷蔵庫の上にジャンプしては、同様にできない私を「運動神経ゼロ」と見下すのです。とにかく家族の中で犬は私だけなので誰にも相談できず、一人で苦悩し続けた結果として眉間に皺が刻印され、暗い顔立ちにまでなってしまいました。散歩道で会う近隣の犬友達はそのように美貌が損なわれて行く私を心配してくれたりもしますが、悩みの種類が種類なので恥ずかしくて彼らには相談できません。エボシさん、まくずさん、自己の犬としての存在証明を確立し、同居猫達に見下されないにはどうすれば良いのでしょうか?



さすが、お犬さん....重いですねぇ。苦悩がお顔に滲み出ていて、大変お気の毒な事態と思えます。私達猫の中にも、迷子になった小さい子などは犬のお巡りさんを困らせてしまったりと、犬族に世話をかけたりもしているらしいので、少なくともシャンさんのお宅の年配の猫さん達は本気で貴方を見下しているわけではないと思います。もとより、私達って見た目ほど物事を深く考えてないし(ゴハンの時間さえ守られていれば他のことはどうでもいいんです)。ただ、何と言いますか、私ども猫族は家屋警備などの職業意識とか、家庭内の責任とかは全く抱けない性質なので、そういうのに燃えているお犬さんを見ると何とも不思議で仕方ないのです。飼い主さんも猫慣れなさっているわけなので、「ペットは何でも言うことをきくもの」という誤った認識のない方々でしょうから、ここは一つシャンさんも猫になったつもりで、のんびりとワガママ勝手に生きる方向へ転換してみてはいかがですか?ポジティブ・シンキングですよ。犬として生まれながら、「朱に交われば何とやら」の原理で、思いっきり自由気侭に生きられる環境にシャンさんはいるのです。犬的視点から猫的視点へと眼差しの方向を変えれば、きっと現在の生活環境が逆に楽しくなると思います。また、運動神経が猫に劣るのは仕方ないです。でも、ジャンプ力が今一つでも犬は力に関してはもっと強いわけですから、たまには鬼ごっこなど猫流の遊びではなくて噂に聞く「犬ソリ」とか「ウェイトプル」などの犬の遊びを若い猫達とやったらどうでしょう?犬パワー発揮のチャンスですよ!








ご愁傷様ですが、貴方の悩みに解決の糸口はないものと考えて間違いありません。猫に見下されない方法?そんなものありゃしません。「天は人の上に猫を造り、犬の上にも猫を造りたもうた」という鉄則は決して覆されることがないからです。この宇宙の法則を受け入れてこそ、貴方は自身の犬としての正確な自己認識をしたと言えるわけです。要するに、諦めなさい。エボシはそんなことないみたいな甘い発言をしてますが、間違いなく年配の猫さん達は貴方を見下しています。でも、それはシャンさんがシャンさんだからではなく、シャンさんが犬だからなのです。仔猫達に運動神経の鈍い奴と思われるのも仕方ないことです。機敏で身軽な猫族に犬ごときの反射神経が勝るわけはないのですから。ま、仔猫達もいずれは「シャンさんは運動神経ゼロ」という考えから、「シャンさんは犬だから運動神経ゼロ」という認識に変わるでしょうから、それで少しは貴方のプライドも救われると言うものです。ちなみに、エボシは貴方に猫的ライフのススメをしている様子ですが、はっきり言って犬には無理です。貴方がた犬族が、人間に対するくだらない義理人情と思い込みの激しい責任感から解放されるには、最低でも弥勒菩薩が全宇宙を救いに来る頃まで待たねばならないでしょう。最後に申し上げられることは、現在の生活に生甲斐が見出せないのがどうしても不満でしたら、南極探検に参加して置き去りにされるか、渋谷駅に通って死んだら銅像にでもなれるよう目指したらいかが?猫との共同生活で、犬が尊厳を保つことなど不可能なのですから。





 
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