えげれす通信 vol.06
人間、色々な要素が重なると、突然突拍子もない行動に出るもの。 僕は、月曜に提出の、エッセイの仕上げと、 火曜に発表しなければならないゼミのレジメ作りと、 何としても早く倒さなければならない北条氏 (註:信長の野望というゲーム)と(笑)、 この三つの仕事に押されて、 金曜日は徹夜することになった。 僕は、基本的に、夜は強いけど、 朝はめちゃめちゃ弱い。 徹夜した日は、朝、すぐに寝るので、 結局朝夜が逆転する生活になるわけです。 週末だから、まぁそれもいいんだけど、 今回の場合は、緊急でメールを送りに大学に行かなければならなかったし、 しかも、図書館は、日曜は休み、土曜は早く閉まるとあって、 土曜に寝まくるわけにはいかない。 そこで、僕としては珍しく、徹夜開けにも、 続けて起きておこうと思った。 9:30頃まで、レジメの続きをやり(おお!珍しく勤勉だ!)、 それから大学に行った。 実は、昼間のプランニングとして、二通り考えていたのね。 一つは、バスパス(バスの乗り放題)買って、 行き先決めずにどこかへぶらぶらしに行く、というのが一つ。 この前バスに乗ったら、なんか、風景がいつもと違って、 気持ち良かったので。 でも、今日は、久しぶりに、本格的な雨だったので、 (いつもは、「雨後晴れ、時々雨やがて晴れ、だけどやっぱり雨」 という天気である) そいつはやめにした。 もう一つは、かねてから考えていたもので、「カレーを作ろう」(笑)。 うちの寮での料理をしようと思ったら、 1.加熱のみ。しかも電子レンジのみ。さらにそれは部屋から遠い。 2.調理器具は皆無、万能ナイフのみ。 3.部屋に水道はない。 4.フロアに一つしかないレンジ部屋は、平日夜だと結構利用が多い。 という条件があり、特に問題なのは、4なのだ。 つまり、煮炊きしようと思ったら、 少なくとも一時間はレンジを占有しなきゃならん。 結構気が引けるのね。オレは気が弱いから(笑)。 「おっと、今日は土曜やないか。こんな時間に起きた事ないから、みんな何してる んかわからんかったけど、今やったら、人気がないし、占有してもいけるかもしれ ん」 そう思った僕は、早速、近所のSafeway(スーパー)に行った。 因みに、このSafewayのレジにいてるインド系のおねぇさん(MAKHMUDAさん)は めっちゃ綺麗なので、僕は、多少混んでても、 そのレジに並ぶことにしてる(笑)。 さて、カレーのルー(バーモントカレー)は既に中華街で買ってある。 で、具を買おうと思ったんだけど、 えげれすのいいところは、スーパーでも野菜の量り売りをやってて、 しかも、それは別セクションではなく、 レジに計量機能もあるので、 一括して持っていけるのである。 そこで、人参一本と、玉葱一個と、牛肉のパックを買った。 肉は、牛にしようか、鶏にしようか、豚にしようか、 ターキーにしようか、ラムにしようか、迷った。 これだけの種類は、それぞれちゃんと一応揃ってる。 だけど、ターキーとラムは、適当なのがなく、 豚は高く、 鶏は一匹まるごととかはあっても、ちっちゃいのがなく、 結局牛にした。 表面に、日本で言うところの「和牛」にあたるのかは知らないけど、 「British Meat」ってわざわざ書いてある。 ここはえげれす。既に忘れてるのか、はたまた気にしないのか、 僕は「Mad Cow Desease はどないしたんやぁぁ!」と一人で突っ込みを入れつつ 結局「英牛」を買ったのでした。 僕もやはり、気にしない人種なのかもしれん(笑)。 (なんだか、子供で、将来影響がでる人が出るかもしれないという報告も 実際にあるのだ>狂牛病) さて、部屋に帰り、まず、下ごしらえをした。 加熱の容器は、中華用の割と大きめの丼。 それに入れるわけで、 僕は、野菜を切り始めた。そう、洗わずに(笑)。 