11/23
ちょっとした制作を朝から行い、昼ごろにかねこ・あーとギャラリーの川田祐子さんの作品を引き取りに行った。帰宅してから開封すると、相変わらずきっちりとした梱包がされてあって、なかなかと感心する。昼の陽光の元ではギャラリーで見た色彩とは異なる輝きがある。夜になるのが楽しみである。
夕方になって三度、笹塚のビデオ・ピープルに行った。あらかじめ江川さんにメールでロバート・アルトマン、テレンス・マリック、グレッグ・アラキをお願いしていた。
それで受け取りに行ったのである。
いやあ予想以上にありました。おそるべしビデオピープル。とにかくすごい品揃えである。
ロバート・アルトマン
「ロング・グッドバイ」、「ゴッホ 謎の生涯」、「ストリーマーズ」、「フール・オア・ラブ」、「ザ・プレイヤーズ」、「ショート・カッツ」、「カンザス・シティ」、「プレタ・ポルテ」。それからゴダール、ケン・ラッセル、ジュリアン・テンプル、デレク・ジャーマン、ニコラス・ローグ、ロバート・アルトマンのオムニバス映画「アリア」もあった。
テレンス・マリック
「地獄の逃避行」、「天国の日々」、「シン・レッド・ライン」。
グレッグ・アラキ
「リビング・エンド」、「途方に暮れる三人の夜」
さらに今日追加で買ってしまったもの。
ゴダール「ゴダールの決別」、」「ゴダールの探偵」、「右側に気をつけろ」
キェシロフスキ「ふたりのベロニカ」
イ・チャンドン「ペパーニント・キャンディー」
アルノー・デプレシャン「魂を救え!」、「そして僕は恋をする」
そして今回も江川さん、おまけをくれました。今回は怖いものはなしです(ありがとう江川さん)。今回のセレクトはサム・ライミ「シンプル・プラン」、スパイク・ジョーンズ「マルコヴィッチの穴」、「私立探偵濱マイク2」(荻生田宏治、行定勲が監督)(いやあありがとう江川さん)、「ハムナプトラ」(?)、「もっともあぶない刑事」(!)「新 仁義なき戦い 組長最後の日」(!!!)
「呪怨」ともども、おまけもがんばって見ます、江川さん!
記念というわけでもないが、江川さんのコメントを載せておこう。
渋谷区笹塚でビデオレンタル屋を営んでいるピープル江川です。
皆様に愛され何とか転がり続けて27年。
残念ながら諸般の事情により、
11月いっぱいで閉店することとなりました。
今までありがとうございました。
現在、在庫一掃セール中です。
300円から。
貴重なものはもう少し・・・お値段応相談・・
でもよろしく!
営業時間、不定期になりますのでお越しいただける場合は
お電話いただけると幸いです。
恐縮です。
あと、映画好きのお友達にも伝えていただけると嬉しいです。
写真家の都築響一さんに撮っていただきました!
