えげれす通信 vol.55
僕にとって怒涛の8月は終わり、 今日から9月です。 (因みに2002年現在フィジー在住) いやはや、こんなことになるとは思ってもいなかったけど、 何はともあれ、僕にはまた、日常が待っている。 そう、現在の僕にとって、 日常とは、電気の無い村での生活(笑)。 汚い海しかないスバでの生活。 「夏」休暇(南半球なので「冬」だけど、どうしても8月に「冬」という単語は結びつかない)で、 マナ島リゾートに行ったのは8月中旬。 あそこで、本当の「ミナミノシマの海」を体験して、 同じフィジーなのに、「非日常」を痛感したのも束の間、 戻った僕には、非常事態が待ち構えていた。 やんごとなき理由により、即日渡英。 フィジーからえげれすは、実質飛行時間は22時間。 直行便は飛べるはずの無い距離で、 今回は、LA乗り換えの経由便になった。 空港までとか、待ち時間とか入れると、 軽く24時間を越えるわけ。 これはまさに、「死のロード」だ。 久方ぶりのえげれすは、 変わってるところもあり、 懐かしさもありで、 なかなか楽しかったなぁ。 想い出の街を歩き、 想い出の店を訪ね、 想い出の食事を愉しむ。 今回の渡英目的であった「非常事態」は、 何と、僕が機内で昏々と眠っている間に、 僕の知らないところで解決してしまっていた。 トランジットのロスでネットカフェに入り、 それを知った僕は一気に脱力。 渡英する必要がゼロになって、 然もそれを知ったのは、ロス。 今からではキャンセルするわけにもいかず、 然し、目的が無くなってしまった。 そこで考えたのは、「いまさら観光旅行」としての渡英。 だって、それしかないやろ。 そう思っていた。 自虐的に(笑)。 でも、ロンドンに着いてみて、 「生活」に根ざした行き先を、 別にあれこれ思案したりせずに、 さくっと行ける自分を感じた時、 やっぱり「観光」ではあかんなと思った。 メガネのフレームが曲がってしまったので、 眼鏡屋に行くとか、 旨いチップス食べたいからあそこのパブに行くとか、 旧式ダブルデッカーバスに乗りたいから、 あそこのSTに行こうとか、 まぁ、言ってみれば、「歩き方」のいらない感覚は、 一年ぶりとは言え、健在だった。 そこで、方針変更。 渡英目的を「日本酒と和食」に切り替えた。 #切り替えんでも、どうせするやろ、というツッコミは法律により堅く禁じられております。 日本酒や日本食材を「お持ち帰り」するのは、 何も「日本から」じゃなくても良いわけだ。 「あるところ」から「ないところ」へ持ちかえる。 だとしたら、「ある日本」から「あまりないえげれすへ」もアリだけど、 「割りとあるえげれす」から「これっぽっちもないフィジーへ」もアリ。 そう思った僕は、 滞英中は、一度も行かなかった、「ジャパニーズレストラン攻撃」を開始した。 とんかつ、焼肉、カツどん、カレー、てんぷら、そば、うどん・・・。 このへんは、確かに心惹かれるものがあるけど、 冷静に考えれば、自分でなんとか作れるものだ。 フィジーに於いてさえも。 だから、僕は、自分で作るのは難しい「ラーメン」を重点爆撃することに。 うーん、結果から行くと、 「ばり感動」のラーメンにはめぐり会えなかったけど、 それでも、僕の欲求はほぼ満たされた。 残るは、日本酒と刺身。 #いつもそれやろ、というツッコミはフィジー憲法にて罰せられます。 倫敦一日目は、B&Bだったので、 倫敦時代、よく行っていた「オリエンタルシティー」にてゲットした日本酒&刺身をいただく。 一人乾杯の倫敦の夜。 翌日から、シェフィールドというイングランド中部にある友人宅にお世話になった。 この家は、「お客様のお好きなものを食させる」という「極悪賄い付き」の家なので、 客である僕の好きなものを、自ら「賄わ」なければならない(笑)。 僕としても、えげれすの食材が懐かしいし、 料理自体好きなので、 滞在期間中は、好きなように作らせていただきました。 第一夜。 サラダ、肉じゃが、茄子田楽、オニオンスライス、福神漬、オリーブ&チーズ、スモークサーモン。 第二夜。 サラダ、トマトとチーズのオムレツ、サーモンのブルーチーズ和え、とんかつ、オリーブ、福神漬。 