だって、水道は部屋にないし、まな板なんちゅう便利なもんはないし、 いちいち遠くまでいくのは面倒なのよ。 僕も、気にしないことにしたのだ。 人参と玉葱を切る作業は、 机の上の、パソコンの隣で行われ、 まな板変わりに、図書館で借りたアダムスミスの本を置き、 その上に読売新聞を敷いて切ったのだ(笑)。 肉は細切れを買ってきたから、 野菜を入れて、肉も入れて、炒められないからバターをそのままちょっと入れて、 ブイヨンを振り掛けて、塩胡椒をふって、ガーリックパウダーもふって、 水をひたひたにして、いざレンジ部屋へ! 僕は、そのために、昼飯の用意は何もしていなかったし、 しかも、昨晩の19:00以来、何にも食ってなかったから、 腹は減りまくりだったのだ。 期待は膨らむ。腹はへこむ。 さて、レンジ部屋。幸い誰もいない。 で、とりあえず、60分にセットして、 あとは部屋で、北条氏と戦っていた(笑)。 で、一時間経った頃、僕は、期待と不安でドキドキしながら 見に行くと、なんと、まぁ、かぐわしい香りが 廊下にまで漂ってくることか! 「こいつはイケてる」と、今風の台詞をはきながら、 実際見てみると、非常にいい感じ。 しかし、あと10分くらい煮こむと、 さらにとろとろになりそうで、 もうちょっと粘ることにした。 幸い人も入ないし。 で、カンカンに熱くなってる、レンジ自体と、丼とに 気をつけて、いっぺん取りだし、 また入れて、スタートさせようとした。 「を?動かねぇぞ??」 ひょっとして、熱くなりすぎて、 サーモスタッドかなんかの加減で、 今はスイッチがオフになるようになってるんかいな?とか 思いながら、少し経って、またやったけど、また駄目。 どうやら、オレは、みんなの大事な、フロアに一つのレンジを おしゃかにしてしまったらしい(笑)。 そんなところに長居は無用なので、 僕は、痕跡を残さずにトンズラをこいた(笑) 唯でさえ、よく料理をしてるところを目撃されていて、 「Hey! Cokking Guy!!」 とか言われてるのに、 証拠を残したりすると、真っ先に疑われるし(笑)。 仕方ないので、一度部屋に持ちかえり、 一応柔らかくなってるので、試しにルーを溶いてみた。 「おお!バーモントカレーの匂いやぁ。。。西条秀樹が子供たちに作ってあげてい た、あれやぁ。。林檎と蜂蜜とろーり溶けてる、のあの香りだー」 とひたすら感動しながら、 そろそろと溶かしていったのである。 (そう、僕らの世代は、バーモントは、ヒガシとかではなく、ヒデキなのである) ここで、二つ目のアクシデント。 カレー作りで、最も多い事故。 それは、ルーが固める能力を上回るだけの 下ごしらえスープがある場合の、 「うおぉ。固まらねぇじゃねぇか!」事故でしょう。 ここが、日本ならば、落ち着いて考えて、 1.ファミマかなんかに行き、落ち着いて、追加のルーを買ってくる。 2.あるいは、ゆっくりと時間を掛けて煮こむ。 3.もしくは、小麦粉を溶いて、とろみをつける。 等々、選択肢はある。 しかし、ここはえげれすぞ。 コンビニもどきはあっても、さっぱりconvenientじゃないコンビニなので、 カレールーなんて便利なものはきっとない。 最悪、中華街までわざわざ行くことも考えたけど、 雨なので鬱陶しい。 小麦粉のストックなぞ、あるわけもない。 そこで、いちかばちか、我がSafewayに行って見ることにした。 こっちの人間だって、カレーは食べるんだし、 インドの宗主国なんだから、それくらいあるやろ。 すると、「カレーペースト」という壜詰があるやん。 「流石Safewayや!」と僕は喜び勇んで、 ダッシュで帰ってきた。 もう冷めかかってる件の丼に追加しようとする。 でも、ひたひたになってて、これ以上入れるとあふれるのだ。 あふれてもいいけど、それでは、図書館のアダムスミスに悪い(笑)。 