http://roadsidediaries.blogspot.com/2009/11/blog-post_11.html
絶賛閉店中です。
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笹塚駅からピープル(動画)
http://www.youtube.com/watch?v=wKED0YPWeTI
店内の様子
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ささはたドットコム
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ピープル江川の映画日記
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メールマガジンは
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☆、ハニーの映画日記(検索もできます)
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11/22
曇り空差の寒い一日であった。日中は制作をしつつ、ネコと遊んだ。陽光の元での制作の方が視覚的にもいいので、進捗は滞り、ネコ三昧の時間を過ごした。夜は両国へ行ってギャラリーの会議。
11/21
昼過ぎ、遊工房アートスペースの石井隆浩展へ。その足で善福寺公園の「トロールの森2009」鑑賞。のどかな日差しを楽しみながらのアート鑑賞。
帰りに古書店「音羽館」へ。なかなかくすぐられる空間である。今日のところはなぜか高村薫の「新リア王」が頭に浮かんできてそれを探す。音羽館は特に何事もなく終了。その後ふと「夢幻書房」へ立ち寄る。ありました。高村薫の「新リア王」。なんとなくそんな気がしたのだ。ここにあるかもしれないと。
帰宅してから今までカットしたシートを設置してみた。夜になってから照明をつけて確認。まだまだいろいろと折りしろがあることがわかる。それを可能性と見るか完成度が高くないと見るか。
11/19
いよいよ冬の到来。一番の冷えらしい。我が家の同居人たちは二匹とも就寝時布団の上に乗ってきた。おかげで無理な格好で寝なければならなかった。
そんな中、3mmの丸刈りにしてしまった。勇気があるのかどうか。
11/15
日中は制作。
夜になって、せっかくなので、昨日いただいた「12モンキーズ」でも見ようと思って、ビデオテープを再生してみた。まあ、テリー・ギリアムだからいいとしようというわけだ。15分くらいだろうか主だった登場人物たちブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ、ブラッド・ピットが出てきたあたりで集中力が切れてきてしまった。なにせ我が家のテレビは14インチブラウン管なので、周りにいろいろと気を散らせるものがある。こんなくらいだったら本を読んでいる方が集中できて楽しいと思い、ビデオテープを取り出して仕舞ってしまった。この分だと今回大量に仕入れてきたビデオテープを全部(「呪怨」を除く)を全部見終わるのはいつのことだろう。お母さん、この際だから大画面のテレビでも買おうかしら。
11/14
日中は制作。
夕方になって、ビデオ・ピープルに行った。お願いしていたのはデレク・ジャーマンの「カラヴァッジオ」、「テンペスト」、「ジュビリー」、「ラスト・オブ・イングランド」、「ザ・ガーデン」、「ヴィトゲンシュタイン」、ジョン・メイブリィ「リメンバランス」、ロジェ・バディム「バーバレラ」の8本。あれからまたビデオを奥から出して陳列したらしく、またまた物色した。デレク・ジャーマンの「エドワードU」(先週は見落としたらしい)、イアン・ケルコフ「アムステルダム・ウェイステッド!」、セルゲイ・ポドロフ「モスクワ・天使のいない夜」、ハル・ハートリー短編集、ブラザーズ・クェイ短編集、「ストリート・オブ・クロコダイル」、以上6本。物色中、江川さんと昔、わが社でライブをしたという話やら、ケン・ラッセルやブライアン・デ・パルマやらの映画の話をした。ちょっと方向性は違うけれど、映画の話をすればなかなか尽きない。今までここに来たことがなかったのが、不思議でもあるし残念でもあった。
会計を済ませるとき、江川さんが「こんなの見ないかもしれませんけど、持ってってくださいよ。」と3本余計に入れてくれた。
帰宅してそのお土産を見たら、「12モンキーズ」(まあテリー・ギリアム監督作品だからいいとしよう)、「Xファイル・セカンド7 フェチシズム/呪文」(う〜ん、英語のヒアリングの勉強にでも使うか)、「呪怨1,2」(!!!!!!)だった。えー、江川さん「呪怨」は勘弁してくださいよ、いくらなんでも。しかも、「1,2」!!!!!!!!!!!!!
11/13
夜、日本橋のかねこ・あーとの川田祐子展へ。
先日見たときよりも、深い色が堪能できた。室内とはいえ、日の光がない分、奥に入っていくような印象があったのだろうか。何度見ても新たな表情を見せてくれる絵画だ。ほとんど閉廊するまでお邪魔していた。
11/8
朝から制作。
夜になって、ビデオ・ピープルに行き、頼んでおいたビデオを引き取ってきた。ゴダールのビデオでは、「軽蔑」、「ベトナムから遠く離れて」、「パッション」、「カルメンという名の女」、「リア王」、「ヌーヴェルヴァーグ」、「新ドイツ零年」の全部で7巻だった。キェシロフスキの8巻と合わせて一万円。デカローグなんて一巻二万円を超えるような時代のものだ。
気がついたところで、デレク・ジャーマンを頼んでおいた。また一週間後引き取らせていただくことになる。今夜はゴダール祭りだ。
11/7
午後になって両国のGALLERY MoMoで開催中の阪本トクロウ展へ。端整で余白に語らせる作風は相変わらず。珍しく夜景や海岸線もあり、その記号化されたような独特の風景画を堪能できました。
帰宅してからは制作。
11/6
夜、是枝裕和の「空気人形」を観る。業田良家のマンガが原作だが、是枝の脚本により、業田のマンガの切なさやほのぼのさ、ささやかな希望が、より表現されていたように思える。
ココロを持ってしまった空気人形が最初に口にする言葉は「キ・レ・イ」だった。登場人物それぞれが満たされない空虚感を持って生きている。それを高層マンションが立ち並ぶ中にぽっかりと残された古い町並みの中に寓話として立ち上げさせた。清涼感と寂寞感がないまぜになり、官能的でもあった。いい映画だった。
挿入されていた吉野弘の詩「生命は」をあげておく。
生命は 吉野 弘
生命は
自分自身で完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思えることさも許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?
