生き残ったものたちの放浪記
その9 恭也、取材を受ける♪
「で、どういうことですか?」
「ごめんね〜恭也でないとやなんだもん……ね」
可愛く言うエレンさん
どういうことだろうか?
俺には良く分からない
結局、ビルの中に入って、部屋に入るまで、そのまま抱きしめた状態だった
ティオレさんと美沙斗さんもついてきていた
携帯している小太刀を落さなかったのは日々の賜物だろう
しかし、これとそれとは話が別物だ……
何で急に抱きついてきたかが問題にもなるのだ
色々と……あ〜、あれテレビ局も無かったか?
嫌な予感がこうふつふつと沸いてくる
「さて、説明してくれますよね?」
「あのね、私と一緒に映画に出て♪」
そらぁもう、笑顔だった
エレンさんは凄くいい笑顔だった
そして、ティオレさんと美沙斗さんはにっこりと微笑んで
「出なかったら、ここに置いていくから」
「恭也、アメリカで1人というのもいいかもしれないね」
この2人絶対に結託してる……というか、俺だけ知らなかった!!
俺は後ろに下がろうとする
今ならドアを開けて逃げることも……可能かもしれない
いや、なんとしてもイギリスに戻らないと……守るって決めているのに……
「そうそう、恭也、アルから伝言よ……
『恭也へ
映画に出なかったら、国際指名手配にして捕まえるから
アルバートより』
だそうよ」
「そんなことで職権乱用しないでください!!」
「私のせいじゃないわよ〜それにわが子の成長を見守るものとしては
楽しみでしかないわよ〜♪」
凄く嬉しそうな顔のティオレさんと美沙斗さん
本気だ……この2人は本気で俺を出すつもりだ……
嫌だ〜〜〜恥ずかしいじゃないか
それに、見られたら恥ずかしすぎて俺は死ぬかもしれないじゃないか!!
演義なんて初めてなんだぞ!!
それをそれを……
「はい、恭也……台本」
俺のセリフまであるんですか?
というか、もしかして……俺は絶対に出るという前提で作成されてませんか?
エレンさんを見る……そして、エレンさんからある言葉が出た
「恭也、一月ほどはここに滞在になるから……それと主役おめでとう♪」
「何ですって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
「監督さんの所見てみなよ……それで納得できるから」
「監督?」
監督の名前を見た……泣きたくなった
というか、泣いていいですか?
父さん、貴方を恨みますよ!!
貴方が残した言葉を……『諦めも肝心』だなんて……
「そ、この監督さんだから」
「お断りしてきます」
「無理だろうけど、廊下右に曲がって突き当たりだから」
「分かりました」
俺はそう言って出る
後ろからティオレさんが着いてきている
美沙斗さんは多分、ほかを見回っているのだろう
逃げ出せないだろうなぁ
ここ、結構な田舎だし……犯罪なんてしたら問題だし
ドアをノックして入る
「失礼します……佐伯社長」
「や、恭也くん……」
「佐伯さんが監督するとは思いませんでしたよ」
「しかし、ティオレさんに頼んで正解だったね……
ちなみに、俺が監督をするわけじゃない……これは、君のだけだよ
はい、こっちが本当の監督さん」
「こんにちわ、恭也・F・クリステラくん」
「恭也でいいです」
「私の名前はジェームス・クラウスだ」
「よろしくお願いします……で、俺を配役を変えるか降ろしてもらえませんか?」
「断わる」
本題に入った瞬間に断わられてしまった
しかも、握手をしたのだが……この人も相当できるのかな?
「私はこれでも、君を気に入っている……それに初映画じゃないだろう
士郎さんだったか、彼に言われて出てるみたいじゃないか……
それを見させてもらった……堂々の演義、日本人の繊細さ
そして、その類まれなる運動能力……だから、駄目」
「いや、でも、俺は素人ですし……」
と、ドアをノックされて人が何か小声で監督に説明する
そして……
「あ……今日だったんですか?」
「ええ、では恭也くん借りますね」
「ええ、どうぞどうぞ」
え? え?
俺は肩を捕まれて、そのまま歩かされる
手をどかそうと一生懸命動かすのだけど、上手く動かない
そして……ホテルのあるところに着くと……
今、ここがホテルだと気づいた
『監督、そして、主演者各位どうぞ〜〜〜〜♪』
何か始まっている……俺はエレンさんに手をつながれ
監督にも手を繋がれている
それが何を意味するのか分からずに、そのまま宴会場私設みたいなところに入った
意識を飛ばしたくなるようなフラッシュが目を焼いた
カメラだと気づいたときにはすでに移動して座らされていた
緊張している……分かっていたけど……分かっていたような気がしていただけだったんだ
『さぁ、今回はエレン・コナーズさん主演、相手役は日本男児恭也くんだ〜〜〜♪
そして、他にも豪華助演陣にくわえ、監督はこの男・ジェームス氏だ〜〜〜!!』
凄いノリだった
そして、俺は考えていた……騙されてる?
いや、どっちが? 俺か……
1人現実逃避に走りたくなった……
『さ、何か聞きたい事などございましたらどうぞ〜♪』
「さっき、エレンさんと熱い抱擁とキスされてましたよね?
どういう関係ですか?」
無茶苦茶日本人記者も混じっていた
最悪だ……俺は答えずに俯く
エレンさんの抱擁を思い出したからだ……
「秘密です」
エレンさんが変わりに答えてくれる
そして……初記者会見を俺は緊張と現実逃避の繰り返しで終わらす
というか、早く終わってくれ……
『でわ、最後に集合写真をとります……記者の方たちも良かったら
撮ってくださいね♪』
そして、司会者の言うとおりに俺たちは並んで写真を撮るのだった
その夜に俺はエレンさんとティオレさんにお説教をしようと心に決めるのだった
つづく〜
あとがき
はい、エレンと一緒に映画に出よう編です
シオン「というか、そのおざなりな題名やめなよ」
いいじゃん……自分がこうといったらこうなの
ゆうひ「何気にそれは駄目かと」
いいの!!
シオン「ま、私は怒られないからいいけど」
ゆうひ「題名そのまんまって意見もありそうね」
う〜〜いじめだよ〜
シオン「違うわよ」
ゆうひ「そうそう」
さてと、ちょっと今回長いね
シオン「そう?」
ゆうひ「普通でしょうね」
そっかぁ
シオン「でわ、また〜」
ゆうひ「ほなね〜」
でわ、また〜(^^)ノシ