フィジー通信 vol.02

フィジー通信vol.02 ■豆腐■ 16th/Mar/2002

僕は今、豆腐で飲ってる。
フィジーで豆腐。
これ、どうよ?

フィジーに着いて、二日目。
今朝は、快適な朝を迎えた、、、というわけでもなかった。
少々夏バテ気味なのかもしれない。
身体がだるい。
起き上がるのに時間がかかる。
そういえば、朝、ゆっくり寝てられるのは、だいぶ久しぶりかも。

今日の予定は、教授に挨拶に行くことだけ。
というわけで、目覚ましは、9時にセットしたけど、
起きては10時にセットしなおし、
起きては11時にセットしなおし、
起きては12時にセットしなおし、
起きてはもうあきらめてセットせずに自然の摂理にまかせ、
起きたのは14時頃だった。
うんこだって、出るときは出る。
起きるのだって、もういやっちゅうほど寝れば、ちゃんと目が覚める。
神様は偉いのだ。

この部屋は、意外に涼しげで、なかなか快適である。
何って、ロンドン時代の学生寮を想定していたから、
正直、昨日は、驚いた。
スタッフは「Sir」と言っては、恭しく跪き、
部屋にはいる時は赤い絨毯が敷かれ、
足を差し出すと舐めてくれる。
#誰か止めてね。

いやはや、ロンドンの、暗く寂しい寮生活を経験してる僕としては、
「一戸建てのバンガロー」「ベッドは二つ置いてもまだ余る部屋」
「キッチンやシャワー、トイレは勿論、電子レンジまである部屋」
「テレビは当然」「ベランダだってあんねんぞ」
この感覚、驚きました。

まぁ、僕は、夏でも毛布をかぶるくらい、冷房が効いた状態が好きなので、
この、「ファンのみ」の部屋は正直言って辛いけど、
でも、まずまず落ち着ける。
冷房完備なんて、望んじゃいけない状況やし。
だから、上半身は常に裸やけどね。

起きて、シャワーを浴び、初めて大学に行ってみた。
噂には聞いていたけど、このキャンパス。
東京ドーム30個分だかの、広大なもの。
然も、なんというか、川とか流れてるし、
建物も似たような感じだし、
道もまっすぐじゃないし、
とにかく迷う。
樹海とかあるし、迷い込んだら、
生きては帰ってこられないエリアとかもあるし。
木陰に入ると、酋長が雨乞いの儀式とかしてるし。
ほんまに大学か?!

迷うと、なにせ、東京ドーム30個分だから、
えらく大変なことになる。
ウグイス嬢もいてないし、
迷子監督のおねえちゃんもいてない。
そもそも、迷子になったかて、

「○○ちゃんのおかあさん、○○ちゃんが、大きな椰子の木の下で迷子になってます」

みんな「大きな椰子の木」やっちゅうねん。

「あ、それから、○○ちゃんは、笑顔の素敵なフィジアンのお姉さんが保護してまーす」

だから、そこらへん、みんな、「笑顔の素敵な」アフロやねんて。
正直、アフロなねえちゃんは、
全て、顔は同じ。年齢も同じに見える。
いや、ほんまやで。
例えば、逆に、フィジアンに聞いても、
森光子の年齢は、多分わからんやろ。
#日本人でも?
でもね、ほんまにフィジアンはいい人たちよ。
あのこぼれんばかりの笑顔、
アジア系にも分けてあげたい。序にチェルシーもあげたい。

大体、東京ドーム30個って、どのくらいの感じよ?
大きさの目安としてよく引き合いに出される東京ドーム。
何個分とか言われても、わからんちゅうねん。
とりあえず、お茶の水とかは余裕で入ってしまうんかな?

自分がどこにいるかわからんし、
周りには、椰子の木と、南国ちっくの建物と、アフロの学生たちのみ。
何処に行っても、同じ光景やっちゅうねん。
目印がない。
あそこは、アジアスタディだから、オリエンタルな雰囲気の学生が多いし、
こっちは理系だから、白衣着てる奴らが多い。。。
などと、予測がつくなんていうことは全くない。
いるのは、半そで短パン雪駄穿き(時には裸足)のアフロな学生ばかり。
おおい、オレは今、何処にいるんじゃい!
迷うことしきり、歩くこと死にかけ、汗は滝のように流れる。
よく、野球選手とかが、
「汗をかききってしまったので、身体は楽です」
とかコメントしてるけど、フィジーで同じことをやってみぃ。
汗はなくなるもんちゃうぞ。
人間の身体の1/3が水分だってことを、
ある意味、相当きっちり認識して、
その上、かなりこわーくなったのは、
昔、サルモネラで入院したときに、脱水症状になりかけたときと、
今回くらいのもんやな。

