◇

 

 自我をなくした暗殺者は、握り占めた足を執拗に振り下ろそうとしていた。目標も目的もなく、ただ目の前の存在を殺すということだけに占領された人間。両腕を失い、自己を崩壊させた人間。その姿は哀れだったが、士郎は容赦なく彼女の顔を左拳で殴りつけた。

 もはやうめき声すら上げることなく、腕のない肉塊が転がる。あごに叩き込んだせいだろう。意識を失わせるには至らないものの、さすがに起き上がってはこなかった。

 それをきっかけに──

「おにーちゃん!」

 洞窟から抜け出すときに助けた美由希が、隠れて置くように言った草陰から出てきた。

「み……ゆき?」

 泣きながら無言で抱きついた妹になすがままにされる恭也を抱き寄せて、士郎は聞いた。

「恭也。大丈夫か? 怪我はないか?」

「……あ……あぁ……うん……えーと、あー、うー、え? どうだろう……あれ? うん。怪我は、ない……と思う。ない……よね?」

「俺に聞いてどうする。でも見たところ、大丈夫そうだな」

「……うん。そうだね。そうだよね。そうなんだ……」

「恭也?」

 息子は小さく震えていた。初めての実戦。少なくとも士郎が知る限りでは、この子はまだ本当の戦いを──命を奪い合う戦いを経験したことなどなかったはずだ。それを体験するのには早すぎた。あまりにも未熟すぎた。人を殺すどころ覚悟も何も出来ていない彼には早すぎた。

 眼を瞑り、歯を食いしばりながら、だが士郎は出来る限り優しげに笑った。

「もう大丈夫だから。いいか? もう大丈夫なんだ」

「でも俺……俺は……あの人……あの人を……」

 あの人とは、おそらく後ろで転がっている女のことだろう。

「俺はあの人を……殺そうとしたんだ」

「…………恭也」

 一度吐き出した言葉を繰り返す。早口でまくし立てる恭也の表情は、見ていて痛々しかった。そうして嗚咽は、やがて叫びになった。

「殺そうとしたんだ! 殺しかけたんだ! 人殺しなんて最低だと思ってたのに、自分が生き残るために、俺は──あの人を殺そうとした!」

 思わず、士郎は恭也を抱きしめていた。くっついていた美由希までも一緒に、士郎の腕の中にすっぽりと納まる。

「恭也。いいか? それは立派に正当防衛だ。殺されかけたんだ。自分を守るのは当然の行為だ」

「そんなの関係ないんだ!」

 優しく諭すも、恭也は聞く耳を持たなかった。

「俺はわかってなかった! 剣を手にすることも、戦うことそのものも。殺しあうってことがどういうことなのかも。だってあの人は──」

「あの人?」

「あの人は言ったんだ。俺は、生きなきゃならないって。生きて、何のために戦うのか、考えなきゃならないって。証明しなきゃならないって。俺──俺は、美由希を守りたかった! もう一度父さんに会いたかった! だから戦った! けど……けど! やっぱり殺すのだけはできなかった! 怖かった。戦って、誰かを傷つけることがこんなに怖いって思わなかった!」

「……恭也。なぁ、恭也……」

 息子の背中をさすってやりながら、士郎は言った。胸のうちで流されたものが、士郎の服を伝わって肌をぬらした。

「いつか言ったよな? 御神は、祝福されるようなものじゃないって」

 嗚咽を漏らす声だけが、士郎の耳に届いてきた。

「俺たちは戦って傷つけあって、誰かを守って、ほんの少しだけ感謝されて、それで終わりだ。そこに道はない。生きることは決して綺麗なことじゃない。俺たちみたいな人間は特にそうだ。汚れている。お前たちを抱いているこの手だって、血に汚れている。だけどそれでも守りたい者がいるから、俺は戦う。御神はそのためにある」