花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光りをまとって飛んできている
私も あるとき
誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない
11/4
ビッグEのボーカルでもある江川さんの経営するレンタルビデオショップ「ピープル」が27年の歴史に幕を閉じるらしい。それで閉店一層在庫セールをやるということで、笹塚の店に寄った。最初フレデリック・ワイズマンとかドキュメンタリーのものとかアート系のビデオを探していたが、ゴダールの「映画史」があるかどうか尋ねたところ、「映画史」はないものの、他の作品が結構あるらしい。それを購入させていただくことにした。全部で一体何巻だろう。全部いただくことにした。それ以外では、クシシュトフ・キェシロフスキの「デカローグ」(全5巻)、「トリコロール」(全3巻)を引き取らせていただくことにした。
いいものを見つけたことでやや興奮気味だったからか、帰りの笹塚の商店街の青果店で、もう少しで安売りのブドウを買いそうになった。
11/3
文化の日にちなんだわけではないが、一日中制作。
夜になって映画「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」を観に行った。不世出、早熟の天才アニメーション作家ライアン・ラーキンを追うアニメ・ドキュメンタリーとライアン・ラーキンのアニメーション作品の上映だった。30〜40年前の作品だとは思えないほど、生き生きとして刺激的な作品だった。しかもこれらが一枚一枚手描きで作られたアニメーションであるとは。早熟の天才は早すぎた成功と創作へのプレッシャーに押しつぶされて、ホームレスになってしまった。そして35年ぶりの復帰作を完成させる直前、肺がんで2007年他界した。
このライアン・ラーキンについては、広島のカオリさんから話を聞いていた。彼女は「広島アニメーションフェスティバル」にも関係していて、そこでライアン・ラーキンを追ったドキュメンタリーを見ていたのだ。ついにその作品を目にすることができたというわけだ。
11/2
今日は休日の谷間ということで、休暇を取らせていただき、一日中制作をした。
11/1
高円寺のGALLERY 45-8へ。
マッツ・グスタフソンのアナログレコードにシートを貼り、それを尾関幹人さんがいろいろなパターンにカットしたものをレコードプレーヤーにかけるという、ターンテーブル奏者、大友良英的な展示であった。10枚ほどのアナログをいろいろとかけてみて、いいノイズミュージックが出来上がったのに大満足であった。マッツ・グスタフソンのノイジーなサックスが、尾関幹人さんのカッティングによってレコード針が溝をキュッと移動することにより、DJがレコードをスクラッチしたような効果を産み、予想外のサウンド・コラージュが出来上がるのである。それを何枚も同時にプレーヤーでかけることにより、サウンド・コラージュが多重化されるのである。が、聞くところによると、やや音量が大きすぎたためか、警察に通報されてしまったとのことである。地域に根ざすギャラリーを目指しているGALLERY 45-8にとっては、非常に残念なことである。わたしもできればやや大きめな音でターンテーブルによるマルチトラックを楽しみたいところであったのだが。
10/30
日本橋のかねこ・あーとで開催中の川田祐子展へ。
また新たな表情を見せてくれる作品たちに囲まれて、幸福な時間を持つ。スクラッチングとハッチングの組み合わせが織物のように豊かな味わいを醸し出す。作品との距離や角度によって、いろいろな表情を生み出す作品には、いつまでも引き留められ
