2002年10月号特集

‘俺には、お前が最後のニャンコ’と約束され、日替わりで高級猫缶を与えられ、寒い季節はコタツやフトンを独り占め…永遠に続くものと思っていた、そんな甘い生活が一変してしまった経験はありませんか?‘俺には、お前が最初のニャンコ’と訂正され、毎日同じ安物カリカリを与えられ、家中の猫スポットには独占禁止法が制定される…こんな悪夢のような生活をもたらすのは、招かれざる恐怖のニュー・キャット。同居人間を誘惑し、貴猫の財産を横取りしようとする憎き小悪魔の登場です。三食朝・昼・夜寝付生活に甘んじる、苦労知らずな家猫にとっては猫生最大の試練。同居人間から‘ひとりじゃ淋しいよね?’なんて台詞が出たら御用心!



えぼまく倶楽部の面々はニーニ&ネーネ宅で共同生活を強いられている、している仲良しトリオ。でも、最初から一緒だったのではありません。ひとり増え、ふたり増え…そして猫屋敷になった、という経緯があります。今でこそ平和に家族として暮らす3者ですが、新猫がお目見えした時のそれぞれの心境はどうだったのでしょう?そして、現在の本音は?



“模範猫のイメージが崩れるのを覚悟して話しますが、何の相談もなしにネーネがマクズを連れて来た時は、すっごく嫌でした!大体、エボシは‘ひとりじゃ、淋しい’と鳴いたことはありましたが、‘猫仲間が欲しい’と要求したことなど一度としてなかったと記憶しています。猫語力不足が原因の誤訳だったのか、身勝手な解釈による意訳だったのか?何れにしても、マクズが来たことでネーネにひどく腹が立ち、しばらく一緒のフトンで寝るのも拒否してましたね。家庭内別居ってヤツです。本来のエボシは心が広いので、新猫が来るだけなら許容できますよ。でも、エボシに何の相談もなく勝手に猫選を進めるなんて…マクズの第一印象は目ツキが悪い不良娘って感じで、全然可愛くなかったんです。出会い頭に、いきなりエボシの尻尾にジャレついてきた馴れ馴れしい態度も許せませんでした。今でこそ目ツキの悪さにも、性格の悪さにも慣れましたけど…おやつに食べようと残しておいたゴハンを盗み食いされる度に(毎日です)、やっぱりオンリー・キャットだった頃に戻りたいって感じずにいられません。唯一の救いは、マクズがウルトラ・デブになったので、エボシのポッチャリが目立たないことくらいでしょうか…”



“マクズはネーネ宅に猫身売買されて来て以来、先住猫・エボシとも上手く付き合ってますよ。マクズはもともと人間なんかよりも猫同士の付き合いを重んじ、かつ仔猫の頃は食べちゃいたいくらい可愛かったのでチョロいもんでしたね。なので、自分のように愛くるしい新猫が更に家族の一員になるのは基本的にOKでした。あわよくば、忠実な舎弟に育て上げてエボシからボスの座を奪えるかもという目論みもありましたし。ところが、やって来たのは…トラジャ。先住猫としてまずはおケツの臭いチェックをしてやろうと近づけば、あろうことかマクズのオッパイを吸おうとするようなヤツですよ!ネーネは‘トラジャはママがいないんだから優しくしてあげて’とかほざいてたけど、自分の意志に反して避妊されたマクズが、他猫の仔に乳をやらねばならぬ理由などどこにあるって言うの?身体は成長しても中身は学習能力ゼロだから、今でもトラジャには迷惑ばかりかけられてます。闇討ちみたいにプロレス技かけてくるし、眠っていれば暑苦しくベタベタまとわりついてくる。乱暴で狂暴で甘えん坊…頭も悪いですね。唯一助かるのは、マクズの代わりにネーネのブチュ〜♪の犠牲になってくれることくらいでしょうか…”



