えげれす通信 vol.54

えげれす通信vol.54 ■鰻■ 28th/Feb/2002

これは、日本に帰国中に書いたものです。
この後は、フィジー通信へと繋がります。
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僕は、NHKの深夜(というか明け方)の番組、
例えば、映像系、自然生態系、歴史散歩系などの番組が結構好きなんだけど、
よくありがちな、紀行系で、イギリスというのは割と頻繁に出てきます。
おととい何となく見てたら、ロンドンの話をやってて懐かしかった。

最初はどこの話かわからず、
画面をじっと見てると、
英語をしゃべってる。
そして、なんとなく、アメリカっぽくはないから、もしやと思ってたら、
やっぱりロンドンでした。
決め手は、おっちゃんが作ってた「鰻ゼリー」。

それは、各国の伝統料理にスポットを当てて、
その周りの人間模様を描くという趣旨の、
ありがちな紀行系だったんだけど、
作ってる料理が、鰻であった。

日本人なら、躊躇無く、

鰻→蒲焼

という構図が浮かび上がる。
そこには何の疑問も無く、
あとは、関東は背開き/関西は腹開きだとか、
白焼きか蒸し焼きかとか、
名古屋のひつまぶしがどうのとか、
まぁそういった話になるんだろうけど、
この番組では、料理人(といっても素人のおっちゃん)が、
鰻を、あろうことか、ブツ切りにしてる。

どうするんだろうと興味津々で見てると、
次ぎに彼は、日本で言う「煮こごり」みたいなものを作り始めた。

ここで、僕は、はたと膝を打った。
「あ、ロンドンや!」

これは、ロンドンはイーストエンドの名物料理、
「Jellied Eel(<鰻ゼリー>と訳してたけどこの訳はどうだろう?(笑)」
に違いない。

ロンドンは昔、その中心は今の金融街「City」であった。
だから、今の中心、ソーホーの辺りは、
昔は西の果てだったので「West End」と呼ばれてた。
逆に、テムズの河口よりの地域は「East End」と呼ばれ、
いわゆる下町がこの辺りであった。
生粋のロンドンっ子はこの地域に生まれ育ち、
独特の下町言葉をしゃべる。
辺り一面には「お好み焼き屋」かなんかが立ち並び、
だんじりかなんかを曳いたりする。
演芸場とかで漫才とかやってたりする。

・・・おいといて、

とにかく、そういう下町であるイーストエンド、
下町訛りは「コックニー」と呼ばれ、
文化も食べ物も独特なんだけど、
その代表が、この「Jellied Eel」なんですな。
だから、あんまり、観光客相手のレストランでメニューにのっかることもないし、
はたまた、イギリス人でさえも、食べたことが無い人も多いはず。

僕は、というと、「未知の食べ物はとにかく食べてみよう会」の会長だけに、
あるスタンドで見つけたとき、食べたことがあります。

かき氷を入れる容器の小さいのみたいなのに入れる姿は、
おとといのNHKでも映ってたから、正統なんでしょう。
それに、スプーンがついてくる。

味は、、、
「やはり、ここはえげれすやねぇ」としみじみ感じ入るほど、
塩味がきいてなく、
「やっぱりここはえげれすやねぇ・・・」と誰かにツッコミたくなるほど、
でかい、塩と胡椒の容器が無造作にスタンドにでている。

要は「as you like」というとこなんだろうけど、
これは一見すばらしそうで、
その実は、料理としての味付けがほとんどなされていないということ。
何でもかんでも「塩胡椒」で食べるえげれす。
良く言えば「素材の味を生かした調理法」。
然し、、、あれは、「料理」と言えるのだろうか・・・?

僕の食べたのは、小骨が取りきれておらず、
なんとも食べづらかったんだけど、
僕も、当時、えげれす暮らし2年を経ている身。
こんなことは予想の範疇である。
おちゃのこさいさい。
オレをなめんなよ。

僕は、懐から、余裕をかまして「My 箸」を取りだし」、
さらに小ボトルに入れなおした「世界のキッコーマン醤油」も取りだし、
塩胡椒の「えげれすテイスト」に、和の心を注入してみた。
それで少しだけ奥行きが広がったから、なんとか食べられました。

とかとか、文句言ってるけど、
けなしまくってるえげれす料理でも、
やっぱり3年もいて何度か食べてるわけで、
実は、ちょっとだけ恋しくなってます(笑)。
そう、僕は、イギリスは好きやから(笑)。

かの、素人料理人のおっちゃんは、

「ん〜ん・・・、やっぱりこの味やねぇ。。。」

としみじみ言い、
恍惚の表情を見せながら、番組は終わった。
これぞえげれす!(笑)。

註)順番からいくと、この後は「フィジー通信」へと続きます。
そちらを見たい方は、右下のタイトル一覧からどうぞ。


 



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