第三夜。 鶏とジャガイモのクリーム煮、オリーブ、もやしのからし和え、スモークサーモンの海苔巻、 鱒の塩焼き、バジルポテト、サラダ、隠元の大蒜炒め。 第四夜。 サラダ、かつの卵とじ、えびしんじょ、鶏とジャガイモのクリーム煮(再ローテーション)、 白菜の炒め物、茄子の味噌炒め、ほうれん草のおひたし、冷やしトマト。 一体、ここは何処? そう思わない?(笑) 日本語の会話を存分に楽しみ、 日本の歌の生ライブ(歌声喫茶?←オレはそれほどトシではない。念の為(笑))、 日本酒は、僕が倫敦から背負ってきた(かつぎ屋)、一升瓶2本。 いやはや、似非日本を満喫しましたわ。 シェフィールドでの最終日、 僕は、うちの大学に顔をだし、 僕の指導教官に挨拶。 ランチでも?と言ってくれたので、 二度目の彼の家に行った。 大学から歩いて5分くらいなのね。 奥さんがいるのかと思いきや、 外に出てるとかで、家には誰もいなかった。 教授が自ら、トーストを焼き、 ローストビーフをスライスし、 パテを出してきて、 セロリ丸ごと(これを直で齧るわけだ(笑))を皿に乗っけて、 中庭のテーブルにセッティング。準備はOK。 中庭には、素敵な花の数々が咲き乱れている。 うーむ、なんて「えげれす的」なランチなんやろ。 この、「セロリ丸ごと」ってのが、 何とも「懐かしさ」をそそるんよなぁ。 彼らは、良く言えば「素材の良さを愉し」み、 悪く言えば「それに工夫を凝らす事をし」ないで、 ダイレクトにモノを食う。 特にランチ時なんて、 公園のベンチで、「ダイレクト人参」を袋から出して、 おもむろに齧って、それでランチが終わり(!)、 なんていうOLを見たりする。 その帰り道、この時はレンタカーだったので、 久方ぶりに、中部えげれすの代表的な地形である「dale」を、 思う存分満喫しました。 勿論そこには、やっぱり「奴ら」もいた(笑)。 いやあ、えげれすって、こんなに綺麗やったんか! 元々好きな国だけど、 今回、改めて再認識。 途中、田舎パブが何軒かあって、 見るからにええ感じだった。 晩飯をどこかで食べないといかんので、 そのうちの一軒に入った。 パブメシは、僕は実は、かなり好きで、 然も、カントリーパブのパブメシは、相当イイ。 車だから、ビールを飲めないのが辛い。 でもまぁ、ハーフパイントだけ飲む事にする。 そして、何を食べようかなぁと思って、 メニューをしばし睨む。 結局、「全部自家製の材料を使ってる」という言葉に惹かれて、 ラムのステーキを頼んだ。 「焼き方は?」 「レアで」 「チップス?それともポテト?」 「(ポテトって何やねん?)え、ああ、チップスで」 「サラダ?それとも野菜?」 「(だから『野菜』って何やねん!)サラダで」 でも、わかるんだよなぁ、この感じ。 彼らにとって、「チップス」じゃない芋は、「その他の芋=芋=ポテト」になるんだろう。 野菜を殆ど食わない彼らにとっては、 「サラダ」でも「ベジタブル」でも大差はない。 多分、後者は「温野菜」のことだと思うけど、 えげれすで「温野菜」を食べることのリスクは十二分に心得てるつもり。 (「茹でる」んじゃなく、くたくたになるまで「煮て」ある) カントリーパブでは、 「旨い!!!!」っていうようなものはなかなか無いけど、 「あ、旨いかも」レベルならかなり頻繁にある。 ネス湖の傍のパブで食べた「鹿肉のキャセロール」は絶品だった。 でも、ああいう、「珍しいもん」にお目にかかるのは稀で、 通常は、決まりきったメニューしかないんだけど。 それでも、出てきたものを見て、 僕は結構満足した。 旨そうだし、何より、盛り付けにも、 「多少」の気を遣ってあるやないの。 えげれす人って、何でも「積み重ねる」人たちだからねぇ。 「掘り出さずに」、色々なものを平面的に食べられるという、この風景。 えげれすでは珍しいぞ。 肉は、、、まぁ旨かった。 ソースは、とても旨かった。 チップスは、これも久々で旨かった(然し矢張り多すぎる)。 然し、サラダは・・・。 なんか、急激に思い出したね。 この国では、「素材の良さを活かして食べる」っていう法則を。 そう、サラダにドレッシングなどというものは無いのだ。 