えげれす通信 vol.14
「外国」って一体何でしょう? 文字通り考えれば、「国」以外のところ、 具体的には、別な国、となるわけで、 アメリカから見たメキシコも外国だし、 フィジーから見たヴァヌアツもまた「外国」である。 これには、何の矛盾もない。 しかし、大概「外国」って言った時には、 自分の国を基準にして、「そとの国」という ニュアンスで使うことが多い。 つまり、我々日本人は、 「外国」と聞くと、「日本以外の国」であり、 日本に戻ると、「帰った」という実感を感じる。 些か硬い話はおいといて。。。 この週末は、ドーバーに行って来ました。 顛末は、例の「果て研究会」つながり。 今回は、第一回新歓合宿である(笑)。 今回の旅は、♂2、♀2、の4人編成。 僕が集合時間と行き方を調べて決めた。 出発駅はVictoria。 今は、ガトウィックエクスプレスのおかげで 多少盛り返したものの、 出発数も減り、矢張り寂しさは否めなくなってしまった駅である。 昔は、この駅は、大陸に向かう客のための 有名列車が数多くドーバーに向けて発車していた 超メジャーターミナルだったのだが。 ともあれ、我々は、10:35発、Dover Priory stn.直行の 急行に乗ることにした。 。。。というか、僕が、トーマスクック時刻表で 調べておいた。 しかし、ここから既に、我々の旅を暗示するような出来事に 出会ってしまった。 最近のBR(Brit Rail)は、 何でも多額の投資をして、時間通りの運行をできるようにしたということで、 大概、列車は遅れたり、トラブったりしないで、 正確に走ってるらしい。 (大体、時間通りにするのに、何で金がかかるのかが不思議(笑)) しかし、そこはえげれす。タダでそんな夢のような状況が生まれるわけはない。 日常のpunctualさは、土日を犠牲にしてのことである。 エンジニアリングワーク、つまり保守作業が、 大概の土日に行われ、 ダイヤはドラスティックに変わる。 経路変更は当然。 編成のやりくり上、 通常とは違う列車がやってきたりするが、 それが遅い奴だったりすると、 時間まで違ったりする。 。。。要するに、時刻表は役に立たない。 今回のドーバー行き列車も、 途中の区間の工事によって、 別な行き先になっていた。 で、ドーバーに行きたい人は、 代行バスに乗れ、との表示。 やれやれってなもんで、出発。 途中、ビールを飲みながら、 なかなかの楽しい道中でありました。 ドーバーにつくと、これからの予定が決まっていない。 というより、ドーバーに何があるのかを知ってる人間が 誰もいない(笑)。 とりあえず有名なドーバー城に行くことにして、 その前に昼飯を食べた。 ここがなかなかTraditionalなカフェで、 プルマンランチ(農夫が食べる決まった形式の定食 みたいなもの)や、Traditional Afternoon Teaなどを頼み、 だらだら過ごすうちに15:30になった。 そろそろと思って城の道を登り始めると、 かもめが鳴き、海が広がり、 みんなで「はーばーらいとがー」と唄いながら登った。 (まちこ繋がり) すると、城は16:00で閉まるという。 結局見られずに、戻ってきたのであった(^^; そして、カレー行きの波止場まで歩いて行くと、 平地だと言うのに、白樺の木が生えていて、 非常に綺麗である。 我々は、当然の如く、青空を連想したのであった。 (千昌夫繋がり) ホバークラフトは、天候不順のため欠航。 悉く行く手を阻む事態の多さに、 「策略論」まで飛び交う始末。 「奴らを大陸に渡すな」みたいな(笑)。 結局、遅い高速船しかとれず、 しかも、時間的にも遅くなっていたので、 景色を見ることも出来なかった。 ドーバー辺りは、「White Cliff」という白亜の断崖が続く景勝で、 景色を楽しみにしていたんだけど、 それも叶わなかった。 海は荒海。 後ろは佐渡ではないんだけど、 船は揺れるし胃袋揺れる。 女性陣が段々弱って行くのを尻目に、 男性陣はビールを楽しんだ(鬼)。 船の中は既にフランスふうである。 放送も両方の言葉でやるし、 表記もしかり。 カレーに着き、 形ばかりの入管跡(笑)を通って、 さくっと我々はおフランスに到着したのであった(^^) そこは、既に大陸。 車は右を走るし、 ねぇちゃんたちは当然の如くフランス語をしゃべる。 その感動の(であるはずの)おフランスの地に、 しかし本当の意味で到着したのは、 更にあと1時間も経ってからのことであった。 我々は、タクシー代をケチり、歩くことにしたんだけど、 これが、恐ろしい距離があった。 しかも、道は、高速道路only(笑)。 途中まで高速を歩いたり、横断したり、 インターチェンジ級のラウンドバウトを横切ったり、 それはもぉ、冒険活劇並み(古い!)。 町に着くと、我々の泊まるホテルは 「ホテル・ボンサイ」という名前だったが、 その「ボンサイ」なるものは、「盆栽」だったことがわかった(笑)。 なんぼなんでも、それはないやろ、とみんなで言ってたけど、 ベッドに木のロゴがあるし、 どう見ても「盆栽」である。 何だか奇妙なホテルに荷物を置いたあと、 今回のメインイベントである「海の幸」を食いに出かけた。 さて、改めて街を歩いてみると、 矢張りえげれすとは違う。 通りを行く人はこっちをじろじろ見る。 (えげれすではあり得ない) 街にネオンが多く、夜でも明るい。 (えげれすの街は、質素である(笑)) レストランの数と種類が多い。 (えげれすだと、FISH&CHIPSとパブがあって終わり) 何より夜でも活気がある。 (えげれすの夜は、21:00頃には終わりを告げる(笑)) で、一件のSeafood屋に入った。 氷のプレートが見えたのだ。 ギャルソンがやってきて、 「予約はしたか?」と聞く。 「げ。。してないよ」と言って出ようとすると、 「嘘だぴょーん」と言う。 (そんなニュアンス) うお。えげれすじゃない。 メニューを見ると、当然フランス語。 分かるのもあるけど、わからんのもある。 ああだこうだ言ってると、ギャルソンが来る。 「決まった?」 「まだ。わからんわ」 「よっしゃ、オレが英訳したろ。ちょお、待ってぇな」 (なんや、この愛想の良さは。えげれすならば、しかめっつらをして 「決まったら呼んでください」と言うだろうな) えげれす、ちゃうやんけ。 我々は、基本の、プレート盛りあわせを頼むことにした。 4人いるけど、様子見を兼ねて、とりあえず二人分。 : 我々は、厨房でアホみたいにでかいプレートに、 牡蠣やらエビやらカニやら貝やらを載せているのを見て、 「あんなでっかいもんたのんだん、どこのどいつや」 と言ってたら、それが我々のんやった(笑)。 しかも、一人2000円くらいだけど、2人分を4人でシェアするから、 実質一人1000円である。 (安すぎる。しかも美味そう) 結局、エスカルゴと、ムールと、舌ヒラメと、プレートと、 ワインボトルで3本飲んで、一人3500円くらいだった。 (ちんけなイモとマメで1000円近く取られる国とは大違いや) 各パートには、 エスカルゴ用のひっかけ棒、 カニエビ系のスプーン、 貝引き出し用の針、 等々、小奇麗にディスプレイしてくれる。 シャコなんか、爪がわざわざカッコ良く整えられている。 (コーンとライスとラムステーキとチップスとブロッコリーと 全部一皿に、上から地層のように重ねるのが、夕食の在り方 じゃなかったんだった。。。) おフランス。。。。 ワインは、クーラーボックスに入れてくる。 (勿論白を) いちいちカッコイイ。 うう。 で、非常に満足した我々は、更に飲みたかったので、 別の店に行った。 大体、「店を代えて飲みなおす」って観念がなくなっていたから、 その感覚を思い出すまでみんな、時間がかかった。 「酒屋は開いてないな」 「ワイン、買えないか。。。」 「でも、もう少しのみたいよなぁ」 「でも、売ってないんじゃしょうがないわなぁ。」 「盆栽で聞いてみて、売ってもらおうか」 「でも、人がいなかったし」 「やっぱ、あきらめるしかないか。。。」 「。。。あのさ、ひょっとして、店で飲んでもいいんじゃない?」 「んん??」 「11時に閉まるわけでもなさそうだし」 cf)パブは11時閉店である。 「おお。そうか。外で飲みなおすっての、そういや昔日本でやってたな」 一同「(苦笑)」 で、結局、大満足のうちに、カレーの夜は更けていった。。 翌日、ドーバーに戻る船。 我々は二日酔いと船酔いに苦しみながら、 えげれすに戻ってきた。 行き(ドーバー→カレー)はなかった「入国カード」が配られる。 行きはなかった、パスポートコントロールがある(苦笑)。 当然なかった質問もあり、 なんだかフランスに溶けていた僕の頭は、 二日酔いと船酔いでさらに朦朧としていたようだ。 入管「学生?」 玲 「そう」 入管「何勉強してる?」 玲 「人類学」 ここで、僕の頭は機能停止していたらしく、 入管「難しいか?」 玲 「Ahh、、、a little bit more...」 (笑) なんで、「ああ、、ちょっぴり、もっとぉぉぉ」やねん(笑)。 しかし、フラフラになっていた僕らの目が捉えたものは、 正しいえげれすの風景なのであった。 ドーバーチャンネルを挟んだだけで、 基本的なところは共通していてもいいはずのドーバーとカレー。 しかし、ドーバーの町にあったのは、 「Fried Cod、 Hadock、 Sole、& Chips」の看板のフィッシュバー。 「Real Ale & Cucumber Sandwich」の看板のパブ。 交差点では止まってくれる車たち。 そして、、、皆無の「Seafood Restaurant」。 我々は、何とも言い表せない気分になった。 「えげれすやなぁ。」 「うん。えげれすや、なぁ。。」 「でも、帰ってきたなぁ。」 「着いたって感じ」 そう言いながら、えげれすソーセージのバーガーを頬張りつつ、 何だかほっとした気分になって、帰路についたのであった。 というわけで、 我々にとって、矢張りおフランスは「外国」らしい。 日本が「祖国」には違いないけれど、 えげれすも、そこはかとなく、我々のアイデンティティーに 影響を与え始めてるのかもしれない。 倫敦に到着した我々は、 既に、度重なる保守作業のおかげで、だいぶ遅れていた。 しかも、行きのVictoriaではなく、 帰りは何故かCharing Crossに着いたのであった(笑)。 「おお。何だか懐かしい。テムズだ」 「うお。"sortie"ではなく"way out"って書いてある」 「矢張り、男子トイレは"gents"だよな」 「"litter"。うむ。これやね」 〜〜〜(地下鉄のホームアナウンス)〜〜〜 「Mind the Gap, please!!」 一同「(顔を見あわせ)うむ」 我々はもしかして、えげれす好き?? |
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