Vol 3

いのちを食べよう

AUGUST 2002

わたしたちの体は食べ物からできています。「病は口よりは入り、・・・」といわれるように何をどう食べるかによって健康にもなり、また病気にもなります。
「養生の基本は食にある」です。
現代人の食。これはもうメチャクチャといってもいいくらいです。基本がどこかへ吹き飛んでしまっています。近ごろ連日のように食にまつわる事件や問題が次から次へと報じられるのも、食の基本が無視され、メチャクチャになっている証です。
そんなことから今月は急遽予定を変更し、みなさんにしっかりと食の基本とは何たるかを学んでいただきます。

食の基本その1…身土不二(しんどふじ)
身体と土はいっしょのものであり、体はその土地の土からできているという意味です。つまり、その土地でその季節に取れたものを、その土地に伝わる調理法で食べるということです。

「その土地で取れたもの」
住んでいる都道府県の作物を最優先で食べましょう。(地産地消
最低限守ってほしいのは国産のものを食べるということです。
家畜はたとえ国産であっても大部分が輸入された穀類などを餌として食べるので、肉や牛乳を食べることは身土不二にあてはまりません。(これがBSEいわゆる狂牛病の原因にもなった)
一連の事件からもわかるとおり、輸入食品はさまざまな問題や危険性をはらんでいます。

「その季節に取れたもの」
のものを食べましょう。自然はとてもうまくできていて、暑い夏には体を冷やすはたらきのある野菜(トマト、きゅうり、ナスなど)が旬をむかえるというように、その季節の体に合った作物が取れるようになっています。また、旬のものはおいしく、安く、栄養的にも優れています。そして地の気が充実しています。ここが重要なんですねえ。

「その土地に伝わる調理方法」
日本は南北に長く、各地方にはそれぞれその土地に伝わる郷土料理があります。その風土に合った料理はそこに住む人に元気と活力を与えます。現実には毎日郷土料理を食べることは難しいので、心がけてほしいのは和食中心でということです。
ごはんと味噌汁を基本に、豆類、野菜、海藻、きのこ、いも、魚介類など季節の食材を使ったおかずとお茶です。(たまには洋食もいいけれど、献立にカタカナが多くならないよう注意。)

食の基本その2…一物全体食(いちもつぜんたいしょく)
なるべく食材全体を丸ごと、ひとつの生命体を食べましょう。
例えば、小魚なら骨や皮やヒレも、大根なら葉っぱもという具合に。小魚を一匹食べることはできても、牛一頭食べることはできませんね。
また、穀類、豆類、いも類、ごまなどの種子類など芽が出るものはそれらひとつひとつが一つの生命体です。

食の基本その3…自然が育んだいのちを食べる 生命力のあるものを食べる
基本その2とほとんど同じことをいっているのですが、わたしたちは他の生物のいのちを食べることで地の気を取り入れることができます。
さっきまで生きていた新鮮なもの、芽の出るもの、未精白のものなど生命力のあるものを食べるよう心がけましょう。
精白したり、加工したりすればするほど地の気が失われていきます。食材の影も形もない、いわゆる健康食品と呼ばれているものやサプリメントからは栄養素は取れても地の気を取り入れることはほとんど期待できません。
なるべく、新鮮な食材を自宅で簡単に調理し、その「いのち」をいただきましょう

現代社会の中で、これらの食の基本を完全に守ることは難しいですが、できるだけ心がけ実行することで、わたしたちの体も生命力に満ち、元気になります。結果として栄養のバランスも調うのです。報道されているような食に関するリスクから身を護ることもできます。
また、地球の生態系や日本の農業を守り、食糧自給率を高めることにもつながります。次世代への大きな課題ですね。
○○にポリフェノールが多いとか、ビタミンには何と何があってこういう食べ物に多く含まれるとか、必須アミノ酸はこれとこれなどといった細かな栄養学的知識は必要ありません。むしろそれらの知識や情報に振り回され、大切な食の基本が崩れてしまっていることが大きな問題です。
どうか、企業のコマーシャリズムや目先の便利さに惑わされずに食の基本をしっかりと押さえてください。


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