サルの時は、まぁ、出る出る。
際限なく出る。
何処からって?
それは、、、ヒ・ミ・ツ。
・・・とか言ってられないほどの流量で、
もう、あれは、経験者しかわからんやろというような、
ものすごい勢いで、出る。
・・・そう。下から。
一時もかかさず、まぁ律儀にでよる。
身体がしぼんでいくんではなかろうかと思うほど、
真面目に、秒速級の凄さで、出た出た。
人間の身体の1/3が水分なんだったら、
まさしく、自分の身体の水分がなくなっていく状態。
これを実感できたのは、サルやったね。
かったいのんがでたときは、神に感謝して、
花とか団子とか飾ったもの<嘘

今回も、汗が収まることがない。
恐るべき熱帯。
「滝のような汗」とはよく言ったもんで、
既に、自分の顔、自分の身体の状態が、
どないなっとんのか、わからんくらい、汗まみれ。
大阪も確かに暑い。暑いで。
然し、冷房効いてる、逃げるエリアは、
なんなんとあるやないの。
ここは、教授でさえ、短パンの世界。
暑いとか、言ってられへん。

そう、教授ね。

教授と、その秘書レシュミは、素晴らしい人だった。
緊張しながらオフィスに行くと、
レシュミは、ちょっと官僚ちっくな雰囲気で対応してくれた。
発声が、落ち着いてる。
表情も「ふふん」ってな感じ。
然し、僕は直感的に、この人はええ人やと思った。

で、教授登場。
教授の部屋といえどもクーラーはなく、
初老の教授は、ファンキーな短パンに矢張り雪駄。
一応、会う時は、スーツがええんかなぁ?と思った僕がアホやった。
教授、めっちゃファンキーやぞ。
とりあえず、僕がこの数日でしなければならないことを、
簡潔に、順序良く、説明してくれる。
この辺の呼吸は、僕も好きなところ。
いい先生だなぁと、第一印象はOK。
教授は、用事があるからと言って、
後事はレシュミに任された。

彼女は、敏腕秘書風。
静かなしゃべり口と、冷静な頭脳をもつ。
僕としては、ちょっといじってみたくなるタイプだ。
然し、今は、神妙に、各手続きを済ます。
e-mail、図書館カード、インターネットの使い方、今後の予定、宿泊、などなど。
物静かな語り口だけど、
時々(ほんまに時々)、ネタをかます。
このときが、恐らく、「ツッコミポイント」なので、
徐々に彼女はいじってみたいと思います。

とりあえず、大学の用事を終わらせて、スバ(首都)の街に出る。
買い物をするのと、スバの雰囲気を知るのが目的。
ナンディ(国際空港がある、フィジー第三の町)よりは流石に都会。
然し、やはり、「都会」というほどのものでもない。
まぁ、しかし、色々なものは揃いそうかな。
僕は、居酒屋で「とりあえずビール」というような感じで、

「とりあえず、マクド」

を試した後、南太平洋をまじまじと見た。

帰り道、スーパーがあったので、思わず立ち寄る。
実は、シドニーに寄った際、
フィジーでは何かと入手困難であろうと、
「世界の調味料」醤油、
「刺身には不可欠」わさび、
そして、その他の、ごちゃごちゃとした、
例えば、味噌汁とかお茶とか干鱈とかは買ってきていた。

しかーし!
フィジー、恐るべし。
普通のスーパーで、
「世界の」醤油があるのはわかる。
しかし、わさび、干鱈(なとりの珍味みたいな奴ね)、
その他、カップヌードルとか、お茶とか、
そんなレベルのものは、余裕かまして、
普通のスーパーに売ってることが判明した。

オセアニア。。。

えげれすを始め、欧州各国の食糧事情を考えると、
多分、えげれすの田舎よりは、ここのほうが充実してるぞ。
少なくとも、ダーラムでは、わさびは入手不可能だった。

僕は、軽く打ちひしがれて、
スーパーの冷蔵コーナーに行ってみた。
そこには、「TOFU」がおいてあった。
大体、えげれすでは、この手の豆腐は、
「なんちゃって豆腐」であることが多い。
然し、あろうことか、絹ごしと木綿の二種類があるではないか。

ふうむ。。。

僕は、何となく、フィジーの底力に接したような気分になって、
一応、そのTOFUなるものを買ってみた。
醤油は、シドニーからはるばる持ってきた、
キッコーマンじゃなくて、ヤマサの刺身醤油がある。
いざ!

・・・

というわけで、今、僕は、
ロッジのスタッフに、全身を舐めてもらいながら、
豆腐で一杯を楽しんでるところである。
旨い!
この豆腐はなかなかですぞ。
フィジー、恐るべし。


 



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