えげれす通信 vol.22
「大英帝国ってのは、先進国だったはずだ」 僕は思いました。 今週の月曜は、数少ないこの国の祝日の一つ、 「バンクホリデー」というのがある。 五月は、何と、そのバンクホリデーが二回もあるのです。 そいつは兎も角、 僕は、学校も休みなので、 例によって、小旅行に出かけました。 Hastings。 ノルマンディー公ウィリアムが、11cに この島に上陸したときの、戦いの地らしい彼の地は、 今ではすっかり、リゾート地。 イングランド最大のリゾート&避暑地であろうブライトンの僅か東に位置し、 多くの、ブリテン島の南海岸沿いの街にありがちな、 「砂利浜」「海岸線沿いにある繁華街」「走ってる奴が沢山」 という「リゾート地」でありました。 いいところだったんだけど、 最近の倫敦には珍しく、 それで、えげれすの事情からいくと当たり前だという 奇妙な天候でありました。 つまり、「雨」。 寒かったのね。 僕は本を読みに行ったんだけど、 寒過ぎて、何もする気にならなかった。 で、思ったのです。 「この国は、マルクスが分析した当時、地球上で最高の 資本主義国ではなかったか?」 ご存知の通り、マルクスは、 最先端の経済機構をもつ「Great Britain」を その研究対象にして、 如何に、下部構造たる「経済諸関係」が 「社会関係」を規定するのかを論じた。 結局、文化的な背景だとか、 宗教的な背景だとか、 その他諸々の「上部構造」は、 経済的諸関係のもとに収斂すると考えられたわけですな。 しかるに、この老大国の現状はどうか? 資本主義の、そのマルクスも指摘している本質的な傾向とは 「資本主義的領有法則への転回」であるわけです。 経済関係が、その上部構造たる、文化的あるいは習慣的特性を乗り越え、 根底的に、人間の意識を超越したところで、その行為を決定する。 確かに、それは、説得的言説であった。 然し。 えげれすの現状は、 この老大国の現状は、 とても、先進資本主義のnormを表すものではないのである。 結論は、すごく狭隘なんだけど、要するに、 「富を追求する」という、 資本主義的経済体系にとって本質的な関心が どこか本格的に欠けてると言わざるを得ない。 先日、例の関西弁のキースに話したことは、 「日本は、えげれすと違って、日曜に店を閉めたりはしない」 「どうして?」 「かきいれどきやんか」 「ふーん」 この「ふーん」が曲者なのである。 現状は、ブレアさんの政策に拠ってるんだけど、 仮に、日曜や祝日の、店の営業を許可する法律を作ったとしても、 恐らく、彼らは、自分のスタイルを崩したくないと思うに違いないので、 きっと、きっと、「何も変わらない」のである。 このことは、すなわち、 「資本主義的法則」は、国民性と名づけられるモノのもとには そもそも叶わないということになる。 「どうして、儲かる日曜日に、店を開けないのか?」 と訝しがる日本人は、それだけ、資本主義的価値観に犯されてるのであって、 「どうして、折角の休みの日に仕事をしなければいけないのか?」 と考える(であろう)えげれす人の価値観は、 それはそれで、相対的なものである。 ただし、世界に先駆けて資本主義を完成させたこの国が、 こういう逆の傾向をもつことが、 なかなか面白いんだけどね。 店が休みまくってるHastingusの街は、 結構寂しかった。 僕は、そこで、長いこと捜し求めてた、安いサンダルを 買って、帰ったのであった。 Hastingsは、海辺。 海辺→ビーサン売り→つっかけも多い というわけで、倫敦では考えられないような値段で サンダルを買いましたが、 それ以外の土産がないってのも、変なもんですな。 |
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