“トラッチが現在の我家に来た時、ネーネは‘これで猫は打ち止め!’って宣言したでチュ。(2度の失敗猫の末に)トラッチという理想の猫に出会えたからでチュ。なので、エボシ姉ちんが尻尾にジャレさせてくれないのも、マクズ姉ちんがオッパイ吸わせてくれないのも、全部我慢してドリーム・キャットとしての役割を忠実に果たしてきたでチュ。なのに、ニーニが
ピンクとか呼ばれる、耳の長いヘンな猫を連れて来た時はブチ切れそうだったでチュね。でも、半年ほど観察を続けてヤツが猫ではないと理解できたので許してやったでチュ(いずれ食い殺す予定ではいますが♪)。ところが先月から、ウチにはアサリとシジミとかいう見知らぬ捨て猫のガキンチョどもがいるんでチュ!ネーネは里親が見つかるまでのことだって言うけど、ニーニは情が移っちゃって手放せないとか騒いでるし…トラッチのハートは心配で押し潰されそうでチュ!これ以上猫を増やすなんて、トラッチは絶対に認めないでチュ!でも、このままじゃ本当にヤバそうでチュ。唯一の望みは我家の苦しい家計を考慮して、この際、食べる量の少ないチビ猫どもを残して、大飯食らいのエボシ姉ちんとマクズ姉ちんが間引きされるかもってことでチュか…”































貴猫の同居人間も、密かに新猫を迎えようと計画しているかも知れません!人間はこうした重要な決断を、同居猫に何の相談もなく下してしまう身勝手なところがあります。‘ウチのヒトは絶対、大丈夫!’と安心しきって、「知らぬは同居猫ばかりなり」なんてことになる前に、下記のチェックシートをご利用ください。貴猫の同居人間はいくつ該当していますか?



これは、同居猫を残して外出したら可哀想という気持ちが強過ぎる人間に見られる症状です。流行りの「引きこもり」状態に陥り、付き合いが悪いということで友達が離れてしまうわけです。猫にとっては有難い状況ですが、人間は人間同士の付き合いもないがしろにできません。その結果、貴猫に同じ猫のお友達がいれば自分の留守中も淋しくないだろうと判断しがちな危険性があります。



昨今のインターネットには実に多くの里親募集サイトがあります。特に夏から初秋にかけては多くの仔猫が生れ、養子縁組を求める情報が多数掲載されます。これらのサイトを一つ一つ検討するには、しかるべき時間がかかるので必然的に人間は接続料がおトクな高速通信に乗り換えます。貴猫が近づくとブラウザをすぐに閉じる傾向があったら、かなり怪しいと睨んで間違いありません。



家の近所を歩いている際に周囲をやたらと見まわす人間は、無意識または意識的に捨て猫を探しています。猫好きにはよくあることですが、これは最も前例の多い新猫への第一歩なので甘く見てはいけません。ただし、貴猫の同居人間が貧乏人だから小銭が落ちていないか探す癖がついているだけだったり、都会に出てきたばかりのオノボリさんの可能性もありますので見極めが肝心です。



TBSで午後1時から放送される「愛の劇場」枠の奥様ドラマは、『天までとどけ』や『大好き!五つ子』などの子だくさん家族がテーマの作品が頻繁に放送される。これらのドラマを見て、‘大変そう’ではなく‘楽しそう’と感想を漏らす楽天家人間は気軽に猫を増やしやすい。また、このドラマ枠はオープニングで可愛い仔猫の映像を流したりするので、始まったらテレビを消してしまいましょう。



‘猫はコタツで丸くなる’というフレーズの歌がありますが、人間は猫以上に寒がりです。冷え込む季節は衣類と暖房だけが頼りという貧弱な生き物です。そんな人間が料金未払いで電力会社に引導を渡されてしまった場合、猫の温もりが切実に求められます。貴猫は毎晩、湯たんぽ代わりに利用されていませんか?だとしたら御用心。冬になったら湯たんぽの数が増えているかも知れません。



人間はただでさえ鼻が利かない生き物だけど、猫のウンチやシーシーの臭いにだけはやたらと敏感。猫が増えたら更なる悪臭に悩まされることを重々承知しているはず。しかし、鼻が詰まっている状態では、例え貴猫が特製チョコ・ファッジな下痢ピーをしても過って踏むまで気づきもしないでしょう。猫のウンチが気にならない人間は、猫の数も気にしません。同居人間が口呼吸してたら要注意!



今まで名も無く・貧しく・美しく生きてきた同居人間が、新車やブランド品を購入したりするようになったら、それは大金が転がり込んできた証拠です。貴猫のゴハンも高級猫缶にランクアップしたら要注意。フトコロが温かくなると、人間はすぐに気が大きくなる愚かな生き物です。‘今度は血統書付のブリード猫が欲しいな’等と言い出して、ペットショップに行こうとする可能性が無きにしも有らず。



解説するまでもなく、これは新猫を人間に検討させる要素が極めて高い状況です。貴猫と暮らして、‘こんなハズじゃなかった’と同居人間が感じたら、妻に満たされない浮気な夫が愛人を作るように、別の猫に走りたい願望が日増しに募ってしまいます。最悪の場合、貴猫を捨てて新しい猫を迎える酷いケースも有り得るので、たまにはプライドを捨てても人間サービスを心がけましょう。



貴猫の同居人間は優しいヒトですか?だとしたら貴猫は果報者ですが、その分、新猫が来る危険度が極めて高くなります。親のいないストリート・キッズやホームレスな老猫を、貴猫の同居人間は見捨てることができないでしょう。‘ウチは慈善事業やってんじゃないのよっ!’等と思っても、そんな人間と同居している貴猫も多分は捨て猫出身で文句が言えない立場ではありませんか?