塩のみ。 この、「何にも工夫を凝らさない野菜丸ごと攻撃」には、 久々だったこともあって、多少のボディーブローを受けた。 えげれす最終夜は、倫敦の友人宅。 ここでは素晴らしい、日本酒と和食三昧のおもてなし。 #「も」と言わんかい!というツッコミをすると、 どこでもドアでイラクに連れていかれます。 「ほぼ毎日日本酒+確実に毎日和食」の、 「死のロード」改め「天国への道」はここに完了した。 ・・・それって、死んでるやん。 そうではなくて、 非常に満足した僕は、 こんな言葉が漏れてしまった。 燃え尽きちまったぜ・・・真っ白にな・・・。 ・・・やっぱり死んどるやないか。 とにもかくにも、 えげれす最終夜も、 和食+酒を満喫した僕は、 なんと、出発の朝、朝食に茶蕎麦まで出て来るという、 ここの家の至れり尽せりのサービスに舌を巻きながら、 そして、プチ二日酔いの胃を軽く宥めながら、 「似非にっぽんの正しい朝の姿」を実践したのであった。 #ソルマックがあれば完璧だった。 ヒースローでは多少の荷物のトラブルがあった。 BAのカウンターは10くらいあり、 そこまでは客は一列に並ぶ、えげれすお決まりの方式。 僕の左斜め前には、なかなか綺麗なおねえちゃんがいた。 誰になるかなぁ。 あのおねえちゃんがええなあ。 そう思ってると、何とそのおねえちゃんのところになった! 然し。 僕は、一年ぶりだったので、 えげれすの大事な法則の一つを忘れていた。 その法則とは、 「えげれすの若いおねえちゃんは融通が利かず厳格である」の法則 おばちゃんは、なんとも気優しくて、親切なんだけど、 おねえちゃんは、どうにもお堅く、「取りつくシマの無い」人が多い。 この、綺麗なおねえちゃんは、微笑を湛えながら、 僕が今だ嘗て言われたことの無い台詞を吐いた。 「手荷物の重量が10kgで超過です。貴方はこれを預けなければならない」 慄く僕。 今まで、同じバックで何度も乗ってるけど、 そんなことは言われた事が無い。 「・・・来る時は大丈夫だったんですが」 「然し、規則ですから」 ねえちゃんの微笑が、般若に見えてくる。 こういうときの「えげれすねえちゃん」は、 融通の利かないことこの上ない。 「なんとかなりませんか?家では子供がお腹を空かせて泣いて待ってるんです」 「規則ですので。もう少し空腹のまま待ってもらっていただきます」 泣き落としも利かない。 「おら、ねえちゃん。行きは大丈夫で帰りはあかんて何事や。ややこしいこと言いな」 「おら、にいちゃん。規則は規則やっちゅうねん。がたがた言うと、テムズに沈めんど」 脅しも利かん。 実際問題、これはかなり困ったことなのだ。 僕の荷物の重量のうちの大部分は、 ・パソコン ・日本酒一升瓶 ・焼酎720ml この3品だけは、何としても持ちこみにしないと。 然し、ねえちゃんは、持ちこみは6kgまでだと言う。 なんか、6.1kgでも「あかん」と言いそうな感じだ。 然も困った事に、僕は、めちゃめちゃ軽装で来てるので、 機内預け用の、頑丈なトランクが無い。 鍵もついてないし、大体、中身が飛び出す怖れがあるバックだ。 これは、バックを買うしかないのか?! 一応、念の為、機内持ちこみにするリュックの中に、 上の3品「のみ」を入れる。 他は全部、もう一個のカバンに入れた。 そっちを預けて、この「命より大事な3品」だけは、 何とか般若から守らねばならない。 般若が敵ということは、 スケバン刑事の浅香唯も敵だということか(わからんか(笑))。 またまた列に並びなおした。 僕は不安で一杯。 頭の中には、 「必殺運び人vs帰ってきた風間三姉妹 with 萩原流行(般若)」 というテロップが流れる。 これで駄目だったら・・・後はもう、 必殺の、 「一升瓶ペットボトル入れ替え作戦」 そして、後は、究極の、 「飲んで減らす作戦」 しか残ってないやないか。 列で前にいた客が、何と、あのねえちゃんのポジションに入っていった! ねえちゃんは、瞬間、僕を認めると、「般若の微笑み」を返した。 僕の第一の危機は去った。 僕の番になった。 ポジションには、「正しいえげれすのおばちゃん」。 