 あの女はもう助かるまい。そのことだけはもはや事実だった。腕を失くし、おびただしい出血をした身体が動いていただけでも不思議なくらいだ。たとえ恭也が直接手を下していなくとも、あの女は死んでいたに違いない。その両腕が亡くなっていることもまた、技術的にもその傷口からも恭也の仕業ではないことはすぐにわかった。

 だとしても……

(そんな言い訳を飲み込めるほど、恭也は冷徹じゃない)

 仕方なかったのだと、そう思いこめるほど戦いに慣れてもいない。

「うぅ……」

「なぁ、恭也。お前は良くやったよ。美由希は無事だ。俺も無事だ。恭也も無事で、みんながまた会えた。恭也ががんばったからだ。それは事実なんだ。だから、お礼を言わせてくれ。ありがとう」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 嗚咽が叫びになる。一緒になって泣いている美由希もろとも受け止めて、士郎は二人の子供たちを優しく抱きしめた。

 と──

「こんな奴の命を、君が背負うことはない」

 その声に、士郎は慌てて後ろを向いた。

「無月さん?」

 彼女は何か輸血パックのようなものを手に迷彩服の女の傍に立っていた。上から赤い液体──鼻を突く臭いから、それがすぐに血なのだと知れた──を女の傷口に流しかけている。その様子に何かしらの違和感を覚えて、士郎は故意に瞬きした。

「? ……腕が……」

 あった。それしか言いようのないくらいに見事に、あっさりと、女暗殺者の腕がそっくりそのまま何事もなかったかのように本体にくっついていた。

「恭也……あれ……」

 胸に顔をうずめていた息子を呼んで、士郎はそちらに向き直らせた。

「…………あ」

「無月さん」

「傷口はふさいだ。血も補充した。神経まで巧く修正できた可能性は低いが、まぁ問題はない。この女は暗殺者としてはもう二度と再起できまい。麻薬の効果もじきに消えるだろう。後は打撲や骨折だが──そこまで面倒見る気はないな」

 テノールの声が、士郎ではなく、恭也に向かって紡がれていく。

「だから心配はいらない。この女は無事だ。死にはしない。君は、誰も殺していない」

「あ……」

「恭也……」

 喜びのあまり、士郎は息子の髪の毛をかき回した。ただでさえ汗でへばりついていたそれが、絡み合って逆立ってしまう。それでも、恭也は驚きと不安と安心がごちゃ混ぜになったようで、呆けた顔でなすがままにされていた。

「……父さん。俺……俺は……」

 目を真っ赤に腫らして、恭也がこちらを見た。

「俺は、やっぱりまだまだ未熟だ」

「……ああ、そうだな」

 眼が赤い。士郎は自分の目尻が少しずつ下がっているのを自覚した。

「戦うのは怖かった」

「ああ」

「だけどやっぱり、俺はこの道を行く。行きたいと思う。父さんと同じ道を。御神の剣を」

「…………」

「守りたいものを見つけたいから。大切なものを守れる力が欲しいから。俺は御神をやるよ。剣を手に取って……今はまだ駄目だけど……覚悟も出来ていないけど……きっと、すぐに……」

「まだまだ教えなきゃならないことは一杯ある」

 まっすぐにこちらを見る恭也から目を離さず、士郎は言った。

「修行は厳しいぞ、今まで以上に」

「うん」

「諦めないって、誓えるか?」

「うん」

「なら、俺の全てを──俺の技術と、俺の人生で得た経験全てを、恭也にくれてやる」

「うん!」

 頷く恭也の頭をもう一度なでて、士郎は笑った。恭也も笑った。美由希はわかっているのかいないのか、父と兄の笑顔を見て無邪気に笑った。良く見ると、彼女が一番酷い顔をしていた。

