野生動物を見かけたら
■野生動物を見かけたら
■野生動物の「死体」を見つけたら
■ウミガメ・イルカ・クジラが打ちあがっているのを見つけたら
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■野生動物を見かけたら
 鳥が巣から落ちていたり、タヌキが1匹でよろよろ歩いていたりすると、「かわいそう」だと思う人もいます。でも、野生動物には彼らの事情があります。人間の勝手な思い込みで連れて帰ったりえさをやったりすることによって、逆に死なせてしまったり悪い影響を与えてしまうこともあります。野生動物にとっては、人間にさわられるだけで強いストレスになってしまうからです。

 野生動物を見かけたときは、すぐに拾ったり捕まえたりせずに、まずはしばらく様子を見てください。親が連れ戻しに来たり、ただ休んでいただけでしばらくしたら自分でどこかへ行ってしまうこともあります。

 時間が経ってもその場を離れない場合は、自分で拾ったり捕まえたりする前に 動物園や博物館、水族館などの専門家に相談してみてください。電話で状況を知らせれば、的確なアドバイスがもらえるはずです。

 もしも何らかの都合で捕獲する(捕まえる)場合は、絶対に素手で触らないようにしてください。野生動物を忌み嫌う必要は全くありませんが、中には病気を持っていたり、病原菌を持つダニやノミなどが体にいるものもいます。また、噛み付かれた場合にも破傷風などの病気にかかる恐れがあります。

 野生動物に触れる場合には、噛み付かれても皮膚まで達しないように皮製の手袋をはめてください。死んだ動物に触れる場合には、ゴム手袋などでしっかり皮膚を覆いましょう。そして、後で充分に手洗いをしましょう。

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■野生動物の「死体」を見つけたら
 動物が車にひかれて死んでしまうことをロード・キルと言いますが、野生動物も車にひかれてしまうことがよくあります。その他にも、山の中や民家の周辺で病気など何らかの原因で死んでしまった野生動物を見つけることがあります。鳥の場合は、ビルや家の透明なガラスにぶつかって死んでしまうものもあります。

 そのような野生動物の死体を見つけたときも、絶対に素手で触らないようにしてください。

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■ウミガメ・イルカ・クジラが打ちあがっているのを見つけたら
 ウミガメやイルカ、時には大きなクジラが浜に打ちあがることがまれにあります。このように、本来海にいるはずのクジラ目(クジラやイルカの仲間)や、海牛目(ジュゴン・マナティ)あるいは食肉目-鰭脚類(ききゃくるい)(アザラシ・オットセイ)などが、生死を問わず海岸に打ち寄せられたり、湾や河口に入り込むできごとのことをストランディング(stranding)と言います。人間が使用する漁具などにかかったような場合は「混獲」として区別します。打ちあがった個体が生きている場合にはライブストランディング(live stranding)、また一度に何頭も打ちあがる場合もあり、この場合は特にマス・ストランディング(mass stranding)と言います(母と子の組み合わせを除く)。

 もし、生きているイルカが打ちあがっているのを見つけたら、できるだけ速やかに海へ返さなければいけません。その扱いは専門家に任せる方がよいのはもちろんですが、すぐに連絡が取れず周囲の人と一緒に海に返す作業をする場合は、体が乾かないように海水をかける、外気が寒いときは毛布などで暖め、その上から海水をかけることが望ましいそうです。

 もしも海に返す前に時間があれば、できるだけいろいろな角度から写真を撮っておいてください。後から博物館や水族館の専門家に送ると、大変貴重な記録になります。(クジラなどは新種が見つかることもあります。)

 ウミガメの場合は、産卵のために自分で浜に上がることがあります。生きているウミガメを浜で見かけても、捕まえて海へ返さないようにしましょう。無視するか、邪魔しないようにそっと観察していると産卵するところが見られるかもしれません。

 愛媛県内に限り、見つけた動物がすでに死んでいた場合、またはウミガメの産卵を見た場合は、博物館や水族館までお知らせください。状況によっては引き取りに行く場合もあります。

■ウミガメやイルカの死体を回収する理由
 海に棲む生き物は、頻繁に姿が見えず、しかも広い海を移動するため、その調査が難しくなります。そのため、ストランディングで打ちあがった動物は貴重な調査対象になります。種類をきちんと特定することで、その動物が愛媛県にいた(または流れ着いた)という記録になります。また、すでに死んでいた場合は、外傷を調べたり解剖することによって、死因が分かったり、まだ知られていないその動物の生態が明らかになったりします。内臓や筋肉の組織を分析することで、海に広がる環境ホルモンや汚染物質を調べることができます。骨は骨格標本として博物館などに所蔵され、私たちが動物の体のしくみを知るための教材になったり、研究者が別の個体の同定に用いたり、さらにある時代に生存した生物の証拠として次世代へ受け継がれます。

 ちなみに、当たり前のことですが、生きたまま打ち上げられてしまったウミガメやイルカを解剖するようなことは絶対にありません。

<もっと知りたい人へ>
→国立科学博物館・海棲哺乳類情報データベース
→愛媛大学・沿岸環境科学研究センター
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