おばちゃんは、常に微笑みを絶やさず、 親切に溢れる態度で、チェックインを済ませてくれた。 勿論、手荷物にクレームつけるなどということは無しに。 矢張り、こういうときは、おばちゃんに限る。 帰りのBAは、大したトラブルも無く、 今度は、座席のテレビも壊れていなかったから(苦笑)、 映画を2本見ることができた。 (行きのBAは僕の座席のテレビが壊れていた。It's very British!!) うち、1本は、スパイダーマン。 あれって、英語で見ようが、アラビア語で見ようが、 言語に関係なしで、大体理解できるストーリーだったから、 なかなか面白かった。 そして、もう1本は、えげれすの映画で、 シーンにいちいち出てくるえげれすの日常風景、 例えば、ゴミ箱の形だとか、銀行の窓口のシーンだとか、 そんなのがいちいち懐かしかった。 そういや、今回の機長はなかなか気が利いていた。 離陸して少し経った頃、 「あと2時間もすれば、当機は、グリーンランド上空を通過します。 もし、"天気が我々に味方したなら"、素晴らしい景色を見ることができるでしょう。 グリーンランドの氷河は、私のお気に入りの景色の一つでもあります。」 "If the weather is kind to us," なんて表現、さらりと使えるようになりたいもんだ。 そして、2時間後。 僕は今日は窓側を取れたので、 ブラインドを上げてみると・・・。 そこには、夢にまで見た、グリーンランドの氷河が、 まさに眼下に広がっていた。 どこまでも続く、白い平原と山稜。 もう一つの夢だった、 スカンジナビアの北極圏に行った今は、 残るもう一つの夢、 グリーンランドには、矢張り行かねば。 ロスに着いて、預けた荷物も無事で一安心。 入管自体は何の問題も無かったけど、 係官が、僕の航空券(搭乗券じゃなく)の日付のミスに気付いた。 フィジーで「当日便即日発券」という離れ業をやってのけた代理店が、 一つだけ問題があると言っていた。 それは、QFで発券された航空券を、FJに変更するということだった。 このフライトは、QF、AA、FJの3社コードシェアなので、 席が取れていれば何の問題もないんだけど、 ビザの関係で、QFからFJのコードに変更しなければならなかったのだ。 それが上手くいったので、 手書きで、「FJ」と書かれた修正シールが、「QF」の箇所の上に貼ってある。 ところが、入管の係官が、 「いつフィジーに行くんだって?」 「いや、今晩ですよ」 「だって、ここ(のシール)には、31日と書いてるよ。今日は29日だ」 「げ!ってことは、僕はロスに2泊しなきゃならないということ?」 「さあ。エアパシフィックに行って、確かめてきたらいい。この上の階だから」 なんてこった?! もし、これが、航空券の予約ミスなら、 僕は今回、リコンファームをしてないので、 最悪、本当に、ロス泊になるぞ。 でもまぁ、急ぐ訳でもないから、 その時はその時、 軽く、「ビバリーおヒルズ」でも流そうかと思いつつ、 「最後の難関」税関へ向かう。 僕の背中には、「眞澄純米吟醸」1.8l、「泡盛島唄」720mlがある。 僕は咎められたら、 ・「ワタシエイゴハワカリマセン」くんのフリ ・トランジットだから払わなくてもいいと思っていたフリ ・日本は3本まで大丈夫だから何処でも同じだと思っていたフリ ・ここで払って、フィジーでも払ったら、二度払いになるやないか。 オレはアメリカに来たかった訳やないねん。入らんで済むなら入らんわ!とゴネる。 ・パンツに隠して、「You must be Mr. Shintaroh Katsu」と突っ込まれる。 という「五段の構え」で防御していた。 そして、緑の「申告するもの無し」のゲートで、 みんな、さくさく通ってるから、 僕も「さくさく」通ろうとしたら、手で制された。 不安になりながら、別の検査場へ連れて行かれる。 然し、意外にも、中を開けろとは言われず、 パスポートをチェックしただけみたいだった。 無事に、眞澄は、渡米に成功した。 さて、エアパシフィックのカウンターへ。 聞いてみると、矢張り思ったとおり、単純に、 フィジーでの旅行代理店員の「書き間違い」だってことが判明した。 