そこで、マグカップに多少スープを移して、 分量を減らしてからトライしようと思った。 さて、僕の料理器具は、さっきも書いたとおり、 万能ナイフのみ。お玉なんていう素晴らしいものはないのである。 かといって、丼からマグカップに、ダイレクトに入れようと思ったら、 しかもシンクがないところでやろうと思ったら、 多分悲劇的なことになるでしょう。 カレーのしみは落ちないし。 よくシャツにカレー染みをつけたガキが小学校のときにいたけど、 あのように、カレー染みは、洗濯しても取れないパワーをもってる。 そこで、この素晴らしい料理人が編み出した方法は、 「スプーンで地道に移す」 ここまで来たら、キャーっとなって、とりかえしのつかない ミスをすることが一番怖いので、 地道にすることにした。 なんだか、移し終えたマグカップの中身は、 基本的に具なしなので、 「カレースープ」みたいな飲み物に思えてきて、 僕は、そいつをちびちび飲りながら、 改めて、「カレーペースト」なるものを 溶かし始めた。 途中、「なんだかペースト自体も緩いのぉ」と思ったけど、 気にせず、こいつがカレーになる瞬間に思いを馳せながら、 1/4、半分、3/4、と入れて行った。 「ん?さっぱり緩さが変わらんやないけ」 ということに気づいたのは、既にペーストの底が見えてきた頃。 僕は、バーモントのノリで、 ゆっくり溶かしつつ、徐々に固まって行くさまを想像していたんだけど、 なんだか、色だけ末恐ろしい色になっていくだけで、 箸でかきまわすときのその「抵抗」みたいなものは、 一向に重くならないのである。 そのとき、閃いた。 「ひょっとして、こいつは、小麦粉と合わせ技一本のモノなのかもしれん」 つまり、カレーのうち、 「フレーバー」の部分をこの「ペースト」が受け持ち、 「固めるテンプル」の部分を「小麦粉」が受け持つのではないか? バーモントのように、一人で二役の素晴らしい奴はいないのではないか。 そういや、「ちゃんリン、シャン」系もえげれすでは見ないではないか! (註:最近は出現した(笑)) 「うおぉ」と一言唸りをあげつつ、 味見をして見ると、果たして、味のほうは、 そのどぎつい「インド色」(よくわからん(笑))のままに、 なんだか色々な香辛料やら、 辛いのやら甘いのやら酸っぱいのやらのツブツブが一杯浮いてて、 なんとも独特なものになり果てているのであった。 もはや、「林檎と蜂蜜」の面影はなく、 「ツブツブ」カレーになってしまっていた。。。 腹が減っては戦ができぬ。 つまり、北条をやっつけられないので、 とにかく食うことにした。 でも、まだ、飯を炊いてない。というか「煮てない」。 もう、面倒だから、適当に米を別容器に入れて、 適当な水加減で、ふたもせずに、 一階上のレンジ部屋へ行き(笑)、 15分くらいでできあがった、まずまずのライスと一緒に食べたのであった。 しかし、再び、ツブツブカレーをライスの上にかけるというタスクが残ってる。 僕は、もはや、「スプーン@地道」の余裕はなかったので、 カップヌードルの空き容器(こっちのカップヌードルは、容器が発泡スチロールじゃ なく、プラスチックみたいなもんでできてて、何かと利用しやすい)で、豪快にすく っては、かけて食ったのでした。 味は、というと、決して食えないシロモノではなく、 びちゃびちゃの、まるで「カレースープのなかに、時折浮かんで見える白飯」状態 であることを除けば、まぁまぁというところか。 あ、「林檎と蜂蜜」の余韻もなくなった、というところも 除かなければならんけど(笑)。 一息ついて、件のレンジ部屋に行って、もうすっかり冷たくなっている レンジを試しにセットしてみたら、 案の定、やっぱり動きを見せなかった。 奴は、寿命を迎えたらしい。。。 |
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