えげれす通信 vol.39
例えば、20:50になっても、まだ助さん格さんが闘ってたら、 にっぽん中がざわめくのではないか。 いったい、マンネリというものは、 一度軌道に乗ってしまえば、 大変偉大なものであり、 日本人の心象に深く刻まれているであろう「葵の紋所」は、 決まったタイミングで決まった形で出てこないと、 我々を不安な気持ちにさせる。 あれを見ると、大抵の日本人は、安心するのである。 例えば、「サザエでございまーす」と聞くと、 恐らく大抵の社会人の人は、 「あー、日曜日も終わってしまった。。。」と暗くなりながら、 食卓の魚をくわえるのであろう。 例えば「パトラッシュ」と聞いただけで 目がうるうるってことない? これ、みんな、「反射」的な反応なんですな。 人間の感情ってのは、 ある程度反復的な過程を経ると 自分の中に、内面化されてしまうらしい。 然もこの「反復過程」による反射ってのは、 割と柔軟性のあるものらしく、 別に、多感な幼少時代に経験したものだけとか、 「三つ子の魂百まで」的な厳格さはないらしい。 ロンドン在住の人なら誰でも知ってるミニコミ誌の一つに 「LONDON族」というのがある。 この月刊誌5月号の表紙は、あの「藤井隆」であった。 この月刊誌、僕がロンドンに着いた頃 発刊されたもので、 僕は最初から読んでる一人なんだけど、 この表紙モデルを一般から募集している。 我々の間では、誰か応募しようという話もあった。 最近は、割と有名人が多くなってきた。 坂本龍一とかのときもあった。 で、今回、何故藤井隆かというと、 これが今日のテーマなんですが、 吉本が本日(と明日)、ロンドン公演を行ったのである。 LONDON族では、前もって彼にインタビューを敢行、 今号のメイン企画にしたわけだ。 大体藤井隆ってのは、 昔はめっちゃ下っぱ、 「テレビのツボ」というMBSの深夜番組に ちょこっと出てたのを知ってるけど、 大しておもろい奴ではなかった。 その後、新喜劇に出るようになったけど、 今、一世を風靡してる「オカマ」ネタも、 どっちかっていうと、見ていて「痛い」系。 ま、それは兎も角、歌を出したり、ミュージカルに出たりと 今は日本では売れまくってるそうな。 で、この記事を読んでると、 当の藤井隆は兎も角、 僕にとっては懐かしい名前が沢山出てる。 僕は、大阪暮らし8年間で、 真性の「似非関西人」になるべく、 色々な修行を積んだのだが、 まぁ、誰に聞いてもまず最初に言われるのが、 「新喜劇、見ぃ」 こっちとしても、望むところなので、 早速一年目に、なんばグランド花月(以下NGK)に行った。 当時、確か、「圭修」(清水圭ね)の漫才、 「ちゃらんぽらん」の漫才、 「いくよくるよ」の漫才(その他数組)、 そして、新喜劇は、桑原和男、池乃めだか、内場勝則、未知やすえ、 末成由美、島木譲二、井上竜夫、ってなところは 出ていたと思う。 僕にとっては、漫才はまだ知ってる人たちやし、 何度もテレビで見てるので、 めちゃめちゃ笑えた。 そう、初心者でも。 ただ、新喜劇になって、 矢張り僕は自分が周りについていってないことに気づいた。 はっきりいって、何がおもろいのかわからん。 後で聞いたら、連れが言うことは皆同じ。 「来る、来る、、来る、、、来たぁ!いう感じ」 わからんがな。 何でわかってることがおもろいねん。 然し、環境は人を変えるのである。 いや、環境に同化してしまうのである。 二度、三度とNGKに行くうち、 然も、土曜の昼12時の4チャンネルを 毎週ビデオセットして、繰り返し見るうち、 僕は知らず知らずのうちに、洗脳されてしまっていた。 水戸黄門で、紋所が来るのわかってて、 来た瞬間「よっしゃー」と思うように、 新喜劇のギャグも、 「来る、来る、、来る、、、来たぁーー」 なのだ。 わかってることが、おもろいねん。 僕は、今回、藤井隆の記事を読んでいて、 その当時の名前が沢山出てくるので 懐かしくなっていた。 いや、懐かしいっていうよりも、 名前見ただけで、色々思い出して、 一人でわらけていた。 