(国土交通省のサイトより)

 国土交通省が6月20日「河川整備計画案」を発表した。淀川流域の4ダム建設と再開発を盛り込んだもので、諮問機関「淀川水系流域委員会」の「建設は不適切」との中間意見書を無視した形であり波紋を呼んでいる。近畿地方整備局のトップは「諮問機関の意見は反映できる意見ではない」と述べていたそうで「意見など聞くもんか」と言っているのと同じ、やはり「先に建設ありき」と思わせられる。
 淀川の水調節の要は瀬田川洗堰と天ヶ瀬ダム。国土交通省の天ヶ瀬ダム計画調査書を読んでみると、なるほど他方面の調査検討が行われている。でも今何故4ダムか?ダムの効果を数字で示すことを頑なに拒んでいるらしい。ゼニを使うことには自信があるが、費用対効果を示すことが不得手なのだろう。

(毎日新聞08.6.21より)
 安威川ダムの建設でも周辺の自然が一変している。ダムは環境破壊とともに、特定の政治家や官僚とゼネコンの癒着の温床になっているとも言われる。国が作ると決めれば一定の負担金が府県に課せられる仕組みもおかしい。広域に亘る事業のプラン作りは国の担当でよい。あとは地域の判断に任せるべきだ。そのプランに優先順位を付けたり、部分実施などの方法も出てくる。国は地域から要請された額だけを地域にまわせばよいから国の支出も少なくてすむ。税金の無駄遣いが減るというわけだ。初めから「ダムありき」でなければ国の賢い技術者はダム以外のあらゆる選択肢を考えることも出来る。 例えば河床を掘り下げるなら、得られる砂は建築資材になる。地域の行政と民間がよく話し合って有効利用も出来よう。それこそ地域の活性化に繋がる。 そういえば淀川河川敷では砂の大移動が繰り返されているが、あれは何のため?不可思議な大移動だ!まさか仕事作りとは思いたくないのだが・・・・。
 月末に佐賀地裁の諫早湾堤防開放の判決が飛び込んできた。「最初に計画ありき・何が何でも!」の国の政策に一矢の判決である。国の役人共も政治屋も、ええかげん目を覚まさんかい! こんな愚を「淀川4ダム」でも繰り返すのは止めんかい!
 ところで、権限や天下りに固守しない官僚や大臣が出てこないかなあ! 天下りでは味わえないセカンドライフがあると思うし、きっと良い連鎖反応を起こしてくれることだろうに・・・・。

 国土交通省は200年に1度の大雨を33パターン想定した結果、うち2パターンでは大戸川ダム建設と天ヶ瀬ダム再開発により淀川下流で水位が19cm低下する。この水位は堤防が壊れる危険水位を2cm下回るという。
 流域委員会は19cmは計算誤差の範囲で治水効果は限定的だから、ダム以外の方法を検討すべきという。
 関係府県の知事の受け止め方も様々で、特に負担の大きい大阪府知事の動向が注目される。
 河川管理者の国には洪水を起こさないための管理責任があると同時に、国民の税金を無駄なく役立てる責任もあるはずだ。時間を掛けて作り上げた案にぞっこん惚れ込んでしまって、外の意見に耳を傾けることを忘れていないか? 民間の手法をもっともっと学んで欲しい。ダムは造った日から土砂の堆積が始まる。天ヶ瀬ダムも建設時のバイパスは埋まってしまって使えない。ダム以外のもっと良い方法はないのか! 検討不足では?
 素人が天ヶ瀬ダムの中間報告を見ただけでも、手法を選択して行うことも出来そうに思われる。

「淀川4ダム」は本当に必要か?