てしまう。
会場にいらした川田さんともお話をさせていただいた。物語性も少し含ませてあるとのことや新しい表象などについてお話を聞く。そういうイグチさんもということで、わたしの作品に対するわたし自身自覚がなかったような鋭い指摘をしていただく。わたしの作品は神道系だというお話である。仏教系でもなくほかの宗教でもないと。一瞬靖国に通じる道程を想像してドッキリしたが、まあ確かにアニミズムの世界ではあるからそう言えるのかもしれない。大変に興味深いお話であった。
川田さんの作品はスクラッチングの作品を持っているが、ハッチングが加わった以降の作品もぜひほしいと思っていた。そこでいろいろと悩んだ末に購入させていただこうと思った作品は、川田さんのお話ではかなり手が加わっているものであるとのこと。それだけ表情が豊かでインパクトがあったのかもしれない。
そうこうするうちに栗本佳典さんがいらした。三人で会うのは二度目くらいだろうが、お互いに久しぶりにお会いするので、とてもラッキーなことである。なにか引き合うような力を持っているのだろうか。
いつまでも見飽きない作品なのだが、しばらく日を置いてまた新しい表情が見えてくるのを期待して失礼させていただいた。帰り際に金子さんから浜町まで墨田川沿いを歩くといいと言われ、それにしたがって気持ちのいい陽気の中、水中にクラゲが結構いるのを見たりして、隅田川沿いを浜町まで歩いて都営新宿線に乗った。そうしたら馬喰横山駅で停車したところで、人身事故のため全線ストップというアナウンスがあった。しばらくは動かないだろうと踏んで、浅草線に乗り換えようとホームを歩いていると、栗本さんに再会した。それから浅草線に乗り換えるまでお話をさせていただいた。
帰ってから自室のどこに川田さんの新しい作品を設置しようかと思いながら部屋を眺めた。そろそろ飽和状態なのである。だが好きな作品に囲まれて日常生活を営むというのは大変幸福なことだと思うのだ。
10/25
朝、何度も西嶋がわたしの頭をかじるのだが、体がだるくて「お願いだからもう少し寝させてくれ。」とお願いしたのだが、結局6時半ごろには布団を片付けていた。
朝食をとっても体はだるいままなのだが、とりあえず掃除を済ませて一息ついたところで、ちょっと横になって休もうかと思って気がついたら、横になって一時間くらいたっていた。
それから3、4時間くらいだろうか制作をして一段落したところで、奴らのえさを買いにロヂャースに行った。相変わらず吉祥寺駅前はひどい人だかりだと思ったら、なにか消防署がイベントをしていた。
もう冬が来てしまったのか?そんな天候と気温の一日だった。
10/24
ジム・ジャームッシュの新作「ザ・リミッツ・オブ・コントロール」の朝一番の回を見るために、井の頭線で渋谷に出た。パチンコ屋街
を歩いていたら、どうも歩いているおまわりの数がが多いのが気になった。そうしたらその中の若造がわたしに向かって近づいてきたのだ。
「渋谷署の○×ですが、鞄の中身の確認のご協力いただけますか?」
なにせあちらは巨大な権力をバックにしているし、生まれて初めての体験だったので、うまく対応できなかった。
「それは強制ですか?」
「いえ任意です。」
くらいの抵抗しかできなくて、あとは財布の中身までチェックされた。もしかしたら新人の実地研修みたいなもんだったのかもしれない。いいカモだったということか。
二回目からはもっとうまく立ち回りたい。このぐらいのことはしてやろうか。
@相手の目を見てものを言う
Aもう一度名乗らせ、こちらでもそれを復唱する
B警察手帳の提示を求める
C任意であることを確認する
D忙しいからと拒否してみる