僕の先輩で、当時僕にこう言っていた人がいた。 「めっちゃおもろい奴はな、名前聞いただけでわらかしよる」 ほんま、そうなんやわ。 記事に「辻本」と名前があれば、 辻本「こんちわ」 桑原「あらまぁ、初対面やのに、この人無作法やわぁ」 辻本「何がですのん」 桑原「何がって、あんた、無作法やっていうてんねん」 辻本「だから、何がですかっていうてるんですわ」 桑原「あんた、なんやのん。しゃべりながらパンくわえて」 辻本「パンなんかくわえてないですよ」 桑原「くわえてるやないの。ほらここに、、、」 そう言って、桑原、辻本のアゴを触りもって 桑原「アゴや。。。」 (註:辻本茂雄はアゴが出てる) と、一連の画像が自動的にアタマに浮かぶ。 更に、 桑原「(アゴや。。。)」 辻本「何でヒソヒソ声やねん!」 というヴァージョンも出てくるし、もう大変。 #字面で説明するのは興ざめやねぇ。。。 とまぁ、この調子なので、 この「似非関西人」も、 吉本の笑いの回路が、既に「反射」の域に達したと見える。 その吉本が、ロンドンに来るのである。 然も、面子が凄い。 最近では、ベテラン勢は出なくなってきてるし、 出たとしても、ベテラン勢同士の絡みは見られなくなってきてるから、 (出演) 間寛平 内場勝則 辻本茂雄 池乃めだか 島木譲二 末成由美 島田珠代 中山美保 井上竜夫 未知やすえ 藤井隆 ジョニー広瀬(マジック) トミーズ健・トミーズ雅(漫才) の布陣を見たら、是が非でも行きたくなってきた。 だって、この名前見ただけで、 誰と誰がどうするか、わかるやん(笑)。 いかなしゃーない。 さて、前売り自由席だったので、 一時間前くらいでええかなと思って、 それまでパブで一寸飲んでから、 会場の前まで行った。 すると、そこは、さながら、 うーむ。なんやろ。 「行列のできる店」 うーん、ちゃうな。 「行列のできるラーメン屋」 変わってへんやん。 「WINDOWS95発売」 似てるけど、並んでる人種がちとちゃう。 人種的に言うたら、 NGKの開園前の行列から、 「団体のおばちゃん」と 「仕出し弁当持ってるおばちゃん」と、 「551の豚マン持ってるおばちゃん」と、 「たこ焼きの舟を持ってるおばちゃん」を 差し引いたくらいの感じかな。 ほんでも、ちょこちょこおばちゃんはおんねんけどね。 列の長さでいうたら、 ほんま、WINDOWS95みたいなもんやね。 で、後ろには、通天閣の代わりに「ビックベン」。 ここ、どこやねん。 いやはや参った。 予想はしていたけど、 一時間前で、既に200人は並んでたね。 で、当日券は売り切れ。 僕らの位置は、会場入りしたときの列の中で言うたら、 半分より一寸前くらいやから、 どんな凄いかわかるでしょう。 然も、案の定、というか、 殆どが日本人。 聞こえてくるのは関西弁。 思うに、客層は、大きく、 「吉本経験者」 「吉本初心者」 に分かれるけれども、前者は、まず、 このツアーの詳細を見たとき、 こう思うでしょう。 開場 19:00 開園 19:30 自由席 £20 指定席 £40 「誰が指定なんて買うねん。倍やないの。そんなん、吉本かて、 『売れたらもうけもん』と思ってんねんで。自由席に決まってるやん。 ほんで、みんな自由席買うから、一時間以上前に行って、 並んどかなあかんで」 後者は恐らく、 「えっとぉ、やっぱり落ち着きたいから、指定席とりましょう。」 「私は自由席でいいんだけど、19:00開園って書いてあるし、 10分前に行ったらいいかなぁ」 果たして、僕の付近に並んでる人間は、 ほぼ関西弁トークを繰り広げ、 開園間近に来る人たちは、 標準語でしゃべっているのである(笑)。 それにしても、この日本人の数はどうでしょう。 ロンドンピカデリーには、 その名も「Japan Centre」という チケットから食料品まで、 まぁ何でもあるところがあって、 そこは完璧日本なんだけれども、 今日のあの日本人率は、その比ではない。 