生き残ったものたちの放浪記
その11 雨のワンシーン
ホテルの方に戻ると、まだ時間がかかりそうだということで
夜中のシーンを撮るための準備に掛かった
何時襲われるか分からない状態で……秀介自身も疲弊していく
確かに交代勤務でしているのだが、着々とこちらも亡くなっていくものがいるのだ
その中で秀介は撃退を何度も繰り返している
陽動にも引っかかることなくミッシェルを守っている
で、雨の中で彼女を守ったときに銃弾の跳ね返ったものがかすり少ししびれるというシーンがあるのだ
それが夜中というわけである……
俺はその中のセリフを覚えていく
今は休憩時間&フリータイムなので覚えているのだが……
「恥ずかしいセリフばっか……」
汗を軽く流しながら、考える
血のりを使ったシーンだ……途中で化粧をして、体に血が出ているラインを作る
服をミッシェルことエレンさんに破かれるのだ
なんとも辛いことになりそうだな……
「恭也、どう? 楽しい?」
「楽しいというより、恥ずかしい」
「あら、セリフ?」
「うん……というか、このセリフってどこかできいたことあるような気がする」
俺が指差した部分にはこう書いてある
『あなたを守ってみせる……このハンカチにかけて』
そう、これに似た言葉をどこかで聞いたことあるんだよな……どこだろう?
というか、本当にどこ?
「恭也って、士郎の仕事を見ていた事あったっけ?
あの人、毎回そう言って何度か女の人夜中に連れ込んでいたわよ」
「父さん、いつかしめる!!」
「ティオレさん、それが本当なら、私も妹として兄を斬らないと」
「まぁまぁ、2人とも元気ね……でも、仕事は先にしてね♪」
「「もちろん」」
俺と美沙斗さんは笑顔で頷く
ただ、その顔を見れば父さんは逃げたに違いない
今回は絶対に仕事態度云々だな……というか、俺も聞いた事あるのかぁ
小さな頃に引き連れていたときだろうなぁ
俺が、フィアッセと遊んだ時くらいだろう……
「恭也〜時間だよ〜♪」
「はい、今行きます」
「「頑張ってね♪」」
俺は駆け足でエレンさんの方に向かう
2人には笑顔で返事をしておく……それが妥当だろう
「恭也も何か他の趣味があったらいいのに」
「何かやらせないと分からないですよ……特に恭也は……」
2人がそんなことを話してるとは全く知らずに……俺はエレンさんと監督から指示を仰ぐ
「この弾丸を喰らうけど、一応、かすり傷程度……でも、動いて相手を仕留めて
そのまま、少し倒れる……痺れ薬が塗ってあると仮定してくれ」
「じゃあ、もって20秒から1分ほどですけど……」
「ああ、喰らうのは最後の方だから……それでいいよ
エレンはちゃんと守られるように」
「はぁい♪ 恭也、お願いね」
「分かりました……」
というか、セリフない部分だ……ほとんど
エレンさんは一応、あるんだけど、俺はほとんど無言で守っていくのだ
一部、あるんだけど……
「ま、最初は立ち回りだけだから……エレンは壁際に寄るだけ……
恭也は守って闘う……壁には2人で守るSPって所だろうしね」
「了解です」
こうやって決まっていく
敵の数は13人……確か、何かの数字なんだそうだ
まぁ、よく分からないけど……それで、戦うのだそうだ
「じゃあ、始めようか……スタート3分前〜」
そう言って、各々の位置につく
俺もそうやって準備につく……エレンさんもといミッシェルさんの付かず離れずの位置
なんとも微妙な位置で守っているのだが、いきなり撃たれたらおしまいって感じだな
ギリギリのラインだが……身をていして守るくらいしか出来そうに無いが
「3・2……スタート!!」
声がかかり演義が始まる
俺の動きを克明に写すカメラとエレンさんの表情などを撮るカメラ
数度撮るということで、俺は聞いている
まぁ、ミスが無かったら、3度で終わるのだそうだ
なんとも楽な状態だなぁ……
「カーーーーーーーート!!!!!」
監督の声がかかり終わる……これで5度目
ふぅ、俺の方はミスも無く進む……カメラの位置的な問題が少し考慮しなくてはならなかったのだ
それも俺が動き回ったからという特質のせいなのだが……
監督さんはそのあたりを気にしながらも大丈夫といってくれて
撮り直していたのだ……なんともパワフルだ
「さてと、次はエレンことミッシェルが恭也こと秀介を想っていることに気づくところだな
恭也くんは普通に休んでいてもいいよ……その間に化粧してもらうから」
「はい、分かりました」
俺はそういうとメイクをしてくれるところまで行く
化粧室というわけではなく、たんに鏡とメイクアップ道具のあるところだ
血を本当に出していたら持たないので、こうやってしているんだ
「お疲れ様……そうそう、恭也、迎えには来るけど、私は先に帰るから」