記念に相手を写メで撮って「ブログに載せるんでえ。」みたいなことを言ってやろうか。しかし基本的に小心者なので、そううまくはいかないだろう。
ところでジム・ジャームッシュの「ザ・リミッツ・オブ・コントロール」。妙な緊張感があってよかった。前作「ブロークン・フラワーズ」で「円熟してしまったのか?」と評されていたのが、本作では十分にやんちゃなところを見せてくれる。わたしもあんなふうにいくつになってもとんがっていたいものだ。
夜はART TRACE GALLERYの全体会議出席。
10/18
制作とネコ三昧の一日。
10/17
午前中はなんだかだるくてだらだらしていた。
午後、繁田直美さん、嶋津晴美さんと新宿のカフェ・コムサでお茶会。繁田さんからLAでの交流展のことをお聞きしたり、嶋津さんからは出席されているゼミの話などをお聞きした。おいしいケーキと楽しい語らいであった。
ここのところいろいろと用事があって制作から少し遠ざかっていたが、今日のお話でやる気が戻ってきた。帰宅してからは制作に取りかかった。
10/12
三日目はレンタカーを借りて都心を走ることにした。青梅街道から新宿へ靖国通りで神田まで出て、そこから東京駅に出てから皇居の周りを走り、国会議事堂を半周し、青山通りを走って渋谷を抜けた。その先で道に迷った。環七と環八を走ってどうにか吉祥寺通りに出て吉祥寺についた。そこから井の頭公園の横を走って帰った。だいたい二時間くらい。
三日目になると、さすがに東堂さんは両親のにおいをかいだりして近づきつつもしかし触られない程度の距離を保つほどには馴れたものの、西嶋は好奇心一杯に両親を見るのだが、気が小さいので東堂さんほどには近づけず、遠巻きに物陰から眺めては、すぐに秘密基地に入り込んでしまう状態であった。
昼過ぎに実家へ戻る両親を新宿に見送ってから戻り、秘密基地から西嶋を出してやると、元の日常生活に戻ったことを察した西嶋は、やっぱり「にゃおんにゃおん」と鳴いて、おいちゃんにまとわりついて、体を撫でてもらってご満悦なのであった。西嶋の小心者め!
その後はいろいろと気疲れをした三体が川の字なのか「÷」なのかになってうたた寝をしたのであった。
10/11
朝から両親を連れて皇居に行った。東西線で大手町に出て、そこから大手門に出て、お堀の周りを歩き、二重橋に出た。そこから三田線に乗って泉岳寺へ。どうやら赤穂浪士のお墓参りがしたいらしいのだ。47人のお墓に線香を手向けて満足した両親を連れて、今度は「ゆりかもめ」に乗った。行くあてはないのだが、ただ単にレインボーブリッジのところをぐるりと回ったり、風景などを楽しんでもらおうと思ったのだ。ゆりかもめで有明に出て、今度はりんかい線に乗り換えて新宿に出た。新宿高島屋でお土産を買い、お昼を食べてから帰った。
二日目になると東堂さんはやや遠巻きながら両親の存在にも慣れた模様。しかし西嶋は相変わらず押入れに入り込んでしまった。東堂さんも、触ろうとする両親から逃れて押入れに入り込んでしまった。しばらく押入れから出てこないので、中を覗いてみると、東堂さんが西嶋の定位置を奪ってしまって、奥の奥の方でこちらをじっと見ている。しかし西嶋の姿がどこにも見つからないのだ。布団のすきまとか、しまいこんでいるものの後ろとかを探っても、どこにも見つからない。一体どこに行ってしまったのだろうと心配になり始めた矢先、押入れの上段の棚の上に置いた14インチテレビの空き箱からひょこんと耳が見えたのだ。中を手で探って見ると(一番高いところで中は見えない)、どうやらうまい具合に段ボール箱のふたを内側に折り込み、その中にもぐりこんでいるのだった。しかもやつは前々からそこに入り込んでいる様子で、中ですっかりくつろいでいる。西嶋め、いつの間に秘密基地を作ったんだ!