「おにーちゃんばっかりずるいー! みゆきもみかみやるー!」

「そうか、美由希もやるか?」

「美由希にはまだ早いよ」

「そうか? 恭也は三歳の頃から始めたじゃないか。本格的なのは四歳からだったけど」

「うっ! そうだけど。でも……美由希には向いてないと思う」

「わからんぞぉ? 何せあの静馬の娘だからな。思わぬ才能引き継いでいるかもしれない」

「さいのー、さいのー!」

 やはり良くわかってない美由希がはしゃぐ。

 得るものと失うもの。こんな人生を歩んできた自分は、それこそその繰り返しだった。失われたものの中には、二度と手に入れる事の出来ないものもある。だがそれに対して、得られたものはあまりにも小さなものばかりだった。

(いや、そうでもないかもな)

 子供たちの姿に、士郎は思った。

 そう──これほどまでに大事なものが守れるなら、御神なんて殺人剣術も捨てたものではないかもしれないと。

 

 

「さて……と」

 軽い吐息と共に、士郎は立ち上がった。

「行くかな」

「と──」

「どこへ、何をしに?」

 息子の声を遮る形で聞いてきたのは無月だった。淡々とした口調はやはり彼女独特のもので、だが丁寧とは言い難い言い回しは、いっそ心地よささえ感じる。

「恭也と美由希は助けました。もう、俺があの場所へ戻る必要はないんですけどね……」

「ならば何故?」

「……そうですね。知ってしまったから……かな? 彼を知ってしまったから。彼が戦う理由を知ってしまったから。見て見ぬ振りは出来ないし、したくない」

「父さん?」

 怪訝そうに眉をひそめる恭也の頭を撫でつける。無月の表情は相変らずだった。眉一つ動かさず、呼吸すら止めているのではないかと錯覚するくらい静止したままこちらをみつめてくる。士郎もまた、彼女から目を離すことなく言った。

「『八景』がここにある以上、あいつはまた俺のところにやってくるでしょう。自分が自分であるために。設楽の決意は本物で、その意志は強固で、誰にも邪魔はできないでしょう。それに、俺と戦った奴が言っていました。後数分もすれば、あの洞窟の中は毒ガスで充満する。さすがに見殺しには出来ませんしね」

「…………」

 士郎にはすでに皇設楽と関わる理由はなかった。あとは『八景』を渡して全てが終わる。彼はきっと、中にいるだろう敵を全滅しているに違いない。感じられる彼の気配は曖昧で、脆弱で──今にも消えそうなのに、だが儚くも滅せずに揺らめいている。弱々しく見えるのは表向きで、その芯に灯されている炎は誰よりも強い。

 そんな彼を助ける必要性はどこにもなかった。彼とて、決して自分に助けを求めることなどないだろう。それはここに来る前──最初に戦った時からわかりきっていることだった。それでも……

「俺は行きます」

「……そうか」

 手伝うとも、何かすることはないのか、とも無月は聞いてこなかった。足手まといでしかないのは事実で、そして彼女は戦士ではない。

「まぁ、無駄足になるかもしれませんけどね」

 どこかおどけてふうに士郎は言った。無月は頼むとは言わなかった。彼女は頼んだわけではない。彼もまた頼まれたわけでもない。代わりに、彼女は懐に入っていた注射器を投げ渡した。

「およそ神経系の毒ならば万能で中和できるタイプの薬だ。効果時間は少ないが、なんとかなるだろう」

 目線で礼を言って、士郎は腕にそのクスリを打つ。チクリと痛んだその腕の下から、小声で恭也が呟いた。落とした小太刀を掲げて、

「父さん」

「……八景か……」

「うん。初めての実戦で使わせてもらったけど、俺には重かった。これはやっぱり、父さんが持つべきだから……」

「……そうだな。そうかもな……」

 死宝剣『八景』を手にして、士郎は頷いた。

「全てを終わらせてくる。それまで、待ってられるか?」

「うん!」

「はい!」

 子供たちそれぞれが頷くのを見て、士郎は笑みを浮かべた。それぞれの頭を乱暴に撫で、それからゆっくりと無月に歩み寄る。

「子供たちを頼みます」

「了解した」

 無月のさらに後方──崖の腹に口を開ける洞窟の中へ。

 走り去る時、士郎は後ろを振り向かなかった。

 