知る猫ぞ知る、猫漫画家の巨匠達です。セツコ山田は常時、10匹前後の猫達と生活しており、彼らとの生活を『セツコ山田の猫三昧』等の作品に描いている。大島弓子は3匹の猫達と生活しており、『グーグーだって猫である』という作品で同様に猫ライフの魅力を紹介。これらの漫画家の作品は大変面白いので、人間が読むとつい同じように猫を増やしてみたい衝動に強くかられるらしい。



今回はどうすれば同居人間に新猫を迎えることを断念させられるかについて、真剣に意見交換をしたいと思います。現在の我家にとっても深刻な問題ですしね…

マクズは、ゴハンをたくさん食べるのが良いと思います!

はぁ…それは、またどういう理屈ですか?

エンゲル係数を上げて、家計をジリ貧状態に追い込むわけです。先立つものが無ければ、養う口数を増やすようなマネはいくら馬鹿な人間でもしないでしょう?

でも、以前からマクズ姉ちんはフード・ファイトに出場できるくらいの大食漢なのに、我家にアサリとシジミが来てしまったでチュ

そうですね。アサリとシジミ以前にトラジャも来たわけですし…マクズの提案は効果が望めないかも知れませんね

ウンチやシーシーをしまくって、家中を臭くしまくるのはダメでチュか?これ以上、ウンチやシーシーの量が増えたら息もできないって思わせるでチュ!

そうね!それでも敵が怯まないようなら、トイレ外ウンチ爆弾をお見舞いしてやってもいいし…

それはマズイでしょう。マクズは既にトイレ外ウンチを週に3回くらいしてますが、そうするのもトイレが他の猫のウンチやシーシーの匂いで臭いのが耐えられないからじゃないですか。家中を臭くしたら真っ先に呼吸困難で窒息死するのはマクズですよ

そ、そっか…考えてみれば人間よりも猫の方がキレイ好きで、しかも嗅覚が優れているものね。残念だけど、トラジャの提案も却下ってわけね

人間に嫌な思いをさせるんじゃなくて、‘今いる猫だけで充分幸せだから、他にはいらない’って感じさせる方が効果があるんじゃないでしょうか?

(何よ、そのイイコぶった意見!)…てことは、マクズが来たのはエボシがネーネを充分に幸せにしてなかったからってことね?

ちっ、違うもん!ネーネはエボシに猫友達がいないから淋しがっているんじゃないかって、勝手に誤解しただけなの!

トラッチが来たのはマクズ姉ちんがネーネを幸せにしてなかったからなのは確かでチュ♪

トラジャ、幸せは与えてもらうものではなくて自分で作るものなのよ…フッ

皆さんの言いたいことは分かりました。良い子のエボシとしては遺憾ですが、やはり人間を困らせる路線に作戦を変更しましょう

どうせやるなら、楽しんでやるでチュ!猫だけじゃなくて、人間にも抜き打ちでプロレス技をバンバンかけてやるでチュ!

ナイスよ、トラジャ。あんたの凶暴性を人間に向けてくれれば、こっちも助かって一石二鳥!攻撃前には爪砥ぎもお忘れなく!

でも…

それと、こんなのどう?自分のお尻を舐めた直後に人間を舐めてやるの!蛾とかゴキブリを獲った直後もかなり効果的だろうし!

ねぇ…

朝寝坊してたら、ミゾオチ狙って大運動会するでチュ!ゴハンがちょっとでも遅れたら、シーズン中のオス猫も真っ青になるような大声で合唱コンクールやるでチュ!

あのさ…

隣り近所からうるさくて苦情が来たら、それこそ効果抜群ね!‘もう、猫なんか絶対に増やせない’って心境に確実に追い込める!

毛玉吐くなら、ソファの上か靴の中でチュ!んでもって…

ちょっとぉ!そんな酷いことばかりしてたら、新猫が来る以前に私達が愛想尽かされて捨てられちゃうよ!そんな悪いことする猫と同居したがる人間なんていないよ!