タクの運ちゃんは振り返り、 BTのエンジニアは口笛を吹き、 隣のパブで飲んでるおっちゃんはめっちゃこっちを見てる。 奴ら、きっと、こんなに沢山の日本人を見たのは 初めてに違いない。 実際、そこここで、 「や、加藤さんやないですか」 「あ、部長さんも来てはりますよ」 と挨拶を交わす背広組とか、 「せんせ、この列、自由席みたいやでぇ」 「あっちちゃうん?」 とあちこち走り回る小学生とか、 「あんた、きとったん?」 「あんたこそ」 と言う普通の学生とか、 まぁ、辺りはさながら社交界のパーティー会場のような 観を呈してきた。 ロンドン中の日本人がここに集まってるんではないかと思ったけど、 知った顔には二人しか会わへんかったから(←会ったんかい)、 ロンドンってのは、めちゃめちゃ日本人がおるんやなぁと 感心してたわけですな。 終いには、 「お、あっこにガイジンおんで、なんでおんねん」 みたいなノリになってきたことは言うまでもない。 さて、開場。 重厚な内装と、ドーム型の天井。 パイプオルガンがあり、 壁には彫刻が多数。 とっても趣のある建物。 ここは教会なのだ。 中央特設ひな壇には幕が張ってあり、 その横には、「吉本」の字と共に「くいだおれ人形」の絵がある。 くいだおれ@教会 まぁ、アリやろ。 会場は瞬く間に埋まり、 立ち見は出なかったけど、 完璧満員状態。 凄いことや。 19:35くらい、ここに吉本 in LONDONの幕が切って落とされたのである。 しょっぱなはトミーズの漫才。 掴みは大事である。 流石にトミーズ、雅は冴えていた。 こてこて、基本形のどつき漫才で、 会場は盛り上がる。 「いやぁ、うちら結構心配してたんですわ。3割くらいは外人さんやろって」 「ハハ。どこがやねん」 20分強の漫才に続き、 今度は、ジョニー広瀬のマジック。 NGKなら、ここの部分は結構息抜きタイムやねんけど、 ジョニー広瀬やったら、おもろいことやってくれるやん。 特に子供たちにウケが良かったようですな。 鳩を出して、バタバタさせてから、わざと落として、 「いや、エサいらん鳥ですねん」 とか、 色々なものを出して客席に投げる 等の基本ネタをこなし、 無事終了。 帽子の中から出した林檎が、 えげれすの代表種「COX」だったので 僕は個人的におかしかった。 さて、そこからが真骨頂。 新喜劇である。 今回のは、作・演出ともに寛平だというので、 これは楽しみや。 めっちゃ珍しいがな。 ここではあらすじは書きません。 興味のある人は、後でテレビを見てください。 何でも、今日の新喜劇は、 6月4日に、読売テレビ系で放映するらしいので。(15:30から90分) ただ、オレを探さないように(笑)。 一部には有名な「ムラシャツ」だったけど(笑)。 さて、今回の新喜劇は、NGKのとは違って、 まず人数が少ない。 若手がいないので、最初からどんどん大物が出てくる。 然も、トータルが一時間半以上ある(三幕)。 なので、各人の持ちネタがかなり出てくるし、 絡みもひっぱるひっぱる。 ライトが点いて、まずそこにいたのは島田珠代。 旦那の内場勝則との絡みで、会場は爆笑である。 矢張り珠代の絡みは分かりやすい。 その後、杖をもって、寛平登場。 決まりの、池乃めだかとの絡みもかなりひっぱる。 然し、間延びすることなく、 適当な間隔でギャグが入るので、 退屈はしない。 いや、今回の演出は相当上手かったと思う。 それにしても、ネタがおもろいのはええねんけど、 観客の反応も、これがまた、結構おもろいのだ。 というのは、上で分けた分類を、もう少し細かく言うと、 「主に関西系の吉本経験者」 「主に非関西系の吉本初心者」 以外に、もう一つ、 「多分吉本なんてさっぱり知らないんであろう、 海外暮らしが長い駐在員の子供たち」 というカテゴリーがあるんやね。 僕は、似非ながら「反射」の域には達してるという自負があるので、 (いや、そんな自負がなくても関係ないんだけど)、 例えば、 内場・珠代夫婦の父親である寛平が海で遭難の報を聞いた珠代が、 珠代「あなたー、大変よぅ」 内場「どないしてん」 珠代「お父さんが、事故で亡くなったって。。。」 