      ◇

 

 直せないと判っているものを壊すのは馬鹿のやることだと、神逆無月は常々そう思っていた。その点からすれば、自分の足元で倒れている名も知らぬ女暗殺者は間違いなく馬鹿だった。というよりも、愚かというべきか。どちらでもいい。言い直すなら、どうでもいいことだ。

 それとは対照的に、身体の異常を治すと言う点にかけては彼女の能力はそれなりに便利だった。正確には体質ではあったが、個人特有の現象であるなら、使いこなせているなら、これを能力と呼んで差し支えないのではないか。

 修正血漿体──ダウンド・ライト・プラズマを保有する無月にしか出来ない人体の修復。その対象となった暗殺者の身体の傷は、不破恭也によって付けられた痣以外は綺麗に消え去っていた。血漿体が血液中に含まれる割合はごくわずかでしかなく、従って、今にも死にそうなフェイフォを助けるためには大量の血を一気に使わなくてはならなかった。おかげで持ってきていた修正用の血液を、予備も含めてほぼ全て使い切ってしまったが。

 その愚かな女から顔を上げて、無月は恭也と美由希に視線をやった。不破士郎はもういない。所在無く父の去った方を見つめていた兄妹に、無月はゆっくりと近づいて、そして言った。

「一言、いや、二言いいかな?」

「え?」

「お礼と、謝罪をひとつずつだ。まずはありがとう、不破恭也君。君のおかげで助かったよ」

「……あの……」

 恭也から答えが帰ってくる前に、無月は先を続けた。

「それから、すまなかった。私は危うく、君に一生物の傷を負わせるところだったな」

「あの……助けてもらったのは、俺のほうです。ありがとうございまいした」

 恭也のそれは思った通りの返答だったが、嬉しくないわけではなかった。

「それはお互い様だ。助けに来て置いて、実質助けられたのは私の方だからな。あまり役には立たなかった」

「…………」

「私は己の立場を理解している。本来なら、ここは私のいるべき場所ではない。いてはならないともいえる。だが役割として、私が気づいてしまった役回りとして、私がここに来た目的は──来なければならなかった理由は二つあった」

「二つ?」

 そう、二つだ。頷く形でそう答えて、無月は続けた。

「一つはもう終わったが、君たちを助けることだ。もう一つは、もとよりこれは私には出来ないことだ。決して出来ない。無理なのではない。無駄なのでもない。単純に、不可能なことだ」

「…………」

(そう……不可能なんだ、彼を止めることは(・・・・・・・・)……)

 判っているのか? という自問に、無月は苦笑した。それは自問だった。士郎への問いかけではなく、彼女が、彼女自身に投げかけた言葉。

 理解はしていた。

 予測も、出来ている。

 彼は止まらない(・・・・・・・)

 だが──

止めなくてはならない(・・・・・・・・・・)。私はそれが判っていながら、私は不破士郎をあの場所へ行かせた。行かせてしまった(・・・・・・・・)

「あの……」

 おずおずと言葉を挟んできた恭也の声で、無月はその時初めて自分が黙り込んでいたことを知った。

「あ、ああ。すまない。いや、忘れてくれ。なんでもないんだ。杞憂に終わればそれに越したことはない」

(だがそんなことはありえない)

 即座に無月は否定した。そんなことはありえない。

 今の行動全ては、万が一、わずかな可能性として『こう』あってほしいという、

(私の希望か)

 打撲痕が見られる恭也の手当てをしながら無月は──

 

 今度こそ、本当に心の底からの嘲笑を漏らした。

 

      ◇

 

 不破士郎と姫月陸王の戦闘と同時刻──

 