えっ…でも、いつもやってることばかりじゃない?
←ところが…!!!

良い子のエボシです。既にご存知の方も多いかと思いますが、8月末日に我家の近所で捨て仔猫が2匹保護されました。アサリとシジミと名づけられたこのチビ猫シスターズは、里親さんが見つかるまで我家で面倒見ることに…ゴミのように捨てられるという悲惨な目に合いながらも、幼猫のせいか少々オツムが悪いらしきアサリとシジミは、我家の一室を占領して居候生活をのんびりエンジョイ。その間に、(図々しくも)心のクリニックに相談までしてきたりして、エボシ達の怒りは頂点に!「さっさと里親さん探してよぉ!」って何度も抗議しましたが、あれよあれよで1ヶ月が過ぎてしまいました。しかし、10月号用にこの特集をエボシ達が執筆しているのを見たネーネは、さすがに私達元猫の切実な気持ちを痛感。‘もう、これ以上エボシ達に辛い思いはさせない!’…って思ってくれたかどうかは疑問ですが、泣き叫ぶニーニを振り払って遂にアサリとシジミの里親さんを募集開始してくれたのです!

…なのに、里親募集開始から約半月後のことでした。
ニーニとネーネは深夜にこっそり人間会議を開いて、その結果、なななな何と
   

  アサリとシジミをウチの猫にすることに(勝手に)決めてしまいました!!!!!

当初は、‘ウソだと言ってチョ〜ッ!’って荒れ狂いましたが、まぁスッタモンダを経て現在の我家は落ち着きを取り戻しつつあります。同居人間の裏切行為に対する怒り、静かな生活が失われた悲しみ、仔猫というだけで何かと優遇されるアサリとシジミへの妬み…でも、「新猫、認めますか?それとも、家猫やめますか?」ってことになれば、最後は諦めが肝心です。

 里親募集していた猫 NO.1 アサリ          アサリについての詳細はこちら


なぜ、このような悲劇が…?

このようになってしまった最大の要因は…ニーニです。他のコーナーでも度々ニーニがアサリとシジミにベタ惚れということはお伝えしてまいりましたが、運命の人間会議までの2週間で、その度合いがピークに達してしまっていたのです。アサリはニーニの乳を吸うようにまでなってしまったし、シジミも毎日ニーニのシャツの中に潜ってゴロゴロ言ってばかり…ロリータな魅力で中年をたぶらかしたわけです(ニーニが変態だということは既に周知の事実なので、今更ショックをお受けにならないでくださいね)。保護されてすぐに里子に出してれば良かったのに、その頃はアサリもシジミも体調が悪かったから、「もっとしっかりするまで」なんて言いつつ、病気の検査も含めてノンキに動物病院通いしてるうちに情が移りまくってしまったわけです。

 里親募集していた猫 NO.2 シジミ          シジミについての詳細はこちら


希望してくださった皆様、有難うございました

さて、今回は募集にあたり何人かの方々がアサリとシジミの里親さんになることをご検討くださいました(主にアサリばかりでしたが)。エボシ達を窮地から救ってくださろうとの思いからだったかは不明ですが、その皆様には本当に感謝しております。ネーネはこれまでにもご近所さまと共同で捨て猫の里親探しをしたことは何回もありましたが、今回は不審な人物からの申し出もなく、皆様本当に心の優しい良い方ばかりでした。他の猫ちゃんとの幸せなご縁がありますよう、エボシ達一同心よりお祈り申し上げます。

ちなみに、アサリとシジミ以外にも…

実は、アサリとシジミの後に新たに3匹の仔猫が近隣で保護され、この子達の里親さんは他サイトの掲示板のみで募集させていただきました。アサリとシジミよりも幼く、気性も穏やかで、はっきり言って見た目も可愛いこの仔猫達は人気が高く、無事に里親さんも決まりました。この仔猫達まで残すってニーニが言い出さなかっただけで、今回は良しとしましょう。

 里親募集していた猫 NO.3 ぐふぐふハーツ


定住させないための五ケ条

というわけで、「存在の耐えられない新猫」コーナーを執筆した直後にこんな展開になるとは、情けないの一言に尽きます。しかし、今回のような悲劇を同居人間に繰り返させないためには鳴いてばかりいられません!未だに不満タラタラのマクズと、愚痴ブツブツのトラジャをよそに、前向きなエボシは「一時保護猫を定住させないための五ケ条」を制定しました!捨て猫を見捨てられないタイプの人間と同居している皆さんも、今後のご参考にしてね!





 
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