内場、無言無表情で立ち上がる。 内場、無言無表情で隣の部屋に消える。 内場、無言無表情で再び隣から現れる。 内場、無言無表情で湯呑みを持ってテーブルにつく。 内場、無言無表情でお茶をすする。 内場「・・・えぇぇーーーーー?」 (爆笑) なんていうのも、最初に彼が立ち上がったときから こっちはもう笑ろうてるわけよ。 あるいは、めだかが背広を脱いで猫をやる前、 ネクタイもったら、やることは一つ。 「オレの背とおんなじや」 (註:池乃めだかは、身長149cmのおっさん) これも、何度も見てるけど、 矢張りネクタイ取ったときから、既に笑けてる。 そういう「漏れ笑い」があちこちから聞こえてくるということは、 それが、このカテゴリーの第一、つまり「経験者」なんやろね。 で、第二のカテゴリーはどうなるか。 これが一番明確なのは、どこか。 言うまでもなく、藤井隆である。 最初に一人一人現れるときに 拍手・声援が上がるのは当然として、 矢張りそれは、人気と実力と、あとはタイミングによって、 その量が異なるんだけど、 彼の出てきたときといったら。。。 まぁ、なんちゅうか、 「黄色い声」とでも言うんでしょうかねぇ、 まぁすごかった。 全く以ってにっぽん人やなぁ、と強く感じた瞬間でありました。 さて、第三のカテゴリーに一番人気だったのは何か。 この答えは、一番最後に言うことにしましょう。 新喜劇自体は、大方の顔見世が終わり、 各々の絡みに入っていった。 寛平(猿)とめだか(猫)の絡みは、 かなりの時間を取って繰り広げられ、 僕は涙で前が見えんほどに笑ったが、 最後にあのキメを、然も教会でやる。 交尾@教会 ま、いいでしょう。 猿の寛平が、猫のめだかにバックから刺し、 めだか、果てる。 イく@教会 まぁね。繁栄の為(笑)。 辻本がやってきて、珠代と絡む。 珠代「あーん」 辻本「なんやねん」 珠代「ああーん」 辻本「ぶっさいくやのぉ、お前誰やねん」 珠代「うーん、ああーん。好き」 辻本「やめい」 珠代「あーん、うーん、いやーん。チーン」 辻本「お前、旦那の前でチーンはないやろ。はよこっち来い」 珠代、壁へ。激突。 珠代「オトコなんて、シャボン玉」 (爆笑) チーン@教会 ええやろ(笑)。 それにしても、言葉で説明するほど興ざめなことはないねんけど、 一応知らん人の方が多いと思うからなぁ。 いやはや、是非とも、テレビを見てくださいな。 島木譲二は、いかつい顔をした役者であり、 もとMBSの警備員をしてたという経歴を持つ。 彼のギャグ(言う方)は基本的におもろない部類に入るのだが、 やる方のギャグは、まぁ吉本を代表するものといっても 差し支えないくらい有名である。 ご存知の「大阪名物パチパチパンチ」。 #流石にこれを説明するのはやめます(笑)。 彼は、内場に絡ませるとおもろい型ができあがる。 今日もそうやった。 島木、やってくる。 内場、それに気づき、そぉっと忍び足で部屋の隅へ。 珠代、同じくそぉっと忍び足で部屋の隅へ。 内場、ゆっくりひっそりうつ伏せに。 珠代、ゆっくりひっそりうつ伏せに。 もうこの瞬間で既に笑ってんねんけど、 これが、まぁお決まりの 「熊や、死んだフリせぇ」 ってわけやね。 (註:島木譲二は、熊に似てるといつも絡まれる) さて、彼は、パチパチパンチをやってみせた。 島木「よぉ見てみぃ。これがロンドン名物、パチパチパンチや」 パチパチパチ 内場「そんな、正面だけやらんと、左のお客さんにも見せな」 島木「よっしゃ、ほんなら」 パチパチパチ 内場「そんなん言うたら、右のお客さんにもせな」 島木「よぉ見てや」 パチパチパチ 内場「二階にもお客さんいてんねんで」 島木「パチパチパンチやぁ」 パチパチパチ 内場「次、三階」 島木「やったんでぇ」 パチパチパ・・ 内場「あ、三階あれへんわ」 くーーー。ベタや(笑) 案の定、次があった。 内場「どないなきっかけで、それ、やろう思いはったん?」 島木「どないもこないもあれへんがな。