■無人島にて 蚊の猛襲
宇和海のO島へ鳥の調査に行った。

 今回は夕方に港を出て、島で一泊するという予定。 島には磯釣り用の渡船で渡してもらう。 渡船のおじさんに「蛇はおらんからなあー」(安心しろ) 、「際で寝るなよー」(海に落ちる)、「蚊取り線香もったかー」とマイクで叫ばれてお別れ。明日の朝、 迎えに来てもらう約束をする。 島の周囲は崖で歩いて廻ることはできない。船が着けられるのも数箇所しかない。 テントを張る平らなところもない。少し雨が降ってきたら、海から虹が立った。

 やがて日没。夕食を済ませると蚊が襲ってきた。 そう、島には蚊がいるのだ。しかも、大量に。少し眠ろうと横になるが、平らな所はないので、上手く寝ないと転がったり、岩の凸凹に背中のツボを押されたまま眠ることになる。寝袋には暑くて入れない。 何とか体の幅が収まる所を見つけ横になった。 蚊取り線香を焚くがあまり効果はない。雨も降ってきた。そのままやり過ごそうと思ったけど、ひどくなってきたのでツエルトをかぶる。これが少し快適。眠れるかと思いきや、隙間から蚊が入ってくる。ツエルトをかぶったまま蚊取り線香を焚くが、これはやはり煙い。こちらが逝ってしまいそうなので、蚊取り線香はあきらめツエルトから出る。 かぶったり、出たり。結局これを繰りかえす。

そのうち雨が上がり月が出てきた。明るい。月明かりがこんなに明るいとは。夜なのに景色がカラーで見える。蚊さえいなければ・・・。 夜も更けた頃、目当ての鳥が現れる。奇妙な声が夜の空を高速で移動する。 2時過ぎまで調査。月で明るいとはいえ、岩場の移動は慎重に。調査で疲れたが、やはり蚊に襲われる中では眠れない。この蚊たち普段はどうしているのだろう。血にありつけることなどないだろうに。 蚊との戦いは終わらず、やがて空が明るくなり夜は明けていった。そうしたら、みごとに蚊がたいなくなった。やれやれ。

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