フィジー通信 vol.09
今晩も、中華。 最近、頻度が高いなぁ。 いい加減慣れてしまってるので、 今更驚くこともないんだけど、 日本からやってきた人たちは、 ちょっと驚くのではなかろうかと思うのが、 この、中華の注文のし方。 Take Awayの店先には、 保温機能の付いたガラスケースの中に、 大体、10種類くらいの料理が、並んでる。 客は、メニューを見て、というよりも、 「これと、これ」という風に注文する。 名前がちゃんと書いてあるのは稀なので、 実際に「これとこれ」と言わなきゃならない。 それで、最初の頃は、よく、骨付き肉を買って失敗したのね。 何故か、この国は、骨付きが多くて、 食いにくいったらありゃあしない。 味付けは大概どれも同じで、 オイスターソースみたいなので炒め煮してるのとか、 シーズニングだけで炒めてあるのとか、 ミソ炒めしてあるのとか。 具は、鶏、牛、羊、の「3種の神器」に、 時々、魚が入る。 そういや、豚って一度も見てないな。 ヴェジタリアンの人は大変だろうと思うくらいに、 何処でも大概肉なんだけど、 最後の仕上げがどれもこれも似通ってるのは事実。 スープ多めに炒め煮して、味付けが、決まってるんだから、 まぁどれもこれも、似てるって言えば似てるわけだ。 しかーし! 一応、それぞれは、「違う」料理でしょ? だから、わざわざ、バットにあける時、分けてるわけでしょ? 値段もそれぞれ違うわけでしょ? 例えば、注文する時、「これとそれ」と2種類言ったとする。 まず驚くのは、これらは、ご飯の上に乗っけるのがデフォルトだということ。 丼状態なんですな。 然し、2つもご飯を盛られたら、たまったもんじゃないので、 「ちょっと待ったぁ!」ということになる。 へ?という顔でこちらを向くおばちゃん。 僕は、「ご飯はいらないから、それだけを盛って」と言う。 頷くおばちゃん。 「small?」と聞かれるから、そうだと言う。 おっきいのは、いらないよ。 頷きつつ、おばちゃんは、容器に、「これ」を盛る。 なんや、意外にケチやなぁ。 盛りが少ないやないの。 そう思って油断してると、 おばちゃんは、「その上に」重ねて、「それ」を盛ろうとする。 「ちょっと、待ったぁーーー!」 なんで、混ぜんねん。 違う料理でしょう? なんで一緒に混ぜるのよ? 味が違う(まぁ似てるけどね・・・)もんをいっしょくたにしたら、 それぞれの個性が消えてしまうでしょ? 僕は、この前、レストランで食事をした時のことを思い出した。 そこはレストラン。 Take Awayではないのである。 僕は、ロブスターのクリームソース合え、みたいなものを頼んだ。 説明を見ると、なかなか旨そう。 以前、ヴァヌアツでも、これと似たのを食べたっけ。 イセエビ丸ごと、姿造りやし、 加熱はされてるけど、ロブスターには違いない。 説明を見ると、本当に素晴らしいことが書いてある。 内容は忘れたけど、とりあえず旨そう。 そこそこ、良い値段やし。 但し書きに、若干、気になるセンテンスがあったけど、 まぁそれは、いいとしましょう。 ロブスターは素晴らしかった。 まさに姿造り。 生ではないけど、一匹丸ごとのイセエビ。 身は、食べやすいように、適当な大きさにカットされている。 ソースも、まぁ、申し分無い。 然し、、、。 下に敷いてあるのは、ご飯。 クリームソース合えやぞ? ってことは、ソースが皿の上にだらだらなわけやぞ? ご飯が、べしょべしょになってるやないの。 なんで、一盛りにするかな? なんで、皿を分けないかな。 僕は、今更ながらに、思い出すのである。 そう、あれは三年半前。 ロンドン時代の一年目。 寮生活をしていたときだった。 この寮は食事付き。 毎晩、悲喜劇が繰り広げられることになる。 「魚のホワイトソースがけと、焼きそばと、ライスと、グリンピース」 言ったものを、機械的に、自動的に、無意識的に、 一つの皿に乗っけるおばちゃん。 寄せて、上げる、 もとい、 寄せて、交わらないようにする、 などという心遣いとは無縁のおばちゃん。 平面的かつ区別的に、ではなく、 単純にかつ階層的に、順に重ねて行くおばちゃん。 当然、ライスは、ソースでべしょべしょになる。 弁当で、沢庵の黄色の色が付いたご飯くらいなら、小学生のネタにもなるけれども、 この、気持ち悪い食感は、米食い民族の日本人としては許すまじ、このやろう。 食感。textile。 これは、かのリンボウ先生もご指摘の、 えげれすに欠けてる感覚だけれども、 しゃっきり茹であがったブロッコリーだとか、 まるで立ってるようなご飯粒だとか、 パリーン♪と音がするシャウエッセンだとか(笑)、 そう言った感覚がえげれすにはないのである。 ブロッコリーは、黄色になるまで茹でて、ふにゃあとしてるし、 ご飯は、歯ぁ欠けるでぇというくらい堅い部分と、老人食かっちゅうくらい柔らかい部分とがある。 イングリッシュソーセージには、「シャキーン♪」も「キャシャーン♪」もありませぬ。 なんか、色々なことが、走馬灯のように僕の頭をよぎっていた。 はっ! ここは、レストラン。然も、フィジーやぞ。 ロブスターをつつきながら、何気にメニューをもう一度見る。 そこには、 「全ての料理には、もれなく、チップスがつきます」 とあった。 イセエビにチップス・・・。 |
Copyright(C) 玲(Ryo)1998-2006