つまり、チケットの予約は、ちゃんと、29日になってた。 彼がシールに書き直す時に、 間違って、到着する日付の31日を書いてしまったことらしい。 ほっとしたら、今度は、荷物検査。 チェックインの時、機内預けの荷物も、 本人付き添いの下で、X線を通すみたい。 ここまで厳重なセキュリティは聞いた事もやった事も無い。 流石に米利堅ということかな。 ヒースローでの、BAカウンターの「親切おばちゃん」は、チェックインの時、 「昔は、アメリカでも、トランジットがあって、荷物もスルーになってたのよ。 ところが、今は、自分でもう一度セキュリティチェックをやりたいということで、 客は一旦、外に全部出すようになったの」 矢張り、思ったとおりだった。 他国のセキュリティを信用せず、 自分たちで徹底的にやる。 まさに米利堅。 今回の旅の目的は、 「和食に溺れ、日本酒の海を遠泳すること」 この金科玉条を、僕は再度思い返した。 ここは、カリフォルニアである。 世界中でも、恐らくトップに来ると思われる、 「日本モノがうじゃうじゃ溢れている地域」である。 その空港。無いはずがないではないか。 うむ。 発見。 僕の「酒群探知機」が示す10時の方向を見ると、 一つは、寿司バー(持ちかえり)。 もう一つは、和食(カレーとか蕎麦とか丼とかの持ちかえり)屋がある。 2軒もあるのは流石と言うべきか。 然し、僕にとっての問題は、 食べ物よりも、日本酒。 寿司バーの酒は、大関ワンカップ。 然し、もう一軒の方には、 一応、特定銘柄酒があった。 「白山純米」。 聞いた事ないなぁ。 そう思いつつ、頭の中で、コンビネーションを考える。 カレーや丼やてんぷら蕎麦を肴に酒を飲むのは辛い。 唯一の可能性はざる蕎麦だけど、 僕は生憎、蕎麦で酒を飲るという、 東京人の得意とするこのコンビを体験したことがない。 矢張り、まっとうに考えたら、寿司だろうなぁ。 そう思って、先ずは、寿司バーへ。 行って見ると、「刺身」もあって、 一寸迷ったけど、腹も減ってたので、 「上にぎり」(14ドル)と、ガリ(50セント)を買う。 次に、隣に行って、 「白山純米(180ml。4.50ドル)」2本と、 サイドメニューにあった「お新香」(2.50ドル)を買う。 その「持ちかえったもんを食べる席」は、 なかなか絶妙のポイント(飛行機がすぐそこ)にあった。 僕は良い気分で、寿司を摘みながら、酒を飲むことができた。 寿司はね、非常に旨い。 流石はカリフォルニアやなぁ。 ガイコクなら、多分、No.1だろうね。 米は、矢張り、カリフォルニア米が、一番日本米に近いし。 ネタも、ガイコクにしては、申し分無い。 そして「白山」。 どうにも聞いた事無い銘柄だと思っていたら、 「Produced & Bottled in CA」 なーんや。 カリフォルニアの酒かい! その昔、大阪で、カリフォルニアの酒を飲んだ事があって、 その時は「うげぇっ」と思ったけど、 人間、環境が変われば、納得水準も変化するというもんだ。 ええ感じの待ち時間があったので、 僕自身もええ感じになった。 そして入った機内では、 陽気なフィジアンソングがかかる。 僕は、カリフォルニアの酒に酔い、 倫敦で買った長野産の日本酒を背負い、 アフロのすっちーが笑顔で「ブラ!」と迎えてくれる。 ここは何処? 時差とか、そういうレベルじゃなしに。 斯くして、総移動距離36,000km、 まさに地球一周の旅は、終わった。 ヒースローからロスまで11時間、 ロスからナンディまで11時間、 ナンディからスバまで4時間、 僕がスバの自宅に到着したのは、 8月31日の13:00。 心身共にヘロヘロだった。 然し。 僕には、愉しみがある。 これだけを胸に秘め、 この難行苦行を耐えてきたのだ。 日本酒は適当に揃っているが、海の幸が劇的に無い国、えげれす。 海の幸は適当に揃っているが、日本酒が劇的に無い国、フィジー。 今宵、「帰ってきた必殺運び人」が、 この素敵な橋渡しを実現した。 「塩ウニ」に「眞澄」。 どや! |
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