6
十月二十八日。日曜日。
目覚めたそこは、何のことは無い。自分のベッドの上だった。
無機質な部屋。最低限しかない家具はここに来たときから変わっていない。増えたのは、クローゼットの中の自分の服。机の上に積まれた数冊の雑誌。
そして、神咲から預かっている霊剣『御架月』
その本体である少年は、今この部屋にはいないようだった。
「どうなったんだ?」
とりあえず、疑問を口にする。
寝そべったまま腕だけを上にあげて、指を動かしてみる。
動く。問題ない。
顔を横に向けて、窓から入ってくる日差しを確認してみる。
晴れている。風はあるようだが、雲は見えない。少し日は傾きかけ夕日が空を照らしているが、これほどの天気なら、布団を干せばいい気分で寝られただろう。昨日が雨だったからなおさらだ。
と、彼はその太陽の高さに疑問を抱いて、視線だけを斜め上に向けた。
壁かけの時計。古いデザインではあるが、寮の皆が管理人一周年記念に買ってくれた時計。
時間は五時を少し過ぎた辺り。
午後五時。
(え?)
そこで意識がはっきりと覚醒する。
(何でこんな時間まで寝てるんだ)
慌てて全身に力を入れ、起き上がろうと試みる。
が、それはあっさりと失敗した。
「え?」
敢えなくベッドに寝そべることになって、彼は天井を見上げた。
数えたくも無いシミが目に入る。今度念入りに部屋の掃除をしようと思いながら、今起こったことを振り返ってみた。
つまり、起き上がれなかったらしい。
「な……んで?」
軽い疑惑。
そして、再び疑問。
「どうなったんだ。昨日……」
その問いかけに答えるかのように、寮のどこかで爆音が鳴り響いた。