会長(寛平)が好きやったんやー」 内場「あ、そう。ほんなら、もうええからあっち行って」 島木「いや、まだやねん。会長の好きやったん、まだあんねん」 内場「なんやねんな。はよやって」 島木「これが、ポコポコヘッドや!」 彼は、灰皿を二つ出して、頭にポコポコぶつける。 ここまできたら、最後にもう一つやるでしょう。 島木譲二は、大きな紙袋を持ってるし(笑)。 島木「最後にもう一つ。カンカンヘッドや!」 はっきりいって、これはまぁ、「おつけもん」みたいなもんで、 ないとなんか寂しい。 でも、主食では決してないもんなんで、 三つも見ることはあまりないねんけど、 今日はロンドン公演ということで 張り切ってはるらしい。 見るほうも、所詮「たくあん」みたいなもんと思って見てんねんけど、 何と、ここで一番反応したのが、 先ほどの、第三のカテゴリー。 つまり、子供たちは、とっても喜んでいるのである。 矢張り、視覚的にわかりやすいのか。 「カンカンヘッド」の「カンカン」は、 料理屋が使う油が入ってるもん、みたいな 四角い、カネで出来た缶。 叩けば潰れるけど、柔らかいものでもない。 彼は、汗だくになりながら、それを頭にぶつけ、 そのカンカンをベコベコに潰して見せた。 子供たちは大はしゃぎ。 なんちゅうか、島木譲二であんなに拍手歓声が上がったのは、 僕は見たことがない(笑)。 島木譲二の方も、若干面食らってる様子やし。 例によって、内場が突っ込む。 内場「そんなん、その平らなとこやったらできるやろけど、 その角のとこでやってぇな」 島木、ひるむ。 内場「なーんや、でけへんのかいな」 島木「よっしゃ、やったるわい」 島木、構える。 僕らは結末を知ってるし、 知らんでも、まぁ大体予想はつくけれども、 純真な子供たちは、本気で心配する。 会場、悲鳴。 思えば、この悲鳴も、NGKではありえんわな。 すかさず、 内場「そんな、やれへんって」 (爆笑) 島木「やったるで」 再び構える。 会場、再び悲鳴の嵐。 僕は、悲鳴が微笑ましい(笑)。 島木、やるフリをして、寸止め。 島木「でけるかい!」 彼が舞台から袖に下がるときのあの歓声を 僕は忘れることが出来ないのである。 子供たちにとっては、 大変印象に残ったらしい。 彼らは、この先、外国を転々と移動し、 ニッポンの心象風景をあまり持たないままに 大人になっていくのだろうけど、 小さい頃に見たポコポコヘッドの 一寸怖いおっちゃんの絵は、 心に深く刻まれたのではないかな。 長丁場の新喜劇も無事終わり、 そこにはかなりのアドリブがあったことからも 恐らく彼ら自身が乗ってきたんだろうと思われるような 大変によい出来であった。 後説で、内場が言った、 「いや、大阪より、お客さんの反応よかったですわ」 という言葉は、あながちお世辞ばかりとは思えないくらいの 会場の盛り上がりやったと思う。 こっちも、体しんどいくらいに笑かしてもらったし。 寛平曰く、 「一寸見たところ、大体日本のお客さんやねんけどな。 でも、あの外人のお客さん、ずぅーーっと笑ろぉてはんねん。 わかっとんか?」 辻本続けて、 「でもこっちの外人さん、ずぅーーっと怒ってはんねん」 そら、猿猫@教会は、ガイジンにはタブーやろ。 いろんなとこで、怒られてはるらしい(笑)。 そう。ほんまはね、僕もなるべくガイジンを見つけて、 その反応をネタに、通信を書こうと思ってたんやけどね。 いかんせん、日本人だらけやったんで。 大満足のうちに、幕が引け、 皆が出口の方へぞろぞろ移動しかけたとき、 ふと舞台を見ると、島木譲二がそっと現れた。 手に持ってるのは、あのへこんだカンカン。 彼は近くにいた若者にそのカンカンをプレゼントした。 それを見ていた、僕の近くの小学生くらいの女の子。 とっても欲しそうに、目を輝かせて、 「いいなーーー」 僕は、何となくあったかい気持ちになって、 会場を後にしたのであった。 |
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