「まったく、誰が役に立たないんですって?」

 ぶつぶつとぼやくその声も、洞窟内では全く響きを持たなかった。土質が振動を吸収する性質でも持っているのか──極めて無音な空間の中を、必要な感覚だけを選別、開放しながらさらに歩を進めること数分。設楽は広々とした空洞に出た。今までと雰囲気が一変した広大な暗闇。しかし一変したのは広さだけではなかった。異様なまでに臭気が漂い、土の匂いに混じって鼻を突く。

 足元にたまった水と泥に足跡を残しながら、設楽は無造作に空洞の中心まで歩いた。「待ち伏せですか? チェン」

 隠す気のない、大胆なその気配の持ち主に語りかけると同時に、設楽はその足を止めた。

 答えはなかった。ただ設楽の声に反応するかのように、視線の先でゆらりと、闇よりも黒い何かが動く。そうしてスラリと、その何か(・・)が音を立てた。

「良く来たな、黒の刃」

 聞き知った声だった。チェン・ユィスィと名乗る龍の幹部の、だが声よりもその存在よりも先に、設楽は彼の手にある細い棒状の影に眼を向けた。

 うっすらと影しか見えないそれが、だが見えなくともなんであるかくらいは想像がついた。刀。剣。それも形状からすればおそらく日本刀だろう。中国人の彼が、日本剣術を知らない彼が、ここで抜いてみせる刀と言えばもう答えは一つしかなかった。

「それは……死宝剣ですか」

「さすがだ。この暗闇で判るのか?」

「まさか。見えませんよ。流れから予測してみただけです」

「流れ?」

「僕に仕事を依頼したのは、不破士郎と共倒れを望んでいたからでしょう? 何のためかって考えたら、答えは一つしかないじゃないですか」

「……ふむ。そうだな」

 案外あっさりと認めてきたチェンの言葉を受け流して、設楽は剣を見つめた。はっきりとは見えない。輪郭だけが見え隠れする刀は、通常サイズのものだった。冬鉄のように長尺でもなければ、八景のように小太刀でもない。短刀でも、脇差でもない。

「八景ではなさそうですね」

「八景か。その能力は『四次元超越』だったかな。だが、所詮は斬撃を増幅させるだけの代物だ。この剣に比べれば執着する価値もない」

「……使い道にもよりますよ。死宝剣と言ったって、万能じゃないんだから」

 それはどうかな、とチェンが嘲笑した瞬間、設楽の足元の土が真一文字にえぐれた。

「『鬼王』だ。君なら知っているだろう? 死宝剣を追いかける真正暗殺者、皇設楽ならば。距離を無視して切ることの出来る──『零距離斬撃』の能力を持つ剣だ。この剣を前に、逃げることなど出来はしない。ましてや逃がすつもりもない。君が持っているその刀も──『冬鉄』も手に入れる」

「…………」

 確かに、彼の言うとおりここには逃げ場はなかった。距離を無にする剣。間合いを無視して標的を切ることの出来る剣──『鬼王』と言う銘の死宝剣。この剣にかかれば、例え世界の裏側にいようと確実に殺される。

 そしてなにより、先ほどから鼻を突く異臭は間違いなく人間の体臭だった。汗の臭い。吐き出される息の臭い。それにまとわりつく火薬の臭い。

 気配はない。だが臭いはする。設楽をじっとりと見つめる視線を感じる。周りに何人いるかわからない状況では後ろに引くことさえも危険だった。少なくとも、判らなくなるほどの人数がこの巨大な暗闇の中に潜んでいる。

 全てが敵。味方はいない。最初から。はじめから。生まれた時から。

「逃げられんぞ。この状況下では、絶対にな。俺の未来のために、皇設楽。黒の刃。死んで貰うぞ!」

 剣が高らかと挙がる。細長い影が振り下ろされる。その斬撃と同時に、銃弾の嵐が四方八方から設楽を襲い狂った。

 


<<BACK      【9】へ

Top