「ティオレさんが……はぁ、分かりました
で、美沙斗さんも行くから……今日はのんびり寝れる?」
「恭也……安心しなさい、エレンさんが楽しそうだったから」
「じゃあ、恭也、1月後って所かしら」
「分かりました」
「恭也、エレンさんを守ってくれ……情報の1つだが、信憑性が疑われるが
変なファンに襲われそうになったら助けるんだぞ」
「はい」
美沙斗さんの言葉に頷くと、俺はメイクさんにメイクされていく
2人は色々と挨拶をしていくと、帰っていった
その間にエレンさんの撮影が終わってしまった
メイクには意外と時間が掛かるんだそうだ……理由は、俺の汗があったことが原因だ
汗をかいてると、化粧ののりが悪いんだそうだ
まぁ、仕方ないだろうなぁ……さっきまで動いていたし
「これで今日はラストだからな〜〜」
「分かりました〜」
監督が最後に気合いをみんなへと入れていく
何て言うか、こういう雰囲気を味わうと、自分も映画を作っている人みたいだ
と、エレンさんがにっこりと微笑むと……
「なんか、恭也が普通に怪我したところってあまり見たことないけど
体の傷は本物つかえるんだってね?」
「ああ、そっちの方がリアリティがあるから……そこの一部に血を足してって所だそうです」
「そっかぁ……さ、最後最後
恭也も頑張ってね♪」
「ああ、でも、俺は兆弾がかすって、倒れるだけだろう」
「ま、その時に秀介の本音が漏れるんだけどね……」
「う〜恥ずかしいんですけど」
「頑張ってね……私も出来るだけのフォローは入れるから」
「ええ……」
「後、ハンカチは何でもいいんだって、私の私物なら……
ただ、忠誠の誓いが日本じゃあ、何か分からないからだって」
「小太刀にかけるですね、家のところでは……」
「監督に相談して決めようね……」
そして、俺とエレンさんにより交渉し、言葉を幾つか変えて
撮影へと入る……監督さんの言葉に寄れば、これ以降は元々他の人に見せる気はないので
ティオレさんと美沙斗さんは追い出す予定だったらしい
ま、ティオレさんも何かあって分かっていたのだろう
そして、撮影に入るのだった……本日最後の撮影に……
「カーーーーーーーーート」
そして、声がかかりNGが2回で何とか終わるのだった
「よし、撮影機材はそのままで構わないぞ!
後は、エレンたちやエキストラも休んでOKだ……
テープは一度俺が見るから……貸してくれ」
そういって、監督と副監督と歩いていく
ご苦労様と声をかけ忘れないあたり、さすがだ……丁寧そのものなんだなぁ
ま、そうやって活気付けるのだから必須かもしれないな
「さ、恭也、疲れただろうし……戻って御飯食べよう♪」
「はい」
「今日は何かなぁ……楽しみ〜」
こうやってエレンさんと一緒に御飯を食べるためにホテルの食堂へと向かう
美味しいのだが、人が居ないと寂しいものかもしれないな
だが、気を抜くわけには行かなくなったわけだ
美沙斗さんが居ない今はエレンさんを守ることもしないと……
SPの人も居るのだがな……俺にばれているようでは駄目かと……ま、素人なら大丈夫だろうけど
それに撮影所の中は入るの禁止だから、大丈夫だろう
そして、御飯を食べ終えると、俺とエレンさんは寝るためにホテルへと入っていくのだった
雨に濡れているので、体を温めるためにシャワーに先に入っていて
時間が掛かったのだが……コックさんは元々こういうのは時間掛かるものだよと笑顔だった
また、エレンさんと俺は一緒の部屋で寝ることとなった
理由は……雷だった
エレンさんは意外と雷が苦手なんだそうだ
俺の服の裾を引っ張って放してくれなかった……ま、しょうがないと諦めた
その日、エレンさんと一緒のベットで寝るのだった
つづく
あとがき
これも同衾なんだけどね〜
シオン「でも、同じ寝具で寝るって事が同衾の意味でしょう」
男女がね……でも、婉曲して捕らえると精工の意味もあるから
ゆうひ「そうなんだ」
シオン「でも、何で……同衾シーンって書いたの?」
ああ、下手にあの言い方するの嫌いだから
ゆうひ「もしかして遊び人がいやだから、エレンに言わせなかったというだけ?」
分かってるね〜
シオン「遊び人らしいね」
テヘリ
ゆうひ「誉めてないけどね」
まぁまぁ、こういうのも良しだよ〜
シオン「私は何も言わないからね」
ま、大丈夫だと思うよ……
ゆうひ「で、どうなの? この映画の内容は出来たの?」
部分的には出来たのだけど、微妙に間違った部分あるかもなぁって思う程度
シオン「じゃあ、ほとんどできたの?」
流れができてなかったら出来てない……というか、こんなネタ使わない
ゆうひ「だね」
ま、そんなわけで頑張らないと
シオン「でわ、また〜」
ゆうひ「ほなね〜」
でわでわ、またです〜(^^)ノシ