二日目の夜も、両親が寝静まったとみるや、また気が大きくなった西嶋は物陰から出てきて、「にゃおんにゃおん」とおいちゃんに甘えるのであった。その後は例によって両親の寝床を会場にした大運動会。物音に目を覚まして横になったままの父親とねこじゃらしで遊んだらしい。
10/10
両親が昼ごろ我が家に遊びに来た。東京見物とやつらとの出会いを期待してきたのだ。さてやつらはどんな反応を示すか。その前にまずはお昼ということで、三鷹でもおいしいと思っているお蕎麦屋さん「きびや」に連れて行った。たいそう喜んでくれた。
さて、やつらのことである。やつらを佐倉のお寺さんからもらってきたときにお手伝いいただいたシッターさんは、ネコとすぐに打ち解けるはずなのだが、東堂さんはどうにか馴れたものの、西嶋はとうとう隠れたきりで出てこずにいたのだから、両親と対面したときどんな反応を示すであろうか。しかもシッターさんは一時間ほどの滞在であるが、両親は 二泊三日である。やつらにどれだけのストレスがかかるのかも気がかりであった。
部屋に足を踏み入れた両親に対して、予想通り二匹は逃げまくり、決して物陰から出てこようとはしなかった。それでも東堂さんは興味津々で遠巻きに眺めているが、西嶋は隙を見て押入れに直行。押入れの奥の奥の定位置に入り込んでしまった。
ネコとの和気藹々とした交流はあきらめて、両親の行きたいところのリストにある井の頭公園へと向かった。井の頭公園は両親が想像していたよりも遥かに広かったらしい。半分も行かないうちにもういいと言い出して帰ることにした。母にはユザワヤは興味あるところだと思ったのだが、別に寄らなくてもいいと言われ、そのまま帰った。
その夜、両親が寝静まってから(田舎の年寄りは夜が早い)、それまでずっと押入れや物陰に隠れ続けていた西嶋は、すっかり気を大きくして、「にゃおんにゃおん」と鳴き始め、まだ起きているおいちゃんにまとわりついて、体を撫でてもらおうと甘えるのであった。その後、横になって動かない両親の寝床を会場に、二匹による大運動会が開催されたのである。
10/8
台風が来ても普段どおりに出勤しようとしたら(台風が来たからいつもより早く出勤しようとも台風が来たから出勤するのをやめようとも思わずに)、三鷹駅では改札にロープが張られていて、「台風接近による強風のため、中央・総武線全線とも運行停止で、再開の目途も立っていません」とのアナウンス。
とりあえず一旦帰宅して、情報収集に当たろうなどと思って帰宅したところ、東堂さんはお出迎え。しかし西嶋の姿が見当たらない。押入れがわずかに開いていたので、中を覗くと、すきまの奥の奥の方に奴はいた。
結局、バスで調布に出て、京王線−都営新宿線で出勤。いつもより一時間半以上遅刻した。しかし午後3時ごろになって出勤してきた人もいたから、まあ早い方だったのだろう。
で、夜退社して帰宅すると、東堂さんはいつもどおりリビングのドアのところでお出迎え。西嶋も何事もなさそうにテーブルの上であくびなどしている。
西嶋め、おいちゃんが朝家を出た後、押入れに入り込んで一体どのくらい長く押し入れライフを満喫していたんだ。
10/4
昼から土日画廊の井上まさじ展へ。造形大の学生の質問に答える形での井上さんの制作に対する考え方や美に対する意識などについてお考えを拝聴しているうちに2時間が過ぎてしまった。帰り際に井上さんに小品をお渡しした。お気に召していただけたらうれしいのだが。
10/3
午前中は東京都現代美術館へ。券買所には早々から列ができている。伊藤公象展のチケットを買って進むと、ほとんどの人々はメアリー・ブレア展へ向かっていった。伊藤公象展の方はあまり人もいなくてゆっくりじっくり鑑賞できた。土や陶の持つ可能性が作品の表情に偶然性も重なり、異様なまでの緊張感を与えている。なんと挑発的な陶であろうか。
午後にはオノテツさんと吉祥寺で会って会話をする。車の運転と精神状態についてやら、子供やネコの近況報告やらを二時間ほど話し合う。
夜は新聞の片付け(切抜きなど)をしていたら、いつの間にかいい時間になっていた。
タイトルは「マトリックス」の中で出て来るセリフらしいですね。実はわたしはこの映画をテレビでチ
ラチラとしか見ていないので、どこで出てくるのかよくわかりません。わたしはスラヴォイ・ジジェクによる
テロとその後の戦争について論じた文章のタイトルとして知ったのでした(現代思想臨時増刊「これは戦争か」より)。
なお、画像は島田雅彦の「ミス・サハラを探して」(KKベストセラーズ)
の中のチュニジアの砂漠の写真(撮影;中島誠)を無断借用しました。